週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 12 月 4 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
12 月 5 日から 12 月 11 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):日本付近は引き続き流れが速く、トラフ・リッジが次々に通過する。北・東・西日本日本海側は気圧の谷や
寒気の影響で雪または雨の降る日が多い。北日本太平洋側は2~3日の周期で天気が変わり、低気圧や前線の影響で雨の降る日
がある。東・西日本太平洋側は期間を通して天気が大きく崩れる可能性は小さく、晴れる日が多い。沖縄・奄美は数日の周期で
天気が変わり、気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨の日がある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は広く明瞭な正偏差で、流れはゾーナル~西南西。沖縄の南~日本の南でサブ
ハイが強いことが特徴的で、日本付近は等高度線の間隔が狭く、気圧系の移動は順調。予報期間の日本付近は高度が明瞭に低下
し、全国的に負偏差となる。沖縄の南~日本の南ではサブハイが弱まるが、日本付近は広く一様に高度が低下するため、等高度
線の間隔が狭い状態は続く。
●7日:北日本は、冬型が次第に緩んで下層は昇温場。北・東日本日本海側での卓越降水の範囲は限定的になる。北日本太平洋側は
概ね晴れる。東・西日本は、前半に高気圧が足早に通過し、後半は5340m付近のトラフに対応する低気圧が近づいて下り坂の天気。
ただし、天気の崩れは小さく、雲が広がる程度。
●8日:5340m付近のトラフに対応する低気圧が前半に北~東日本を通過し、後半は冬型。T500≦-24℃およびT850≦-3℃の寒気
が中国~関東まで南下する。低気圧や寒気の影響で、北日本と東・西日本日本海側は降水の所が多い見込み。東・西日本太平洋
側はこれらの影響を受けにくく、後半を中心に概ね晴れる。
●9日:前半は冬型が解消して、北・東・西日本は広く高気圧に覆われる。北・東日本日本海側でも、下層は昇温場で中層には乾燥
域が広がるため、晴れ間を期待できる所が多い。ただし、気圧系の移動は速く、後半は高気圧が日本の東へ抜けて5280m付近のト
ラフに対応する低気圧が日本海北部へ進むため、北日本では天気は下り坂に向かう。東・西日本はこの影響を受けにくく、前半
に続いて晴れる所が多い。
●10~11日:5280m付近のトラフに対応する低気圧が10日前半に北日本を通過し、10日後半~11日は冬型。低気圧や寒気
の影響で、北・東日本日本海側は両日とも、北日本太平洋側は10日に、それぞれ降水の見込み。東日本太平洋側と西日本は両
日ともこれらの影響を受けにくく、概ね晴れる。
●沖縄・奄美:数日の周期で天気が変わり、気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨の日がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:8日の低気圧の予測位置は、千島近海~千島の東が全体の約4割、日本の東が約3割、北日本
付近が約1割。
・ スプレッド:2・3日目が昨日資料より拡大し、4日目以降は縮小した。特定高度線は、期間の終わりにややバラつく。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、北日本で10日に昨日資料よりやや拡大した。
・ 予想T850時系列:全国的に周期変化し、5・9日が正偏差のほかは負偏差~平年値近傍。
2.防災事項等
・ 6日は発達する低気圧の影響で冬型の気圧配置が一時的に強まるため、北日本と北陸地方は荒れた天気となり、大荒れのおそれ
もある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 千島近海を北東に進む低気圧からのびる前線が北日本を通過するとともに、5280m付近のトラフに対応する低気圧が北海道付近に
予想される。
・ 前線通過後は冬型の気圧配置が強まり、5100m(-39℃以下)および5400m(-30℃以下)付近のトラフが揃って北日本を通過し、
5520~5580m(-24℃)付近のトラフが西・東日本を通過する。850hPaでは、北海道-15℃以下、東北-9℃以下、東・西日本日本
海側にも-6℃程度の寒気が流れ込み、北日本や北陸地方を中心に降雪が多くなり、西日本日本海側や沖縄・奄美でも雲が広がり
やすく、西日本の山沿いでも降雪の所がある。西・東日本太平洋側は概ね晴れるが、トラフ通過時には雲の広がる所もある。
4.全般週間天気予報(案)
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北日本から西日本の日本海側は、低気圧や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
北日本太平洋側は数日の周期で天気が変わり、低気圧や前線の影響で雨の日がある。
東・西日本太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日が多い。
沖縄・奄美は数日の周期で天気が変わり、気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨の日がある。
最高気温・最低気温ともに、北日本では明日は平年より高いが、その後は平年並か平年より低い。東・西日本は平年並か平年よ
り高いが、期間のはじめと終わりに平年より低い日がある。沖縄・奄美は、平年並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。