中国:江西省の石炭業界 生産能力の削減を加速

中国:江西省の石炭業界 生産能力の削減を加速
2016 年 5 月 26 日掲載
5 月 11 日付けの地元報道によると、江西省は省全体の各炭鉱企業に、生産日数を 276 日以内とするよ
う厳しく制限し、法定休日及び日曜日には生産活動を行わず、速やかに労働組織を調整するよう求めた。
江西省発展改革委員会は、特別な原因がありやむを得ず法定休日及び日曜日に生産活動を行わなければ
ならない石炭企業は、276 営業日以内で柔軟に営業日制度を調整してもよいが、具体的な方案を制定すべ
きとした。4 月末までに所在地の地級市の石炭業界管理部門に届け出、届け出のない石炭企業は、法定休
日及び日曜日に生産活動を行ってはならないとした。
また、省全体の各級の石炭業界管理部門、石炭安全検査機構は、石炭生産経営における秩序の検査を拡
大する。能力を超えた生産を行う炭鉱に対して、一律生産の停止・改善を命じる。規定に違反している炭
鉱に対して、面談・通告を行い、企業の信義則違反記録に載せる。
江西省炭鉱安全監察局の責任者によると、江西省の全炭鉱の生産能力も調整が必要で、現在の生産能力
に 0.84(276 日を元の規定営業日 330 日で除す)の係数をかけた数字で小数点以下を切り捨てる。同責任
者は、生産能力とは 2006 年に各地で制定した生産能力基準で、江西省は 3,000 万トン強。しかし、ここ数
年の石炭市場の衰退により、江西省の多くの炭鉱が生産を停止し、2015 年では、炭鉱数は 500 炭鉱以上
だが、稼働炭鉱は 200 炭鉱、石炭の年間生産量は約 1,300 万トン。営業日及び生産能力の調整は、生産を続
ける石炭企業に対して大きな影響を与え、2016 年度の江西省の石炭生産量は、さらに減少する見込みと述
べた。
(石炭開発部 辻
誠)
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