2. 白色干渉計の構造と原理 (PDF形式:493KB)

Technical Report
SPM No.80 走査型プローブ顕微鏡
SPM/白色干渉計複合システム
/白色干渉計複合システム -白色干渉計の構造と原理-
2014.4
SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表
面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、面分解能が
非常に高いことを特徴としています。
また、白色干渉計は、光を用いた非接触式測定装置
で、試料表面の形状測定を、短時間かつ高分解能で行
なうことができます。
「AFM5400L」は、SPMと白色干渉計の機能を複合化
させることで、1 mm程度の広視野範囲から数nmレベル
の狭視野範囲までを、高さ方向分解能0.01 nmという高
分解能で、シームレスに測定することを可能としました。
ここでは、白色干渉計の原理や測定事例について説
明します。
AFM5400L外観
白色干渉計の構造と原理
特徴
CCDカメラ
白色干渉計は、光学レンズを使用した非接触方式の表面形
状測定システムで、以下の特徴を持っています。
表1はレンズごとの仕様一覧です。レンズ倍率によらず0.01
nmの高さ分解能を有していることが分かります。
●非接触
:試料表面へのダメージがない
●高速測定
:測定時間が数秒
●高分解能
:高さ分解能が0.01 nm
●広い測定範囲 :100 µm~1 mm
バンドパスフィルタ
ビームスプリッタA
表1 白色干渉計レンズ仕様
レンズ倍率
10×
20×
50×
視野サイズ(µm)
947×710
473×355
189×142
NA / WD(mm)
0.3 / 7.4
0.4 / 4.7
0.55 / 3.4
高さ分解能(nm)
0.01
0.01
0.01
面分解能(nm)
910
690
500
ピエゾアクチュエータ
照明用光源
二光束干渉対物レンズ
ビームスプリッタB
参照面(反射ミラー)
サンプル
測定事例
図1 白色干渉計の構造
白色干渉計は、光学顕微鏡をベースとしています。
照明用光源からの光を、バンドパスフィルタで特定の波
長幅にし、対物レンズを介して試料に照射します。
この対物レンズには、マイケルソン型、またはミラウ型
の二光束干渉対物レンズが用いられます。レンズ内には
参照面(反射ミラー)とビームスプリッタが内蔵されていま
す。 AFM5400Lではミラウ型が採用されています。
測定時には、対物レンズを試料に対して高さ方向に走
査し、試料からの反射光と、参照面からの反射光の位相
差による干渉縞の明暗情報を、CCDカメラのピクセルご
とに検出して試料の凹凸を計測します。
白色干渉計は、対物レンズに依存しない0.01 nmの高
さ分解能を有しています。また、面分解能は対物レンズご
とに異なり,倍率50倍,開口数(NA)0.55の対物レンズの
場合では約500 nmとなります。
図2は、白色干渉計を使用してレーザープリンターの印
刷面を測定した事例です。画像の左側は用紙の下地が見
えており、右側は赤色トナーの印刷面です。
下地と印刷面の段差は約1.25 µmと計測されました。
印刷用紙下地面
印刷面(赤トナー)
高さ1.25µm
図2 レーザープリンタ印刷面の白色干渉計による形状測定
http://www.hitachi-hitec-science.com
本社営業部門 〒105-0003 東京都港区西新橋一丁目24番14号
大 阪 営 業 所 TEL:(050) 3131-6973
名古屋営業所
TEL:(03) 6280-0062
TEL:(052) 219-1678
C 2014 Hitachi High-Tech Science Corporation.