1. システムの特長と構造 (PDF形式:450KB)

Technical Report
SPM No.79 走査型プローブ顕微鏡
SPM/白色干渉計複合システム
/白色干渉計複合システム -システムの特徴と構造-
SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表
面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、面分解能が
非常に高いことを特徴としています。
また、白色干渉計は、光を用いた非接触式測定装置で
、試料表面の形状測定を、短時間かつ高分解能で行な
うことができます。
「AFM5400L」は、SPMと白色干渉計の機能を複合化
させることで、1 mm程度の広視野範囲から数nmレベル
の狭視野範囲までを、高さ方向分解能0.01 nmという高
分解能で、シームレスに測定することを可能としました。
ここではSPM/白色干渉計複合装置の特徴や構造に
ついて説明します。
AFM5400L外観
SPMと白色干渉計の複合
複合機の構造
SPMは、局所的な高分解能計測に優位性があり、様々
な物性測定も可能です。一方、白色干渉計は広域での形
状測定を高速に行うことが可能でありながら、SPMと同等
の高さ分解能を有します。
以下にSPMと白色干渉計の主な特徴の比較を示します。
表1 SPMと白色干渉計の特徴比較
要求
SPM
2014.4
白色干渉計
面分解能
◎
0.5nm
×
500nm
垂直分解能
◎
0.01nm
◎
0.01nm
広走査範囲
×
100µm
◎
数mm
測定時間
×
数分~
◎
数秒~
角度計測
◎
85°
×
~15°
物性観察
◎
機械物性
電気物性
×
なし
反射率影響
基板・表面凹凸
◎
なし
×
あり
白色干渉計を複合したAFM5400Lの測定ヘッド部の内部
写真を下図に示します。
SPMヘッド部と白色干渉計ヘッド部はZステージ上に並ん
で配置されており、試料を設置する試料台には電動XYス
テージが設けられています。
AFM5400Lでは、SPMヘッド位置と白色干渉計の焦点の
位置をあらかじめ装置に記憶させておき、白色干渉計の測
定を行った後、白色干渉計像上の所望の位置を指定する
だけで、ステージが自動で移動し、指定箇所にSPMの探針
を位置決めするリンケージ機能を有しています。さらに、カ
ンチレバー取り付け時に、光学顕微鏡像から探針の位置
を指定し、取り付けによる誤差を補正する機能を設け、高
精度なリンケージを実現しました。
また、SPMで測定した箇所を白色干渉計の焦点位置に移
動させて測定することも可能です。
SPMは局所領域での高分解能計測が可能ですが、最大
測定領域は100 µm程度に制限され、1回の測定に数分
の時間がかかります。対して、白色干渉計では数mmの
範囲を数秒で測定することが可能です。
AFM5400Lでは、SPMと白色干渉計を複合させることで、
両者の計測データをリンクさせ、それぞれの特長を生かし
ながら広域から狭域までの連続した計測が可能となりまし
た。
さらに、従来は測定対象の探索のために光学顕微鏡を使
用して広視野観察していましたが、小さな凹凸を観察する
には光学顕微鏡では焦点深度が深く、観察が困難でした
。白色干渉計は、高さ分解能が高いため、SPMの測定対
象探索には最適といえます。
光学顕微鏡
SPMヘッド
光干渉粗さ計ヘッド
図1 AFM5400Lの測定ヘッド部
http://www.hitachi-hitec-science.com
本社営業部門 〒105-0003 東京都港区西新橋一丁目24番14号
大 阪 営 業 所 TEL:(050) 3131-6973
名古屋営業所
TEL:(03) 6280-0062
TEL:(052) 219-1678
C 2014 Hitachi High-Tech Science Corporation.