2016年10月26日 豪州の7-9月期インフレ率と金融政策の見通し 豪州の2016年7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前年比+1.3%へ上昇し、市場予想(同+1.1%)を上回る。 豪州準備銀行(RBA)が金融政策判断を行う際に重視する基調インフレ率は、引き続き低水準での推移が示される。 RBA総裁は柔軟な金融政策運営の方針示す。11月1日のRBA理事会では政策の様子見姿勢が維持される見込み。 CPI公表を受けて豪ドル相場は強含みの反応示す。豪ドルの対円相場は2016年7月以来の1豪ドル=80円台を回復。 図1:豪州の消費者物価指数(CPI)上昇率 (CPI総合と基調インフレ率) 7-9月期CPIは市場予想を上回る上昇となる 豪州の2016年7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前 年比+1.3%へ上昇し(4-6月期は同+1.0%)、市場予想 (同+1.1%)を上回りました(図1)。7-9月期は天候不良 等による食品価格上昇や、電気料金の上昇などがインフ レを押し上げる要因となりました。 (前年比、%) 4.0 CPI加重中央値(※) 3.5 CPIトリム平均値(※) 3.0 一方、豪州準備銀行(RBA)が金融政策判断を行う際に 2.5 重視する基調インフレ指標は、CPI加重中央値が同 +1.3%、CPIトリム平均値が同+1.7%となり、引き続き基調 インフレ率が低水準で推移していることが示されました。 11月1日のRBA理事会は様子見姿勢を継続へ フィリップ・ロウRBA総裁は10月18日に行った講演「イン 2.0 0.5 ターゲット」を採用しており、雇用や金融システムの安定の ためには中期ターゲットからの一時的なインフレのかい離 インフレ・ターゲット(2~3%) 10 来週11月1日のRBA理事会に臨むことになります(RBAの インフレ見通しは11月4日の「四半期金融政策報告」で公 表される予定)。今回のRBA理事会では、雇用や住宅市 CPIを受けて豪ドルの対円相場は80円台を回復 10月26日の為替市場では、7-9月期CPIを受けて利下 12 13 14 融政策報告が為替市場の注目材料となりそうです。 (年) 90 (米ドル) 0.90 85 0.85 対円レート(左軸) 80 0.80 75 0.75 豪ドル高 ドルの対米ドル相場は1豪ドル=0.77米ドル前後へ上昇し、 70 しました(図2)。引き続き、来週のRBA理事会や四半期金 16 図2:豪ドルの対米ドル、対円相場の推移 げ観測が後退し、豪ドルは強含みの反応を示しました。豪 対円相場は2016年7月以来の1豪ドル=80円台を回復 15 (円) 場の動向を注視しながら、政策の様子見姿勢が維持され る公算が高いと考えられます。 11 (出所)豪州政府統計局(ABS) (期間)2010年1-3月期~2016年7-9月期 (注)※は基調インフレ指標。加重中央値は品目毎の構成比を加味した 中央値。トリム平均値は変動の大きい一定割合の品目を除いた平均値。 が許容されるとの考えを示しました。 RBAは今回のCPIの結果を受けてインフレ見通しを改定し、 1.3% 1.3% CPI総合 1.0 フレと金融政策」の中で、RBAは中期的に2~3%のインフ レ率を達成することを目標とする「柔軟な中期インフレ・ 1.7% 1.5 0.70 対米ドルレート(右軸) 豪ドル安 65 16年1月 16年3月 16年5月 16年7月 16年9月 0.65 (出所)ブルームバーグ (期間)2016年1月1日~2016年10月26日 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 1
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