PDFで読む - 日興アセットマネジメント

楽読
(ラクヨミ)
2016年9月26日
Vol.
1,143
ムーディーズがトルコの格付を引き下げ
~非常事態宣言の延長の有無などに注目~
今年7月のクーデター未遂事件などを受け、トルコの格付の見直しを検討してきたムーディーズは9月23日、
外国資本の流れが今後、急反転し、混乱につながったり、国際収支が厳しい状況に陥るリスクが高まったと
して、自国通貨建・外貨建の両格付を「Baa3」から1段階引き下げ、投資不適格級にあたる「Ba1」としました。
これにより、外貨建の格付については、主要格付会社3社中、スタンダード&プアーズ(S&P)とムーディーズ
の2社が投資不適格級としたことになります。残るフィッチは8月、格付見通しを「弱含み」としたものの、格付
自体は自国通貨建・外貨建とも投資適格級にあたる「BBB-」で据え置いています。なお、今回の格下げを
受けてトルコ・リラは下落したものの、東京時間26日朝の時点で1米ドル=3.0リラ近辺にとどまっています。
ムーディーズは、政治リスクの高まりや経済活動の鈍化などに伴ない、恒常的な経常赤字を抱え、対外借
入れ依存度の高いトルコのリスクが高まっているとしています。クーデター未遂事件を受け、同国は現在、
3ヵ月間の非常事態宣言下にあり、大統領を議長とする閣議が、法律と同等の効力を持つ政令を国会での
審議を経ずに出すことができるなど、大統領権限が事実上、高まっています。このため、事件に関与したとさ
れる勢力に対する弾圧にとどまらず、政権の意に沿わない対抗勢力への幅広い締めつけも予想されていま
す。こうした中、企業景況感が悪化しているほか、テロの影響などから観光業が打撃を受けるなど、景気や
国際収支の悪化が懸念される状況です。
トルコ・リラは、クーデター未遂事件を受けて大きく下振れしたものの、米国の利上げが緩やかなものにと
どまるとの見方などを背景に市場が落ち着き始め、新興国や高金利通貨に対する投資家の関心が回復した
ことなどに伴ない、やや値を戻していました。 また、今回の格下げは、事前に市場である程度、織り込みが
進んでいたとみられます。ただし、ムーディーズは、政治の混迷に伴なう改革の停滞や景気の鈍化、さらに、
国際金融市場の振れが大きくなっている影響などから、トルコの信用力低下が2~3年続くと予想しています。
当面は、非常事態宣言が予定どおり10月で解除されるかなど、同国の政治状況の行方が注目されます。
トルコの格付*の推移
トルコ・リラの推移
55
(円) (2015年1月1日~2016年9月23日) (リラ)
(S&P/ムーディーズ)
2.2
リラ高
50
2.4
BBB+/Baa1
投
資
適 BBB/Baa2
格
(2000年~2016年**)
S&Pによる格付
ムーディーズによる格付
*外貨建長期債務格付
BBB-/Baa3
リラ安
BB+/Ba1
45
対円(左軸)
40
2.6
2.8
35
BB/Ba2
投
資
不
適
格
BB-/Ba3
3.0
** 2016年は9月23日時点、その他は年末時点
3.2
15年7月
B/B2
B-/B3
対米ドル(右軸)
30
15年1月
B+/B1
CCC
00年
04年
16年1月
16年7月
信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
08年
12年
16年
※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
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