PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

2016年2月9日
アジア
ASEAN4の景気見通しは?
フィリピン、インドネシアの実質GDP成長率は2015年10-12月期に加速しま
した。2016年はASEAN4全体としては4%台後半の成長が見込めそうです。
■フィリピンの2015年10-12月期の実質GDP成
長率は前年同期比+6.3%と、7-9月期(同
+6.1%)から加速しました。内需主導の景気回
復が続いています。インドネシアも同+5.0%と前
期の同+4.7%から加速しました。物価が落ち着
いていることから内需が持ち直しています。
2016年は2カ国ともに5%台の成長を達成する
見通しです。
(%)
8
■タイの15年の実質GDP成長率は、政策発動が
後手に回ったことから2.8%程度に止まりそうです。
続く16年は、公共投資の伸びがようやく加速して
いることなどから、3%台への回復が見込めそうで
す。一方、マレーシアは、15年に続き16年も成
長が鈍化する見通しです。原油安が歳入の伸び
と公共投資の増加を抑制することが要因です。
ASEAN4全体としては4%台後半の成長が見込
めそうです。
【ASEAN4の実質GDP成長率の見通し】
【ASEAN4の実質GDP成長率の推移】
予 想
上段:2015年
下段:2016年
7
6
5
4
フィリピン
インドネシア
マレーシア
タイ
3
2
1
フィリピン
5.6%
5.8%
低インフレ、中間所得層の拡大で民間消費
が好調。大統領選挙のある5月までは選挙
活動を背景に消費の上振れが期待できる。
インドネシア
4.7%
5.1%
ガソリン価格の引き下げでインフレ率が鈍化し、
消費の押し上げ効果が期待できそう。ルピア
が安定しているため、景気回復の流れを確
実にするため、追加利下げの可能性あり。
タイ
公共投資の伸びが加速し、自動車販売も
復活するなど明るい兆しがうかがえる。16年
は3.1%程度の成長を見込む。
2.8%
3.1%
0
▲1
13/3
13/9
14/3
14/9
15/3
マレーシア
4.8%
(年/月期)
4.4%
15/9
今後の見通し
成長率は鈍化する見通し。中銀は原油安に
もかかわらずインフレ見通しを上方修正してお
り、リンギ安による輸入物価の上昇も懸念さ
れる。
(注)データ期間は2013年1-3月期~2015年10-12月期。マレーシア、タイの
2015年10-12月期は三井住友アセットマネジメント予想。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(出所)三井住友アセットマネジメント作成
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