豪州準備銀行の金融政策と総選挙の動向

2016年7月6日
投資情報室
(審査確認番号H28-TB80)
オーストラリアレポート
オーストラリア経済とリート市場の動向について
豪州準備銀行の金融政策と総選挙の動向
 豪州準備銀行(RBA)は7月5日の理事会で政策金利据え置きを決定。声明文は今後の追加利下げの可能性を示唆。
 市場では8月2日RBA理事会での利下げ予想が大勢。2016年2Qの豪消費者物価などが追加利下げの判断要素に。
 足元の為替市場では、国内外の政治動向が豪ドル相場の注目材料となる。7月2日には豪総選挙が実施された。
インドが追加利下げ 今年4回目
 下院では与野党の議席が拮抗し、宙吊り国会となる可能性。今後は最終投票結果や連立交渉の行方が注目される。
RBA理事会は今後の追加利下げの可能性を示唆
図1:豪州準備銀行(RBA)の政策金利とインフレ率
(%)
豪州準備銀行(RBA)は7月5日の金融政策理事会で、
政策金利を1.75%で据え置く決定を下しました(図1)。
5.0
スティーブンスRBA総裁は、「理事会は今会合での政策据
え置きが賢明であると判断した」と述べながら、「今後に
関しては、追加情報に基づいて理事会は成長とインフレに
関する見通しを修正し、必要に応じて政策スタンスの調整
を行う」と今後の追加利下げの可能性を示唆しました。
4.0
8月2日RBA理事会での利下げ予想が大勢
2.0
ブルームバーグ集計の市場コンセンサス(7月1日時点)
によれば、次回8月2日のRBA理事会での0.25%の追加利下
げが市場関係者の大勢の見方となっています。
8月会合の直前には7月27日に2016年第2四半期の豪消費
者物価指数(CPI)が公表されること、8月はRBAが経済見
通しの改定を行う四半期金融政策報告の公表月であること
などから、次回会合がRBAが政策変更をする上で適切なタ
イミングと考えられています。
国内外の政治動向が豪ドル相場の注目材料に
3.5
3.0
2.5
勝利となった英国民投票に続いて、7月2日には豪州の総選
の獲得議席が拮抗しており(※)、与野党ともに過半数の
7月5日から開票が再開された郵便投票の結果は、与党・
保守連合に有利に働くとの見方もあるものの、今後は上下
1.75%
1.6%
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(出所)豪州準備銀行(RBA)、豪州政府統計局(ABS)
(期間)基調インフレ率:2009年1-3月期∼2016年1-3月期
政策金利:2009年1月1日∼2016年7月5日
(注)基調インフレ率は消費者物価指数(CPI)のトリム平均値(平均値を
算出する際、データの最大値と最小値付近の値を計算から除外)と
加重中央値の平均により算出。
図2:豪ドルの対米ドル、対円相場の推移
(円)
95
2016年7月2日 豪総選挙
豪ドル高
(米ドル)
0.95
2016年6月24日
英国民投票でEU離脱派勝利
90
豪ドル安
0.90
0.85
85
80
0.80
対円レート(左軸)
0.75
75
70
0.70
対米ドルレート(右軸)
76議席を確保できないハング・パーラメント(宙吊り議
会)となる可能性が高まりつつある模様です。
基調インフレ率
(前年比)
1.0
挙(上下両院の解散選挙)が実施されました。
最終的な選挙結果は依然未確定なものの、下院では与野党
インフレ目標
レンジ(2~3%)
1.5
足元の為替市場では、国内外の政治動向が豪ドル相場の注
目材料となっています(図2)。欧州連合(EU)離脱派の
豪州準備銀行の政策金利
(キャッシュ・レート)
4.5
65
16年1月
0.65
16年3月
(出所)ブルームバーグ
16年5月
16年7月
(期間)2016年1月1日∼2016年7月5日
【(※)豪下院選挙の開票速報(公共放送ABC)】
院での最終投票結果や、政権発足に向けた連立交渉の行方 与党・保守連合=68議席、労働党=67議席、その他=5議席、
などに注目が集まりそうです。
未確定=10議席(7月5日15時(日本時間)時点、開票率79.7%)
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