踏み台転生者に憑依す るとか·····俺に 平穏をよこせ!! 鶴マタギ ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので す。 しかも踏み 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 よくよく調べてみると転生者 死亡フラグが沢山 !? ︻あらすじ︼ 見える ····· 何 で か 知 ら な い け ど 憑 依 し て い た。 台っぽい ····· 平生に生きたいだけなのに随分と前任者は食い散らかしていた ! なんとか平生に生きたい彼と悪魔達のドタバタ劇場。 ! 第一話 ││││││││││││ 1 目 次 第二話 ││││││││││││ 8 はぁ いからなぁ、当たり前と言えば当たり前か。 るな、これ。凡人の俺には二次創作の主人公のような行動力も頭脳も持ち合わせていな ーーと冷静に昔の人っぽく話してみたが全然ダメだな。頭がショートしてしまって そこの状況に困惑しているのだ。 来ず、感じることも出来ない。吾輩は単純かつ貧弱な男でしかなかったのだ。だからこ れからどうすべきか、この体をどう支配していくのかすらもわからぬ。考えることも出 元来吾輩は聡明な頭脳もなければ屈強な肉体も持ち合わせてはいなかった。故にこ に陥ったのか皆目検討もつかぬ。 気づけば知らない天井で気付けば動かしづらい身体。吾輩には何故このような状況 吾輩は人間である。名前はもう無い。 第一話 1 と溜息を吐いて鏡の中にいる姿に目を向ける。そこに映っていたのは重力に ····· 逆らい、燃え上がるようにゆらゆらと揺れる炎のような髪。2本の鬼のような角が髪の 分け目から生えており、屈強な肉体が余計に鬼神らしく見える。 朝起きたと思ったらこの身体。いつもより何十倍も重い身体でうまく扱うこ ﹂ ····· 自室へと戻り、机のそばにあった椅子に腰をかける。机の上には乱雑に散りばめられ ﹁いいよな∼、一人暮らしって。好きなことなんでも出来るじゃん﹂ らしをしている人間に見られる特徴的な雰囲気を感じたのだ。 暮らしなのだろう。先程リビングにも顔を出したがまるで生活感がなかった。一人暮 洗面を終えた俺は自室へと戻っていく。俺以外の人の気配はしないし、恐らくは一人 ﹁はぁああ∼これからどうしようかな 支障はきたさないくらいには動かせることが出来るようになった。 来事。今となっては五体満足、とまではいかないがある程度なら動かせる。日常生活に とが出来ずにベッドの上で生まれたての子鹿の様に踊っていたのは数十分ほど前の出 そう ····· やっぱり男性の一人暮らしってこんな感じになるのか ﹂ たエロ本やらエロ本やらエロ本やらで本当に汚い。二つの意味で。 ····· ? テクノブレイクするかも﹂とか言ってきたその友人は勿論 ····· 殴った。友達の、ましてや男の性事情だなんて聞きたくはない。 かったのを思い出す。﹁俺 前に一人暮らしの友達の家に行ったのだが、そいつもこんな感じで性の乱れがえぐ ﹁ 第一話 2 とりあえず全部燃やせるゴミに出すか﹂ ﹁ん ﹂ かった。 が広すぎて怖い。ちらほらと見えるBBAが俺の心の臓を強く握りしめてくるのがわ は﹁揺り籠から墓場まで﹂だろうな、きっと。趣味は人それぞれだがちょっと許容範囲 ごちゃごちゃしている机の上を片付け始める。本当に目の毒だ。こいつの座右の銘 ことには興味がある。が、対して興味がない。ただそれだけなのだ。 それに俺はそこまで興味が無い。別にBLでも不能でもない。ちゃんとそういった ﹁ ····· できた。 し し め ぐ れ ん ﹂ 思っていただけに助かった。 る。そ れ に ど う や ら こ れ は 日 記 で あ る よ う だ。厨 二 ノ ー ト だ っ た ら ど う し よ う か と パラパラとノートを捲って内容を確認する。字は汚いがかろうじて読むことは出来 う。キラキラネームの被害者なんだろう、可哀想に。 なんだか厨二くさい名前だな、と思う。名字は仕方が無いにしても紅蓮はどうかと思 ﹁獅子目紅蓮 ·····? 誇りを被っており、表紙に書いてある字はよく読めない。が、名前だけはなんとか解読 エロ本を片付けること約5分。デスノートの様に黒ずんだノートが下から出てくる。 ? 3 ﹁えーと、なになに ﹂ 項目が俺の手を留まらせた。 ふと目に止まったのはとある日の日記内容。目の端に映った﹁俺という存在﹂という ? なんだか嫌な予感がする。 そんな気がするの ····· ﹃俺という存在。それは神に選定された使徒で有る。神様から授かったこの能力が ﹄﹂ こんなノートをエロ本と一緒に置いておい あれば、悪魔勢力は勿論のこと。堕天使勢力や天使勢力の女達も手に入れ ちゃダメじゃないか。そんなに紅蓮くんは死にたいのかな 見た目に反して闇は深いなぁ﹂ ····· ? これ赤の他 ? にもこのノートは処分するべきだろう。 なんで俺はこのノートがこの身体の主のものであるとわかったんだ ﹂ 人であっても読んだら恥ずかしくなるな。こんなもの捨てちゃうか。紅蓮くんのため 神の使徒とか悪魔とか堕天使とか。厨二ノートなんて初めて見たけど ﹁というか想像以上だったぞ ····· ····· ? 俺は静かにそのノートを閉じた。全く ····· ﹁ ごくり、と生唾が喉を通り、乾いた音が響く。それと同時に視線を日記帳に落とす。 だ。 を保ち、必死に椅子へと手を回す。なんだか見てはいけないような 俺はかつてないほどの恐怖を感じた。狂奔状態へと陥らないためにもなんとか理性 ····· ····· ﹁って、あれ 第一話 4 正直自分が別の人間の身体になっていることに違和感を感じなくなっていた。元か のか ﹂ 使い古され、全ての構成要素を熟知している どんどんこの身体に馴染んでいっている ····· ら自分のような ····· 違和感のなさに今更ながら気づいた。 ﹁ ····· そんなふうな不自然な ····· ﹂ ? の古びたアルバムと相変らなくなってしまうのだ。なんとも哀しいことだが、それは消 訳では無い、だが今ここにいるのは新たな生を授かった新たな自分だ。もうそれは過去 俺はこれからを生きようと短時間の間ではあったが決意したのだ。前世に未練がない れはもうどうしようもないのだ。科学的には説明できない何か。それを体験した上で 前世のことが気がかりではないかと聞かれればそうではないと即答できる。だがこ ﹁住めば都。郷に入れば郷に従え。どちらにせよこのまま過ごすしかないな﹂ いう言葉。あながち間違っていないんじゃないかと苦笑いする。 ある自分に、正常とは言えない感性に改めて気づく。以前友人にも言われた、 ﹁狂人﹂と ここまで来てやっと気づく。最初から冷静沈着な自分に。この事態を受け入れつつ ﹁ってダメだなぁ。やっぱり俺はどこかイカレてるのか 身のもの。それだけならば別に問題がないんじゃないかと思った。 いのではないか、と思ってしまう。身体は馴染んでいく一方だが、脳ははっきりと俺自 だが不思議なことに恐怖はない。例え自分がこの身体に呑み込まれてしまってもい ? 5 える訳では無い。 平々凡々に暮らすとしますかね。普通の生活を送りたいものだ﹂ だけど嫌な予感がするんだよなぁ。前任者は前に何かやらかしているような気がす ちょっと黒歴史ノートでも見てみるか﹂ ていたと知るのは何時だろか ? この世界は神や悪魔、天使が平生と生きる世界。前任者の行動が彼の願いをぶち壊し ﹁ だけど彼はもう主人公になってしまった。ある物語を担う、中心となる主人公に。 る﹂ ﹁ ことは決して忘れない。それが彼の唯一の願いだ。 明確に刻まれているのだ。平凡な生活をして、幸せな家庭を築き上げる。そして前世の だからこそそれは心に刻まれる。今も尚、彼の心底にはミシン針の様に前世の記憶が ﹁ ····· ····· ····· が出来ればその配下である朱乃も小猫も釣れるだろう。﹄ ﹁えーと、 ﹃俺はリアス、朱乃、小猫の順番で攻略している最中だ。リアスを落とすこと 第一話 6 ﹂ ····· おい、紅蓮。お前はくたばれ﹂ ····· 今は無き彼に贈る言葉。それはそれはとても熱の込められた暴言であった。 ﹁ 7 第二話 ありのまま 今 起こった事を話すぜ ! あ ·········· いやがった﹄ 何を言っているのかわからねーと思うが俺も何が起きたのかわからなかった ····· ····· 筋肉の密度が半端じゃない。今なら星を砕けそう ? そう 推測される。 では何故細マッチョになってしまったのかというと、その原因は完全に俺のせいだと だ。 らい細マッチョになったと思うよ いきなり体が変化したからビビってついポルナレフ状態に陥ってしまった。でもえ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ 頭がどうにかなりそうだった な ····· ﹃この体デカすぎだからなんとかなんねぇかな、と思ったらいつの間にか細身になって 第二話 8 あれは黒歴史ノートを読んでいた時のこと。俺はとあるページに目が止まっ ····· たのだ。 これを見て俺は思ったね。こんなこと書いて恥ずかしくないのか ﹃﹁言葉使い﹂と﹁不可逆の破壊﹂を扱うことが出来る﹄ ーーもしかして本当に使えるのか ﹁変幻自在﹂ と。別に厨二で と思って言ったのだ。 完全に俺のせいでした。どうもすみません。 ? ····· するとどうであろうか その結果が今の俺である。 ? 剣山のように隆起していた肉体が急速に凝縮し始めたのだ。 推測するに四字熟語あたりでも言えばいいのか ちゃったのだ。暫く思考した後、俺は﹁言葉使い﹂というのを試そうとした。名前から あ の 時 の 俺 は 冷 静 じ ゃ な か っ た。黒 歴 史 ノ ー ト を 見 て 心 が 変 に ぴ ょ ん ぴ ょ ん し ? けど俺は思ったんだ。いや、思ってしまった。 だ。絶対将来悶え苦しむことになるだろうから。 あることを非難しているのではなく、こういうことは頭の中に留めておけと言いたいの ? 9 まぁそういったこともあって、この獅子目紅蓮くんは神様転生とやらでHSDDの世 界へとやってきた転生者だとわかった。だがノートを見るに紅蓮くんはかなりの問題 児 ら し い。外 道 み た い な こ と い っ ぱ い 書 い て あ る し 心の壊れる音が聞こえました。 なんかもういいや。ゆっくりと腰を上げ首をな 完 全 に 踏 み 台 転 生 者 だ っ た わ。 ····· を描いていた。もうそろそろで真昼間ということだろう。 らす。ふと窓のほうをみると陽の輝きがせらせらと部屋の内へと注ぎ込むような直線 柄にもなく溜息が出しまう。けど ﹁はぁ﹂ ····· 寝よ﹂ 閉めようかと思ったがそれすらやる気力がでない。 そして俺はベッドに腰をかけてそのまま寝転んだ。陽の光が煩わしくてカーテンを る。 だがそんなの関係ねぇ。俺はもう精神的に疲れたのだ。なんかもう色々と限界であ ﹁ ····· ﹂ ····· 先行き不安である。学校の場所はわからんし、同級 ? 生達の反応が怖いし、怒り狂った原作キャラに殺されるかもしれない。 ぜこんな目にあってしまったのか こんな気持ちになったのはいつぶりだろうか。今までは毎日が楽しかったのに。な ﹁明日から学校か 第二話 10 考えれば考えるほど問題が浮上してくるな。もう限界だから寝よう。 あの人今日は休みませんかね﹂ また話かけると考えると憂鬱です﹂ 言う始末。もう正直手に負えない存在となっていた。 まるで効果がなかった。何を言っても都合良く解釈され、しまいにはツンデレとまで ! た。警戒度が上がるのは必然。彼女は冷たくあしらったのだが ﹄ 一年生である。彼は小猫が悪魔であることを看破し、更に猫叉であることも知ってい の毛は燃えるようにゆらゆらと広がり、獅子という名にふさわしい屈強な体つきの高校 だがその前提条件を崩すような人物が彼女の前に現れた。その名も獅子目紅蓮。髪 ﹁ 知らないし、猫叉であるなど主であるリアスグレモリーしか知らない。 塔城小猫。彼女は悪魔であり猫叉でもある。悪魔であることは主とリアス眷属達しか とうじょうこねこ 可 愛 ら し く 溜 息 を つ い た の は 小 柄 な 体 型 で 白 髪 の 美 し い 少 女。そ の 少 女 の 名 は ﹁はぁ ····· △▼△▼△▼△▼△▼ ····· ····· ﹃おいおい、小猫ちゃん。照れんなよ∼。俺がギューってしてやるからな ····· 11 それに警戒度云々の前に小猫は紅蓮のことが嫌いであった。女子には存分に依怙贔 屓し、撫でたり、笑いかけたり、抱きつこうとする。それに反して男子にはきつく当た る。元々男子生徒が少ない駒王学園のため屈強な体つきの彼に反抗できる生徒は殆ど き ば ゆ う と と 言 っ て い い ほ ど い な か っ た。だ か ら こ そ 彼 の 行 為 に 歯 止 め を か け る 存 在 は 皆 無 と 言ってもいい。 一度だけだがそれを見かねた木場祐斗が決闘を申し込んだらしい。勝った方が負け た方の言う事を聞く、という条件で闘った。 結果は木場の惨敗。彼を応援していたファンも悲しみに暮れていた。今のところ紅 蓮のファンは0といっても差し支えないくらいにいなくなった。木場をボロ雑巾にし た後、紅蓮の評価が減少。もはや彼を好いている人は皆無である。 にもかかわらず紅蓮はその態度を改めようとしない。自分は好かれていると信じて 好き勝手するのだ。教師には横暴、女子には軟弱な態度、男子にはきつい風当たり。 そんな人物がまたやって来ては絡んでくる。そう考えるだけで小猫は絶望へと叩き 落とされた。タチの悪いことに力もつけている彼に彼女は勝てない。大人しくしてい るしかないのだ。 ﹁うーす、おざーす﹂ 第二話 12 先程まで騒がしかったその一声で静まりかえる。挨拶をした人物は言わずと知れた てあれ ····· ︶ これ挨拶しちゃダメなパターン ﹂ ? 獅子目紅蓮くんですか うん、そうだけど。何かおかしな ﹂ ? って、あ ﹂ ! 今まさに業務をまっとうしていた。 ····· いる者もいる。 くねらせている。傍から見たら完全にオネエだ。キャラ崩壊が酷くて目が点になって 突然大きな声を上げて頭を抱える紅蓮。うんうんと唸り声を上げてくねくねと身を ﹁ ····· 静まり返った空気の中、意を決して話しかけたのはクラスを代表する委員長。彼女は ﹁も、もしかして だ。彼の屈強な筋肉など見る影もなく、丁度いい体つきになっていた。 おかしなところはそれだけではない。彼の体が信じられないほど細くなっていたの ﹁ ? 弱な男子達が小猫を囲っているのだ。勿論少し離れたところで。 何時もの彼なら挨拶などせずに小猫の所へ飛び込む。そしてそれを防ぐためにもひ ︵彼が挨拶をした 獅子目紅蓮くんである。だが教室にいた生徒達は不思議に思っていた。 ·····? ····· 13 ・ ・ ・ ・ そして唐突に彼は言い放った。 ﹁万物流転﹂ 彼の外見に対する違和感が突如として払拭され、何とも言えない不思議な感覚が世界 を覆った。駒王学園だけではい。日本、いや世界がその感覚に包まれたと言ってもい い。更には冥界などの異世界までもがその感覚に捕らわれていた。 まだ違和感ありありだなぁ。精神構造までは影響させることが出来なかったか﹂ そんな中一人の少女が勇気を振り絞り彼に声をかけた。 ない。 目の前立っているのが本当に獅子目紅蓮なのかが疑わしいが行動しようにも行動でき どこか悔しげに呟く彼を目の前に生徒達はただただ黙りこくっているしかなかった。 ﹁ ····· 紅蓮さん﹂ ····· きっといつもの彼なら此処で抱きついていたのだろう。今までのツンはやはり振り ら湧き水の如く溢れていた。 の出来る優しい白猫であった。手は震えて、とどまることのない負の感情が彼女の内か 彼女の名前は塔城小猫。彼に声をかけたのは仲間の為に自分の身を犠牲にすること ﹁おはようございます 第二話 14 だったのか と叫んで抱き締めていたに違いないだろう。 ﹂ 度に拍子抜けするばかりであった。周りの生徒達も呆然としている。 だがもう以前までの彼ではない。緊張で力が篭っていた小猫は普段見せない彼の態 ﹁うん。おはよう小猫ちゃん﹂ ! これ、どうしたらいい感じ ·········· まさかこれも演技 ︶ ? と考えるのが普通であった。だからこそ油断はし ····· ﹂ いつも通り気持ち悪い態度でいなさいよ り戻し、流れるように小猫へと加勢する。 どね ﹁そ、そうよ ! 今更真面目ぶったって誰もお前に対する評価なんて変えないぞ ﹂ ! ! ﹁そーだ、そーだ ! ! どっちも見てて気持ち悪いけ 言ってやったとばかりに微かに微笑む小猫。そんな彼女を見て周りも落ち着きを取 ﹁取り敢えずはその寒い演技を止めてください。見ていて不愉快です﹂ ない。キッと睨みつけて吐き捨てるように言った。 ここで誠実な態度を取って後から その中で唯一平常心を取り戻したのも小猫である。警戒は怠らない。もしかしたら ︵ にいた。それほどまでに彼の行動には違和感があったのだ。 困ったとばかりに頭をかきむしる紅蓮。そんな彼の言動を見てやはり彼らは動けず ﹁ ? 15 まさに流水のようにとめどなく流れる罵倒の数々。一人に対して数十人という傍か ら見たら完全に虐めと言われる光景が広がっていた。だがその一人ぼっちなのは問題 児である獅子目紅蓮なのである。何も問題はなかった。 前である。 ﹂ は思っておらず、ガラスの心にバリアをはりきれていなかったのだ。既に粉砕される直 そんな罵倒の嵐の中で紅蓮は泣きそうになっていた。まさかこんなにも嫌われると ﹁き、気持ち悪いって ····· ﹁おらー、お前達。もう席つけよー。もうそろそろで鐘がなるからなー﹂ こんなゴミ野郎を と。これから先ハゲを丁重に扱っていこうと心に決めた瞬間でもあった。 ﹂ 何見とんじゃ紅蓮。ハゲは死ぬほど嫌いなんじゃなかったのか 見て楽しいか ? 助かった そ ん な 中 現 れ た の は 禿 げ た 体 育 教 師 ら し き 人 物。そ ん な 人 物 を 見 て 紅 蓮 は 思 っ た。 ·····! むことのない罵詈雑言の嵐。それを一心に受けて彼は悟った。 いたのは完全なる敵意で、他の生徒達からも向けられたのもまた敵意であった。なり止 だが現実は非情である。前任者はこのハゲた先生も蔑んでいた。先生の目に映って ? ﹁ ····· 詰んだな︶ ····· 彼の頬を流れるのは一筋の雫であった。空を見ればあんなにも蒼いのに。現実を見 ︵これ 第二話 16 17 れば物凄く熱い。 彼の豆腐メンタルに彼らの純粋な悪意は堪えたようだった。
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