*グローバル投資環境 No.1404 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 S&Pがトルコを格下げ~自国通貨建ても「投資不適格」に 2016年7月21日作成 大手格付け会社のS&Pは21日、トルコの外貨建て国債 の格付けを「BB+」から「BB」へ、自国通貨建て国債 の格付けを「BBB-」から「BB+」へ引き下げた。 これによって、トルコの格付けは外貨建て、自国通 貨建てともに「投資不適格」となったが、S&Pのウェ ブサイトに掲載されたリリースは「格下げは、トルコ の政治的な見通しは一段と悪化するという、7月15日 のクーデターの試みを受けた我々の見方を反映してお り、これによって、極めてレバレッジの効いた経済で あるトルコの投資環境、成長、資本流入を損なうと思 われる」と述べている。S&Pはさらに、「対外債務を ロールオーバーするトルコの能力に対するリスクが高 まると思われる。我々は、今後12ヶ月以内に、対外債 務の42%に相当する1,700億米ドル(利用可能な外貨 準備の5%、2016年の予想GDPの24%)がロールオー バーされると推定している」と指摘している。 格付けの見通しは「ネガティブ」であり、S&Pはそ の理由を、「政府的な不確実性が、投資環境をさらに 弱め、対外債務バランスに対する圧力を招く場合には、 トルコの経済、財政及び債務の数値は予想以上に悪化 するという我々の見方を反映している」と説明してい るほか、「政府の介入によって、トルコの金融政策に 対するクレディビリティーが悪化したと判断した場合 には格下げを実施するだろう」と述べる一方、「政府 の財政赤字が控え目なものにとどまるとともに、主要 な機関(文脈からは中央銀行を指していると思われ る)の独立性が保たれた場合には、見通しを「安定 《大手格付け会社格付け一覧》 的」に戻すだろう」ことを付記している。 外貨建 自国通貨建 見通し 15日のクーデター未遂を受けた今週のトルコの金融 ムーディーズ Baa3 Baa3 格下げ方向 市場では、株式、債券、通貨がそろって急落していた S&P BB BB+ ネガティブ が、S&Pの格下げで一段安となり、通貨リラは対米ド フィッチ BBBBBB 安定的 ルでの過去最安値を更新した。世界的な債券利回りの 低下を背景に、高利回りの新興国債券に対する需要がこのところ高まっており、トルコの ソブリン債は、日本の投資家になじみのある国の中では、ブラジルに次いで高い利回りを 有するが、今回のS&Pの格下げに先立つ18日には、大手格付け会社のムーディーズがトル コの格付け「Baa3」を「格下げ方向」で見直すことを発表しており、その結果次第では、 S&Pに続いて「投資不適格」へのダウングレードの可能性がある状況では、トルコの債券 に積極的な投資はしにくいと思われる。 (文責:勇崎 聡) (データ出所:ト格付け会社各社及びBloombergより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
© Copyright 2024 ExpyDoc