私は唯の一人の必要悪也 ねこです。 ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 ︻あらすじ︼ これは﹃もう一人の﹄ヒーロー殺しのお話。 ねこです。 私の前の作品のリメイクです。 読んでなくても平気です。 よろしくおねがいします。 プロローグ的な話 ││││││││││││││││││││ 1 目 次 ヒーローとの対話 │││││││││││││││││││ 7 プロローグ的な話 どうして どうしてぼくをすてるの ねぇまってよ おいてかないでよさ どうしてたすけてくれないの ⋮いいよわかったよ うまれただけで いきてるだけで それだけでつみだというなら 私は最高の悪役になってやる。 そしてこの溢れんばかりの正義の乱立を 1 悪として正してやる。 私は 必要悪になる。 2 世の中は 超人社会。 ︽個性︾という超常により 皆の希望が‼ ﹃架空﹄は﹃現実﹄に 皆の夢が ! ヒーローを創り出した‼ だが そのような光だけを ? ? ! ︽個性︾は生みだしていない。 ︽力︾は 時として闇を生みだした。 ﹁ヒーロー飽和社会⋮⋮か﹂ ﹁その社会を正すため⋮⋮偽物どもを排除するために⋮⋮我々は活動 している⋮⋮はぁ⋮﹂ 夜 街の喧騒から離れたビルの屋上で2人の男が会話する。 1人は身体に溢れんばかりの武器を携えて顔はハチマキで隠され ている。 も う 一 方 は ワ イ シ ャ ツ を 2 枚 も 重 ね 着 し さ ら に そ の 上 か ら パ ー カーも2枚重ね着している。顔は黒い粘土のようにノッペラしてお りそこに大きく淀んだ目がついている。口は見当たらず何処で発声 してるのかわからない。 ﹁そう考えると私たちいいことしてるよね﹂ ﹁⋮⋮﹂ 3 ﹁だってヒーロー多すぎだもん﹂ 重ね着はビルの淵にあがりくるくる回る。 ﹁あんなに多かったらヴィランたちが息苦しいもの﹂ ﹁⋮はぁ⋮お前は小悪党どもの肩を持つのか⋮⋮﹂ ﹁だってヴィランはなんでもしていいんだよーっと﹂ 武器持ちに言われると重ね着は淵から降り武器持ちの隣に座る。 ﹁ヒーローの基本は人助け。他人から英雄と呼ばれる行為さ﹂ 4 ﹁⋮⋮あぁ⋮⋮﹂ ﹁だけどヴィランはなんでもしていい。法を守っても、法を破っても、 慈善活動しても。だって彼らに決まりはないから﹂ 重ね着は目を大きく歪ませにこやかに語る。 ﹁だからかわいそうなんだちょっと悪いことした奴が多くのヒーロー 共にボコボコにされるのは﹂ だって君元ヒーロー志望だったね﹂ ﹁⋮⋮俺はそう思わない⋮⋮はぁ⋮⋮﹂ ﹁言うと思った しく顔を歪めた。 重ね着がそう言いながら武器持ちに顔を向けると武器持ちは嫌々 ! ﹁で、次の君のターゲットは誰だい ﹂ ﹁⋮⋮チッ⋮⋮﹃インゲニウム﹄だ⋮⋮﹂ ﹁ふーん、あのサイドキック60人ちょいいるあいつね﹂ 武器持ちは舌打ちしながらも重ね着の質問に答える。 ﹁ま、あんな﹃インゲンマメ﹄なんかにゃ君、負けないだろ﹂ ﹁⋮⋮そういう貴様は⋮﹂ ﹁私は裏で色々してる奴を調べて徹底的に﹂ ﹁⋮はぁ⋮⋮﹂ 重ね着は立ち上がり武器持ちに向き直る。 ﹁気をつけてね。﹃インゲンマメ﹄確か弟が雄英に入学したらしいん だ﹂ ﹁⋮⋮よくしってるな⋮﹂ ﹁私の情報収集力は53万です﹂ ﹁⋮﹂ ﹁おい、黙るなよ。悲しいだろ﹂ ﹁⋮⋮はぁ﹂ 5 ? 武器持ちは呆れたため息をするとビルの淵に立つ。 ﹁じゃ、またね﹃ヒーロー殺し﹄﹂ ﹁黙れ、﹃ヒーロー殺し﹄﹂ 2人の罵り合い。だが陰険さは感じない。本来は仲が良いのだろ う。 ﹃もう1人の﹄ヒーロー殺し ヴィラン名:デスウーズ 本名:毒島 公害 ︽個性︾ 毒物操体 ヒーロー殺害数︵サイドキック含め︶ 32名再起不能12人 この話は必要悪のお話。 ﹁あ、たしか雄英体育祭もう直ぐだね。録画しとくからね﹂ ﹁⋮⋮⋮⋮それは楽しみだ⋮⋮﹂ 6 ・ ・ ヒーローとの対話 ﹁やぁ﹂ 夜の町 ・ ひっそりと佇むビル ・ ・ その1フロアの赤い水溜りの中 そこに﹃ヒーロー殺し﹄デスウーズは居た。 ﹂ ﹂ ・ ﹂ ・ ﹂と情けない悲鳴を上げて後ろに下がる。 踏み出しそのヒーローに向かって一歩進む。 ヒーローは﹁ひぃっ ﹁えーと、何故このような事になったか理解してる スウーズ。 ﹁な、なんのこと⋮⋮﹂ 7 ﹁や、やめろ⋮くっ来るなぁ そしてもう一人。 退っている。 ﹁はは、そう逃げるなよ﹂ ﹁だ、誰が貴様の言う事なんかっ⋮⋮ ・ そんな彼をデスウーズは目を細め見つめている。 ﹁まぁ、うん﹂ ・ デスウーズの言うことにいちいち突っかかるヒーロー。 ! ヒーローに話しかけるためデスウーズはその赤い水溜りから外に ・ 彼は顔を恐怖に歪ませ尻餅をつきデスウーズから離れるように後 その場にはヒーローがいた。 ! 子供に言い聞かせるかのような言い様でヒーローに語り掛けるデ ? ! ﹁あ、こりゃあダメだ理解してねぇ﹂ ヒーローが一言疑問を発するだけでデスウーズはやれやれとした ちゃんと聞いてね 聴くんだよ ﹂ 表情を向けた。まるで何度も教えているのに理解しない生徒を見る 教師のように。 ﹁じゃ、簡単に説明するよ そう言うとまた一歩ヒーローに向かう。 ヒーローは後ずさる。 ? ﹁そこで、君はヒーローとして何をした ﹂ やけにニヤニヤとデスウーズは微笑みながら喋る。 の番人、いや平和の象徴だ﹂ ﹁まず、君はヒーローだ。ヒーローとはヴィランからみんなを守る法 ? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ をしてたんだい ﹂ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ﹁んじゃ、もう一つ。君⋮⋮えーと、土曜の夜8時から10時の間、何 ヒーローの彼には解らなかった。 ヒ ー ロ ー の 答 え に デ ス ウ ー ズ は 難 色 を 示 す。そ れ は 何 故 な の か ﹁あー、うん。まぁそうっちゃそうなんだが⋮﹂ ⋮⋮⋮﹂ ﹁な、何って⋮⋮⋮市井の皆さんを守ったり⋮ヴィランを捕まえたり 突発的なデスウーズの質問。ヒーローは少し気が抜けてしまった。 ? 何 を し て い た か。そ れ は 周 り に 知 ら れ た ら 大 変 な 事 に な る の も で あった。 ﹁そ、そそそそっそれは⋮⋮﹂ ・ ・ ・ ・ ・ ﹁言えないよねぇ、言えるわけねぇよねぇ。健全なヒーローがまさか 女子中学生とナニしてたなんてねぇ﹂ 言われたくも知られたくも無い事をデスウーズから聞かされヒー ローは絶望する。 ﹁あぁ、そんな絶望するなって。ほら、人の三大要求の一つなんだし。 私にだってそうゆうチョメチョメしたい心はあるさ﹂ まるでデスウーズはヒーローに対し励ますように言葉を掛ける。 ﹁でだ。まぁナニするのは別にいいさ。ただ一つだけ大きな問題があ 8 ? 意 味 不 明。ヒ ー ロ ー は そ う 思 っ た が 直 ぐ に 思い出した。そ の 時 間 ? るんだ﹂ 言葉を切りデスウーズは視線を向ける。もうその顔は笑ってない。 ﹁君がヒーローって事さ﹂ デスウーズの言葉は続く。 ﹂ ﹁別に聖人みたいに貞操潔白でいろとは言わないさ。でもね、仮にも 人の希望かつみんなの代表のヒーローが援助交際してたらどうよ 腕を広げ問いかける。 ﹁ん ﹂ ﹁なんでテメェなんかに言われなきゃいけねえんだ ・ ・ ・ ヴィランのお前 突然の咆哮にデスウーズは大きな瞳をパチクリして驚く。 ﹁ふざけんなぁ ﹂ ﹁⋮⋮ざけ⋮⋮んな⋮﹂ その瞳には暗い怒りが表れていた。 とか使ったんだろ﹂ ﹁更に君、そのお金にヴィランを倒した際、逃げる時に落ちた財布の金 ? そんなのに比べたら俺なんて⋮⋮ ﹂ そっちはうちの事務所のサイドキックをさっき殺して ! !!! なんかにぃ るじゃねぇか‼ ・ ! ﹂ ? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ヒーローはまるで言っている事を理解できなかった。 ﹁私が言っている事は君たちヒーローが悪行を働くという事さ﹂ た。 自分の罪を認めるデスウーズ。ヒーローにはとても不思議であっ ﹁じゃあ何故っ⋮⋮‼ いる事は正しい事ではないと分かってるさ﹂ ﹁んなの人殺してる方が悪いに決まってるじゃん。私は自分のやって 先程より強い口調でデスウーズは語る。 ﹁はぁ⋮⋮あのねぇ、私はそんな事を言ってるんじゃ無いんだ﹂ しかし相手はそのレベルにいなかった。 われたく無い。そう思っての咆哮であった。 理解している。だが相手は何十人も殺している殺人鬼。お前には言 それは憤慨だった。幼い少女を買った。それは確かに悪い事だと ? 9 ! ? ﹁ヒーローってのはさっき言った通り平和の象徴な訳よ。でもそのよ う な 平 和 の 象 徴 が 悪 行 を 働 い た ら そ り ゃ 平 和 と は 言 え な い よ ね。 ヒーローはお節介で受け身の姿勢であるべきなんだ。決して私利私 欲の為にその力を使ってはいけないんだ。進んで金儲けしちゃいけ ないんだ。いや、流石になかなか金の手に入らないってならバイトな どを許すよ。と言うか邪な考えがなきゃそこら辺はokさ。でもた ・ ・ ・ だ単に新車買いまくるためとか女買うためとかお金が欲しいからと かはダメなんだ。そんなのヒーローじゃない﹂ ペラペラと捲したてるデスウーズ。 その言葉にヒーローは疑問を呈した。 ﹁じ、じゃあ、ヴィランどもは⋮⋮﹂ それを聞いたデスウーズはクスクスと笑いこう述べた。 ・ ・ ・ ・ ・ ﹁ヴィランについてはねぇ、まーなんと言うか。一言で言うとなんで もして良いんだ﹂ ますます意味がわからなくなったヒーロー。それに気にせずデス ウーズは続ける。 ﹁我らは法を破っている。いや、破り続けている。そうなれば別に悪 行をしても良いんだ。そうする存在なんだから。もう一度法に従っ ても良いし、何なら慈善活動をしても良い﹂ ヒーロー ヴィラン 余りにも横暴な理論だがヒーローは何も言えない。何故ならその 通りだから。正義は悪行をしてはならない。だが悪は悪行をしよう にもそうしている者たちだから何も問題はない。 ﹁そ、それでも⋮⋮っ﹂ ﹁まぁ、ヴィラン自体が悪だからそれは問題だよね﹂ ヒーローの言おうとした事をデスウーズは先に言ってしまう。 ﹁簡 単 に 言 わ せ て 貰 え ば、ヴ ィ ラ ン の 仕 事 取 っ て ん じ ゃ ね ぇ ぞ ヒ ー ロー、て事です﹂ 余 り の 暴 論。だ が 的 を 射 て い る。ヒ ー ロ ー は 口 を つ ぐ む し か な かった。 10 ﹁じゃ、君をどうやって殺そうかなぁ﹂ 良い苦しみ そして無理矢理死の直面という現実に引き戻されるヒーロー。 ﹁んー、鼻の穴にフッ化水素酸を流し込むのは如何かな を得られると思うよ﹂ 11 デスウーズに良い笑顔を向けられるヒーロー。 その目には逃げる気力も無くなっていた。 ?
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