ソードマスターネギま ∼完結編∼ yosida ︻注意事項︼ このＰＤＦファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にＰＤＦ化したもので す。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でＰＤＦファイル及び作品を引用の範囲を 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 ︻あらすじ︼ 遂に始まった造物主の臣下、テルティウムとの戦い。 アーウェルンクスシリーズという人智を越えた存在であるテルティウムを前に、ネギ は辛い戦いを強いられてしまう。 造物主の配下は、皆がそれぞれ造物主の鍵と呼ばれる鬼畜な装備を所有している。更 にテルティウムの目的は、魔法世界の救済だった これらを前にした、ネギ・ス プリングフィールドの出す答えとは そして、造物主によって消された魔法世界の人々の運命は如何に ! 最高潮の盛り上がり迎えたソードマスターネギまシリーズファン待望の完結編 ! !? !? とくとご覧あれ !! ││││││││││ 1 目 次 最終決戦 ! 最終決戦 ﹁⋮⋮﹂ の頂上で向かい合っていた。 ネギ・スプリングフィールドとフェイト・アーウェルンクスの二人は、墓守人の宮殿 魔法世界の運命を賭けた最終決戦。 ! 故に、一挙一動を見逃さんとばかりに二人の目は自然と細まった。 甘い攻撃を繰り出せばカウンターを受けてしまう。 故に、先に決定打を撃ち込んだ者の方が有利となる戦い。かといって、急いて詰めが する、身を削るような消耗戦だ。 実力の拮抗する者同士が敵対する時、起きるのは互いが互いの身を喰らいつくさんと 覚悟を決めてこの場に立っている。 兎にも角にも、掛ける言葉はもはや不要。互いが互いの実力が互角だと認め、二人は 望したよ﹂と返答した事だったか。 事の発端はなんだったか、ネギが﹁代わりの手立てがある﹂と言い、フェイトが﹁失 ﹁⋮⋮﹂ 最終決戦! 1 ﹁⋮⋮﹂ 特に、その慎重さはネギの方が顕著である。 マギア・エレベア ネギとフェイトの実力は拮抗しているといったが、それはあくまでもネギが闇の魔法 を使用している場合に限る。 コード・オブ・ライフメイカー 人外の領域に足を踏み入れ、自然状態で闇の魔法を維持出来る存在に至ってはいるも のの、魔力は無制限ではない。 更に付け加えるのなら、フェイトは造 物 主 の 鍵を所持している。魔法世界の人間 ならば、抗える事の出来ない絶対の代物。 それを用いれば、フェイトは無制限の魔力と無尽蔵の回復力での戦闘が可能だ。 ﹂ それらの事を加味し、そしてネギの生来の気質を鑑みれば、彼は慎重にならざるを得 得なかった。 そんなネギの内心を見透かしたのか、フェイトは薄く笑う。 ﹁││││フッ﹂ それを見たネギの片眉がピクリと動いた。 ﹂ フェイトの挑発に、ネギは答えない。 ﹁来ないのかい、ネギくん ﹁慎重になるのは結構だけど、君が決めるのは短期決戦であるべきだ。違うかい ? ? 2 ﹁⋮⋮﹂ フェイトのその言葉に、ネギの顔色に苦渋の色が浮かぶ。 フェイトは視線を少しだけネギから逸らし、そしてネギの視線もフェイトの視線を追 うように動く。 二人の視線の先に居たのは、宙に浮く明日菜の姿。術式が完全に発動してしまえば、 この世界は││││ ﹁世界を救いに来たんじゃなかったのかい ネギ・スプリングフィール ド﹂ ││││直後、紫電が迸った。 鋭い視線でこちらを射抜くネギの姿を見て、フェイトの口角がつり上がった。 ネギの身体は雷化の影響で、その身を雷そのものへと変化する。 ? ラス・テルマ・スキル・マギステル 契約により我に従え高殿の王 ネギは身体を深く沈め、いつでもフェイトの元へ飛び掛かれる態勢に移り変わる。 ﹂ ﹁くらえ、フェイト !! ! !! ﹂ !! !! 詠唱を、開始。同時に、ネギとフェイトの左手に、莫大な魔力が注ぎ込まれる。 王 ﹁ヴィシュ・タルリ・シュタル・ヴァンゲイト 契約により我に従え奈落の 最終決戦! 3 ﹂ 雷を纏った暴風が彼らを中心に吹き荒れ神々しく輝き始め、灼熱の大地が割れそこか ﹂ 僕は実は一度殴られただけで斃せるぞォォォォ らマグマの奔流が溢れ出す。 ﹁││千の雷ッ ﹁││さあ来いネギくん !! ! 中心に伝播していく。 こ、この僕が⋮⋮ッ !! ﹂ ﹁フェイト 僕の手立てには、君の力が必要だっ 困る 君に死なれると !! くの字に曲がって吹き飛んだ。吹き飛ぶまでの間に、なんとか協力体制を敷く事が出来 ついに衝撃を堪えきれなくなったのか。力の方向に従って、フェイトの身体は大きく ﹁⋮⋮随分と、柔なプランだ﹂ ! !! の腹に突き刺ささっており、ミシミシと骨の軋むような音が辺りに響く。 血の塊を口から噴き出し、まさに満身創痍といった様子だ。その間にもネギの拳は彼 信じられない、といったような表情でフェイトが叫ぶ。 ﹁ぐぁぁぁぁ ﹂ 二人を中心に衝撃波が辺り一帯に撒き散らされ、空間のビリビリとした震えが彼らを 閃光が弾け、爆音が鳴り響く。 二人の拳が重なり││││音が、飛んだ。 !! !! 4 たネギとしては満足である。 ♦ 後に残るのは、ネギと宙に浮いた明日菜のみだ。 ♦ ? ♦ ? 事は山ほどある。 ネギは何をするべきか考えるため、顎に手を当てる。 !! その時だった。 テルティウムがやられたようだなッ 火のアーウェルンクス││クゥァルトゥム ﹁ハッ 雷のアーウェルンクス││クゥィントゥム !! ﹁フン。⋮⋮彼は、アーウェルンクスシリーズの中でも欠陥品﹂ !! ﹂ 強敵を打ち倒したネギが軽く息を吐いく。疲れが貯まっているが、これからやるべき ? ! 水のアーウェルンクス││セクストゥム まさに絶体絶命の危機。 明らかな後付けキャラを三人も相手しなければならないのか面倒臭い。 !! ﹁人間の子供程度に負けるとは⋮⋮アーウェルンクスシリーズの面汚しね﹂ 最終決戦! 5 その時だった。 瓦礫を押しのけたフェイトが、ネギの横に立つ。 ﹁危機回避までは力を貸そう。ただそれだけのことだよネギくん﹂ なんて頼もしい事だろうか、ネギが頬を緩め、二人が先頭の構えを取ろうとした、ま ﹂﹂ さにその時であった。 ﹁﹁ぐぁぁぁぁ ﹂ !! すると、彼の後ろに控えていた者たちも次々と詠唱を始めるではないかっ 明らかに三下な雰囲気を醸し出す男が、此方に手を向ける。 ﹁終わりだテルティウム ウェルンクスシリーズの後ろから続々と現れる者たちだった。 突如現れた閃光が、二人の身体を射抜く。地に身体を伏せた二人が見たのは、アー !! ﹂ !! 魔法だった。それを受けた敵対者は全員等しく、塵芥が如き脆さ。 放たれた魔法は障壁頼りの性能バカを障壁ごと永久に凍らせ続けるという、恐るべき 魔法使いが、猛禽類のように瞳を輝かせながら魔法の呪文を唱える。 金髪吸血鬼ツンデレロリババアという、今やテンプレのひとつと化した概念││悪い ﹁││││終わりなく白き抗天 まさに絶体絶命の危機、ネギとフェイトが歯を食いしばった、その時だった。 ! 6 敵対者全てを凍らせ、まさに順風満帆。仲間みんなで集まり、さあ一件落着だ。宴だ わっしょーい、そんな時だった。 ﹂﹂﹂ ︶ な物は必要ねえ﹂ ﹁俺を殺せば、全て終わる。お前は色々とごちゃごちゃ考えているようだけど、別にそん る。 その場にいる者の驚愕といった表情を無視して、始まりの魔法使いは笑みを浮かべ なんたることか、始まりの魔法使いの顔はネギの父そのものだった。 ︵父さん⋮⋮ッ ﹁よく来たな、ネギ﹂ り、ネギに向かって口を開く。 黒いローブを羽織ったそれ││始まりの魔法使いは顔を覆っていたローブを自ら取 れたかのような恐怖心を煽られた。 現れたそれに、ネギやフェイトは勿論、その場にいる全員が背中に氷柱を突き立てら ﹁﹁﹁││││ッ !? !? ﹂ !? ﹁そしてリライトした魔法世界の人間は全員元に戻しておいた。魔法世界の崩壊もどう さらなる驚愕。それを目の当たりにしたネギは、大きく目を見開いた。 ﹁なんだって 最終決戦! 7 ﹂ にかなるだろう。これでそこの嬢ちゃんの犠牲は必要ねえ。⋮⋮後は俺を殺すだけだ ぜ に不敵な笑みを浮かべて口を開いた。 遂に見えたゴールに、ネギは驚きを通り越して何かを悟ったのだろう。ラスボスを前 !! ﹂ !! 魔方陣を背に展開した。 ﹁うぉぉぉおおおおおおっ ﹂ いくよ、父さんっ 最後の戦いの幕がいま、切って落とされた ﹁さあ来い、ネギッ ネギとその仲間たちの勇気が、世界を救うと信じて⋮⋮ ﹂ !! ! !! !! !! そうして始まりの魔法使いは麻帆良学園地下に消え││││る事はなく、曼荼羅状の ﹁そうか﹂ りませんでした ン爺さんや色んな人が石化された事件があったような気がしますが、別にそんな事はあ ﹁上等ですよ、父さん。⋮⋮僕も言っておく事があります。僕の住んでいた村ではスタ 8
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