方解石の測定事例

Technical Report
SPM No.84 走査型プローブ顕微鏡
SPM/白色干渉計複合
/白色干渉計複合システム
/白色干渉計複合システム -方解石の測定事例-
SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表
面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、面分解能が
非常に高いことを特徴としています。
また、白色干渉計は、光を用いた非接触式測定装置で
、試料表面の形状測定を、短時間かつ高分解能で行な
うことができます。
「AFM5400L」は、SPMと白色干渉計の機能を複合化
させることで、1 mm程度の広視野範囲から数nmレベル
の狭視野範囲までを、高さ方向分解能0.01 nmという高
分解能で、シームレスに測定することを可能としました。
ここではSPM/白色干渉計複合機による溶岩結晶(
方解石)の測定事例について紹介します。
2014.4
AFM5400L外観
溶岩結晶(方解石)の測定事例
SPMは高分解能測定(XY:0.5 nm,Z:0.01 nm )が可能ですが、最大測定領域は100 µm程度に制限され、1回の測
定に数分の時間を要します。また、広視野での測定対象の探索のため、従来は光学顕微鏡を使用して測定箇所にカンチ
レバーを位置決めした後にSPMの測定を行っていました。しかし、光学顕微鏡は焦点深度が深く小さな凹凸を観察するこ
とが困難でした。これに対して、白色干渉計は高さ分解能が高く、小さな凹凸でも計測することが可能であり、光学顕微鏡
では観察が難しいターゲットも容易に見つけだすことができます。
溶岩結晶(方解石)の測定事例を図1に示します。光学顕微鏡像(図1(a))では確認できない凹凸の小さい結晶ステップ
が白色干渉計では明確に計測できています(図1(b))。白色干渉計で20倍対物レンズを使用して471×352 µmの視野
で計測を行った後、白色干渉計像から結晶構造の特定箇所を指定し、SPMによって20 µm視野で高倍率での測定を行
いました(図1(c))。結晶面には微小な段差構造が観察され、その段差の高さは約7 nmと計測されました。
(a)光学顕微鏡明視野像
7 nm
(b)白色干渉計像
(c)SPM像
図1 方解石表面の光学顕微鏡像,白色干渉計像およびSPM像
http://www.hitachi-hitec-science.com
本社営業部門 〒105-0003 東京都港区西新橋一丁目24番14号
大 阪 営 業 所 TEL:(050) 3131-6973
名古屋営業所
TEL:(03) 6280-0062
TEL:(052) 219-1678
C 2014 Hitachi High-Tech Science Corporation.