*グローバル投資環境 No.1462 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 ムーディーズがトルコを格下げ~S&Pに続いて投資不適格を付与 2016年9月26日作成 大手格付け会社のムーディーズは23日、トルコの格付けを 「Baa3」から投資不適格となる「Ba1」に引き下げた。見通 しは「安定的」。トルコでは去る7月15日に軍の一部による クーデター未遂が発生したことを受けて、ムーディーズは同 月18日にトルコの格付け「Baa3」を「格下げ方向」で見直 す作業に着手することを発表、さらに8月5日には、「クレ ジットウォッチ」指定から90日以内で結論を出すことを確 認しており、今回の格下げはこれを受けたものである。ウェ ブサイトに掲載したリーリースにおいて、ムーディーズは格 下げの理由を以下のように説明している。 《大手格付け会社によるトルコの長期債格付け》 外貨建 自国通貨建 見通し S&P BB BB+ ネガティブ ムーディーズ Ba1 Ba1 安定的 フィッチ BBBBBB ネガティブ ① 同国が海外から資金を調達する必要性が極めて大きな ことに関連するリスクの増大 ムーディーズは、「トルコの信用プロファイルの ゆっくりとした悪化は向こう2、3年続き、リスクの バランスはBa1の格付け水準のほうが正確に反映さ れる」と述べるとともに、「外国資本の流れが急反転 して混乱を引き起こしたり、準備金の急激な減少を招 くリスクや、最悪のシナリオで国際収支の危機が起こ るリスクが高まっている」とも指摘している。 ② とりわけ成長と組織の強さという、クレジットファン ダメンタルの従来の支えが弱まったこと ムーディーズは、2016年から2019年の間の成長率の 平均は2.7%にとどまり、2010年から2014年の平均の 5.5%を大きく下回ると予想している。 トルコに対しては、7月21日にS&Pが 外貨建て国債格付 けを「BB+」から「BB」へ、自国通貨建て国債格付けを 「BBB-」から「BB+」 へ引き下げているため、今回の ムーディーズの格下げによって、3大格付け会社の中で現 在も投資適格を付与しているのはフィッチだけだが、同社 の格付けも「BBB-」という投資適格としては最下級であ り、さらに先月18日にはその見通しを「安定的」から「ネ ガティブ」に引き下げている。クーデター未遂直後に急落 したトルコの株式並びに債券市場は、比較的短時間で落ち 着きを取り戻し、先週には株式市場がクーデター未遂後の 高値を更新する一方、10年国債利回りも同事件以降の最低 水準を付けているが、格付け会社のネガティブなアクショ ンが続いている現状で、投資先としてトルコをあえて選好 する理由は乏しいと思われる。 (文責:勇崎 聡) (データ出所:各格付け会社及びBloombergより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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