2016年10月27日 投資情報室 (審査確認番号H28-TB189) オーストラリアレポート オーストラリア経済とリート市場の動向について 豪州の7-9月期インフレ率と金融政策の見通し 豪州の2016年7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前年比+1.3%へ上昇し、市場予想(同+1.1%)を上回る。 豪州準備銀行(RBA)が金融政策判断を行う際に重視する基調インフレ率は、引き続き低水準での推移が示される。 RBA総裁は柔軟な金融政策運営の方針示す。11月1日のRBA理事会では政策の様子見姿勢が維持される見込み。 CPI公表を受けて豪ドル相場は強含みの反応示す。豪ドルの対円相場は2016年7月以来の1豪ドル=80円台を回復。 インドが追加利下げ 今年4回目 図1:豪州の消費者物価指数(CPI)上昇率 (CPI総合と基調インフレ率) 7-9月期CPIは市場予想を上回る上昇となる (前年比、%) 豪州の2016年7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前年比 +1.3%へ上昇し(4-6月期は同+1.0%)、市場予想(同 +1.1%)を上回りました(図1)。7-9月期は天候不良等 による食品価格上昇や、電気料金の上昇などがインフレを 押し上げる要因となりました。 4.0 CPI加重中央値(※) 3.5 CPIトリム平均値(※) 3.0 2.5 一方、豪州準備銀行(RBA)が金融政策判断を行う際に重 視する基調インフレ指標は、CPI加重中央値が同+1.3%、 CPIトリム平均値が同+1.7%となり、引き続き基調インフ レ率が低水準で推移していることが示されました。 2.0 1.7% 1.5 1.3% 1.3% CPI総合 1.0 11月1日のRBA理事会は様子見姿勢を継続へ インフレ・ターゲット(2~3%) フィリップ・ロウRBA総裁は10月18日に行った講演「イ ンフレと金融政策」の中で、RBAは中期的に2∼3%のイン フレ率を達成することを目標とする「柔軟な中期インフ レ・ターゲット」を採用しており、雇用や金融システムの 安定のためには中期ターゲットからの一時的なインフレの 0.5 10 かい離が許容されるとの考えを示しました。 12 13 14 15 16 (年) 図2:豪ドルの対米ドル、対円相場の推移 RBAは今回のCPIの結果を受けてインフレ見通しを改定し、 来週11月1日のRBA理事会に臨むことになります(RBAの 11 (出所)豪州政府統計局(ABS) (期間)2010年1-3月期∼2016年7-9月期 (注)※は基調インフレ指標。加重中央値は品目毎の構成比を加味した中央 値。トリム平均値(平均値を算出する際、データの最大値と最小値 付近の値を計算から除外)は変動の大きい一定割合の品目を除いた 平均値。 (円) 90 (米ドル) 0.90 85 0.85 インフレ見通しは11月4日の「四半期金融政策報告」で公 表される予定)。今回のRBA理事会では、雇用や住宅市場 対円レート(左軸) の動向を注視しながら、政策の様子見姿勢が維持される公 算が高いと考えられます。 CPIを受けて豪ドルの対円相場は80円台を回復 80 0.80 75 0.75 10月26日の為替市場では、7-9月期CPIを受けて利下げ観 測が後退し、豪ドルは強含みの反応を示しました。豪ドル の対米ドル相場は1豪ドル=0.77米ドル前後へ上昇し、対 豪ドル高 70 円相場は2016年7月以来の1豪ドル=80円台を回復しまし た(図2)。引き続き、来週のRBA理事会や四半期金融政 策報告が為替市場の注目材料となりそうです。 0.70 対米ドルレート(右軸) 豪ドル安 65 16年1月 16年3月 16年5月 16年7月 16年9月 (出所)ブルームバーグ 0.65 (期間)2016年1月1日∼2016年10月26日 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作 成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資 料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等 はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的 な投資成果を示すものではありません。●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行 者および許諾者に帰属します。●投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその 合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証 するものではありません。 商 号 等 :ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 1/1 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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