8. 基本性能(高精度測定・高分解能測定) (PDF形式:626KB)

Technical Report
SPM No.86 走査型プローブ顕微鏡
SPM/白色干渉計複合
/白色干渉計複合システム
の基本性能-
/白色干渉計複合システム -AFM5400Lの基本性能-
SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表
面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、面分解能が
非常に高いことを特徴としています。
また、白色干渉計は、光を用いた非接触式測定装置
で、試料表面の形状測定を、短時間かつ高分解能で行
なうことができます。
「AFM5400L」は、SPMと白色干渉計の機能を複合化
させることで、1 mm程度の広視野範囲から数nmレベル
の狭視野範囲までを、高さ方向分解能0.01 nmという高
分解能で、シームレスに測定することを可能としました。
ここではAFM5400LのSPMとしての基本性能について
紹介します。
2014.4
AFM5400L外観
基本性能(高精度計測・高分解能測定)
AFM5400Lでは、圧電素子(スキャナ)制御における、
データの歪みの要因となるヒステリシスやクリープの
影響を排除したクローズドループ制御技術や、垂直方
向の直進性を高めた高精度なスキャナを標準搭載し
ています。
クローズドループ制御では、スキャナの移動量を変
位センサーにより正確に検知し、圧電素子の非線形成
分がなくなるようにフィードバック制御しながらスキャナ
を駆動させ、正確な線形性、直行性で走査、移動を可
能としています。広域から微小領域へ拡大する場合に
は、正確に目的の位置の拡大測定が可能です(図1)。
また、イメージングだけではなく、フォースカーブ計測、
電流-電圧特性などの定点測定において、狙った場
所に正確にプローブを移動させる場合にも有効な機能
です。
15×15 µm
80×80 µm
1.2×1.2 µm
図1 クローズドループ制御による正確な位置特定
従来スキャナ
AFM5400Lスキャナ
レンズ中心
誤差10 %
誤差0.7 %
高さ(nm)
垂直方向の直進性については、従来のスキャナでは、
素子の感度ムラにより垂直方向に数%クロストークを
生じていましたが、AFM5400L搭載のスキャナではこ
の歪みを解消し、垂直軸に対して直行方向に動作可
能な機構が搭載されています。これにより、切り立った
構造の側壁形状測定時における左右の角度誤差1°
以下を達成し、信頼性の高い形状測定が可能になり
ました。
マイクロレンズの形状評価、半導体のライン&ス
ペース測定やトレンチ、マスク形状を高精度計測する
ような場面で効果を発揮します(図2)。
1200
1000
800
600
400
200
0
1000
2000
3000
4000
距離(nm)
図2 垂直方向直進性の向上
また、SPMで日常的に行われている粗さ測定や、微
小形状、段差測定に対して、従来性能を維持した高分
解能測定が可能です。
図3はサファイア基板の微小段差ステップの計測事
例です。0.22 nmの微小な段差が精度良く計測されて
います。
0.22 nm
2×2 µm
図3 サファイアステップの段差計測
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