3. 導電性薄膜(ITO)の測定事例 (PDF形式:941KB)

Technical Report
SPM No.81 走査型プローブ顕微鏡
SPM/白色干渉計複合
/白色干渉計複合システム
)の測定-
/白色干渉計複合システム -導電性薄膜(ITO)の測定
-導電性薄膜(
)の測定-
SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表
面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、面分解能が
非常に高いことを特徴としています。
また、白色干渉計は、光を用いた非接触式測定装置で
、試料表面の形状測定を、短時間かつ高分解能で行な
うことができます。
「AFM5400L」は、SPMと白色干渉計の機能を複合化
させることで、1 mm程度の広視野範囲から数nmレベル
の狭視野範囲までを、高さ方向分解能0.01 nmという高
分解能で、シームレスに測定することを可能としました。
ここではSPM/白色干渉計複合機による薄膜の観察
事例について紹介します。
2014.4
AFM5400L外観
導電性薄膜(ITO)の測定事例
ITOは導電性を持ちながら透過率が高いという特徴を持つため、液晶ディスプレイや太陽電池等に広く利用されている
材料です。
ITO薄膜表面に対して、白色干渉計を用い(対物レンズ10倍)で広域粗さ測定(937×704 µm )を行いました(図1(a))。
測定後にフィルター処理を行い、うねり画像と粗さ画像に分離し、うねり(Wa)と粗さ(Sa)を算出しました(図1(b)) 。
SPMでは局所的な粗さ評価や結晶構造の観察などを行いました。5×5 µmエリアの観察では、フレーク状構造が観察
されています(図1(c)) 。さらに、1×1 µm 視野に拡大すると、ITO薄膜表面の微細な針状の結晶構造が明瞭に観察され
ています(図1(d)) 。
ITOに限らず薄膜の場合、膜の均一性も大切な要素となるため、広域での評価個所と同一箇所での局所狭域像を総合
的に評価することが重要です。AFM5400Lでは、これらの評価を高速かつシームレスに行うことが可能となります。
(a)白色干渉計像 (937×704 µm)
フレーク状構造
(c)SPM形状像(5× 5 µm )
Waviness(うねり)
Wa:0.52 nm
Wq:0.66 nm
Roughness(粗さ)
Sa:0.81 nm
Sq:1.14 nm
針状結晶(観察面に垂直)
針状結晶(観察面に平行)
(b)光干渉像をうねり画像と粗さ画像に分離
(d)SPM形状像(1× 1 µm )
図1 白色干渉計とSPMによるITO薄膜の形状測定
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