PDFで読む - 日興アセットマネジメント

楽読
(ラクヨミ)
2016年8月19日
Vol.
1,132
持ち直しの兆しを示す、アジアの経済成長
アジア(除く日本)主要国の2016年4-6月期GDP(国内総生産)が概ね出揃い、資源価格の低迷や天候不順
などによる農業部門の落ち込みが響いたマレーシアを例外として、ほとんどの国・地域で成長率が高まるなど、
全体では持ち直しの兆しが見られました。
中国の成長率は、依然として世界的に見ても高水準ながら、政府が構造改革を貫いている影響で緩やかな
鈍化傾向にあります。このため、貿易面で同国と結びつきの強い国・地域を中心として輸出に悪影響が及んで
いることなどから、成長率の鈍化ないし足踏みがアジアでも目立つようになっていました。しかし、外需の影響
度が相対的に高い、香港、台湾、韓国、シンガポールですら、4-6月期には成長率に持ち直しの兆しが見られ
ました。また、東南アジアでは、物価の沈静化や通貨安の一服を受けて拡がった利下げや低金利が個人消費
を押し上げたことに加え、インフラ投資などの財政支出の増加も寄与し、多くの国で景気の持ち直しが見られま
した。なお、インドでは、もともと外需依存度が低いことや、堅調な個人消費および利下げの効果などから、中
国を上回る高成長が続いています(同国の4-6月期GDPは8月31日発表予定)。
今後について、中国では成長率の緩やかな鈍化が見込まれるものの、必要となれば当局が景気下支えに動
くとみられ、成長率の大幅な下振れなど、政府目標未達の可能性は高くないと考えられます。また、東南アジア
の国々を中心に、良好な労働市場と所得の堅調な伸び、低インフレ、インフラ投資の継続・積極化や景気刺激
策などを背景に、引き続き内需拡大が見込まれることなどから、アジアは世界の主要地域の中で最も成長率
が高く、世界経済を牽引すると期待されています。特にインドやインドネシアでは、大統領が改革を掲げている
ことなどから、成長期待が高まっています。また、フィリピンについては、5月の大統領選挙戦に関連する特需
の反動に目先、注意が必要なものの、6月末に誕生した新政権が地方のインフラ開発を通じた地域間格差の
解消を重点政策に掲げていることから、これが実現に向かえば、一段の成長期待につながるとみられます。
アジア主要国のGDP(前年同期比)
9
(%)
8
(2014年1-3月期~2016年4-6月期*)
*インドは2016年1-3月期まで
インド
7
6
中国
東南アジア主要国のGDP(前年同期比)
9
7
中国
6
香港
5
4
4
3
3
2
2
1
0
香港
台湾
(2014年1-3月期~2016年4-6月期)
8
5
韓国
(%)
1
韓国 インドネシア
台湾
インド マレーシア
タイ
シンガポール
0
-1
14年
15年
15年
16年
信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
-1
14年
フィリピン
16年
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