新大統領による経済構造改革と新中銀総裁による金融政策の好循環に期待

ブラジルの投資環境
情報提供資料
2016年9月8日
新大統領による経済構造改革と新中銀総裁による金融政策の好循環に期待
ブラジルでは、8月末に3つの出来事がありました。1つ目はGDPの6四半期連続のマイナ
ス成長、2つ目は金融政策方針の発表、3つ目はルセフ大統領の罷免とテメル新大統領の就任
です。そして、これらは密接につながっています。
4-6月期の実質GDPは、6四半期連続減少の前期比▲0.6%となり、依然として景気は後退
局面にあることが示されました。他方、新中銀総裁就任後、2回目の通貨政策委員会が8月末
に開催され、政策金利は14.25%で据え置かれました。金融政策の声明文では、「金融緩和
はインフレ目標達成に向け強い確信を示す要因次第」とされ、「金融緩和の余地はない」と
の文言は削除されました。その判断材料として、以下の国内要因を強調しています。①食料
品の価格高騰による影響の持続性が限定されること、②金融政策や経済の余剰(slack)に最
も敏感な物価項目のインフレ率が適切なペースで鈍化すること、③財政改革を含む必要な経
済調整の承認と実行に関する不確実性の低下、そして、それがインフレに与える影響です。
そのような状況下、8月末に弾劾裁判でルセフ大統領の罷免が決まり、テメル大統領代行が
正式に大統領に就任しました。テメル氏は、財政を始めとした経済の構造改革推進を表明し
ています。
一蓮托生のテメル大統領とゴールドファイン中銀総裁。期待されるのは、まずテメル大統領
が財政改革を推進し、それを好感して、家計や企業の高い予想インフレ率が沈静化し、金融
緩和の余地が浮上、景気が回復へ向けて動き出すという構図です。
政策金利とインフレ率の推移
(%)
11/8
16
14
実質GDP(前期比)の推移
(%)
12/8(2011年8月末~2016年8月末:日次)
13/8
14/8
15/8
16/8
3.0
政策金利
インフレ率(前年比)
(2009年4-6月期~2016年4-6月:四半期)
14.25
12
1.5
10
8.74
8
0.0
▲0.6
6
4
▲ 1.5
インフレターゲット2.5%~6.5%
2
0
11/8
12/8
13/8
14/8
15/8
16/8
▲ 3.0
09/6
11/6
13/6
15/6
(年/月)
※インフレ率は、2016年7月までの月次データを使用。(年/月)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記は、将来における政策金利とインフレ率、実質GDP(前期比)の推移を示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
1/4
8月の市況と今後の見通し
8月の市況
ブラジルレアルの為替レートの推移
8月のブラジルレアル(以下、レアル)は、対米ドル
で上昇しました。高金利を求める投資家からの資金
流入や、資源価格が底堅い推移となっていることな
どが上昇要因となった一方、財政赤字などファンダ
メンタルズに対する懸念が下落要因となりました。
今後の見通し
(円)
80
レ
ア
ル
高
レ
ア
ル
安
(2011年8月末~2016年8月末:月次) (レアル)
1.2
70
1.7
60
2.2
50
2.7
40
3.2
30
20
11/8
レアル/円(左軸)
米ドル/レアル(右軸:逆目盛り)
12/8
13/8
14/8
15/8
3.7
4.2
16/8
(年/月)
8月末の弾劾裁判の結果、ルセフ大統領の失職が決定
しました。後任のテメル氏は、税制や社会保障の改
(基準日:2016年8月末)
革を進める意向を示しており、その期待感はレアル
の上昇要因になると思われます。一方で、景気底打
対円
16年8月末
ちが見えない環境であることは変わらず、上値の重
1ヵ月前
い展開が予想されます。
6ヵ月前
プラス
要因
・経済財政改革への期待感
・主要国対比での大きな金利差
・原油価格の反発
1年前
3年前
5年前
マイナス
要因
・国内経済の停滞
・ブラジル中銀の米ドル買いレアル売
り介入
・財政収支改善の遅れ
・政局の混乱
32.1
31.4
(2.1%)
28.1
(14.3%)
33.5
(▲ 4.2%)
41.2
(▲ 22.1%)
48.2
(▲ 33.4%)
対米ドル
3.23
3.25
(0.7%)
4.02
(24.5%)
3.62
(12.2%)
2.39
(▲ 26.1%)
1.59
(▲ 50.7%)
※カッコ内は基準日までの期間騰落率(▲はレアル安を意味)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資
顧問が作成。
※上記は、将来におけるブラジルレアルの為替レートの推移を
示唆、保証するものではありません。
NEWS
ブラジル大統領失職 弾劾裁判で罷免
2016年8月31日、ルセフ大統領が弾劾裁判で有罪となりました。上院が行った弾劾裁判では、全81議員の
うち有罪が61票、無罪が20票と、規定に定める3分の2以上を有罪が満たしました。ルセフ氏は即日失職と
なり、職務代行中のテメル副大統領が正式に大統領へ就任しました。
テメル氏は、ルセフ氏の残りの任期である2018年末まで大統領を務めることとなり、今後の取り組みとして、
景気回復に向けた政策が期待されます。しかし、ブラジルの政治混乱はまだ続く見込みであり、経済が回復に
向かうまでは時間がかかりそうです。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
2/4
主要国の政策金利の推移
主要通貨の短期金利
(%)
14
12
10
8
6
4
2
0
▲0.07%
▲2
▲4
円
(%)
16
ND F活用
(2016年8月末)
11.51%
(2011年8月末~2016年8月末:日次)
ブラジル
14.25%
14
12
10
8
0.52%
1.62%
6
4
2
米ドル
豪ドル
米国 0.25% ~ 0.50% 日本 ▲0.10%~0.10%
0
11/8
ブラジル
レアル
12/8
13/8
14/8
15/8
豪州
1.50%
16/8
(年/月)
※各通貨の短期金利はそれぞれ、円:Libor1ヵ月物金利、米ドル:Libor1ヵ月物金利、豪ドル:BBSW(豪州銀行間取引金利)1ヵ月
物、ブラジルレアル:JPモルガンELMI+(*)を使用しています。
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)からマネタリーベースに
変更されています。
*JPモルガンELMI+とは、JPモルガン社が算出し公表している新興国の現地通貨建ての短期金融市場の収益率を表す指数で、主に新
興国のNDF取引等を基に算出される指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はJPモルガン社に帰属します。
またJPモルガン社は、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。
ブラジルのマクロデータ
(2011年8月~2016年6月:月次)
(%)
11/8
15
12/8
(2011年8月~2016年7月:月次)
(%)
20
13/8
14/8
15/8
経済活動指数(前年比)
鉱工業生産(前年比)
実質GDP(前年比)
10
10
5
0
0
▲5
▲10
※実質GDPのデータは四半期毎
(2011年7-9月期~2016年4-6月期)
▲10
11/8
12/8
13/8
14/8
15/8 (年/月)
▲20
11/8
(2011年8月~2016年8月:月次)
(億米ドル)
280
貿易収支:右軸
輸入:左軸
輸出:左軸
(億米ドル) (%)
125
100
200
75
160
50
120
25
80
0
40
▲ 25
12/8
13/8
14/8
15/8
13/8
( (年/月)
15/8
14/8
(2011年8月~2016年7月:月次)
240
0
11/8
12/8
▲ 50
16/8
(年/月)
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
11/8
インフレ率(前年比)
インフレ目標
2.5~6.5%
12/8
13/8
14/8
15/8
(年/月)
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における主要通貨の短期金利、主要国の政策金利、ブラジルのマクロデータを示唆、保証するものではありません。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
3/4
ブラジル株式(ボベスパ指数)のパフォーマンス
70,000
(基準日:2016年8月末)
(2011年8月末~2016年8月末:月次)
騰落率
60,000
50,000
40,000
30,000
11/8
12/8
13/8
14/8
15/8
16/8
(年/月)
1ヵ月
1.0%
6ヵ月
35.3%
1年
24.2%
3年
15.8%
5年
2.5%
※騰落率は基準日までの期間騰落率
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来におけるブラジル株式(ボベスパ指数)の推移を示唆、保証するものではありません。
[投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項]
●投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨
建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動します。し
たがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元
金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資
信託は預貯金と異なります。
投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ
スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。
●投資信託に係る費用について
みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担いただ
きます。
■直接ご負担いただく費用
購入時手数料 : 上限3.780%(税抜3.50%)
換金時手数料 : 換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率等を示すこと
ができません。
信託財産留保額 : 上限0.5%
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16%(税抜2.00%)
※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の
加算によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等
により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。
■その他の費用
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認
ください。
●投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登録金融
機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信託委託会社が
行います。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につき
ましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用に
おける最高の料率を記載しております。
投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または同時にお渡しいた
しますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご確認のうえ、
お客さまご自身が投資に関してご判断ください。
商 号 等/ みずほ投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号
加入協会/ 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
みずほ投信投資顧問株式会社は、2016年10月1日に新光投信株式会社、DIAMアセットマネジメント株式会社、みずほ信託銀行株
式会社(資産運用部門)と統合し、商号をアセットマネジメントOne株式会社(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号、加
入協会(一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会))に変更する予定です(関係当局の認可等を前提とします)。
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたも
のではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、
その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のも
のであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありませ
ん。
4/4