4. 食品保存用ラップの測定事例 (PDF形式:552KB)

Technical Report
SPM No.82 走査型プローブ顕微鏡
SPM/白色干渉計複合システム 『AFM5400L』
SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表
面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、面分解能が
非常に高いことを特徴としています。
また、白色干渉計は、光を用いた非接触式測定装置で
、試料表面の形状測定を、短時間かつ高分解能で行な
うことができます。
「AFM5400L」は、SPMと白色干渉計の機能を複合化
させることで、1 mm程度の広視野範囲から数nmレベル
の狭視野範囲までを、高さ方向分解能0.01 nmという高
分解能で、シームレスに測定することを可能としました。
ここではSPM/白色干渉計複合機による食品保存用
ラップの観察事例について紹介します。
2014.4
AFM5400L外観
食品保存用ラップの測定事例
食品用ラップフィルム表面の測定例を図1に示します。白色干渉計ではフィルムの表面の形状計測を行い、広範囲での粗
さ評価を行いました(図1)。次に、その測定範囲の一部をSPMを用いて拡大測定しました。SPM観察時には、DFMモードに
よるカンチレバー振動の位相の変化(位相像)も同時に測定しました。
食品用ラップの表面には、柔軟性や防曇性を高めるための表面処理剤が塗布してあります。図2.(a)は、この食品用ラッ
プの表面処理剤を測定した結果です。SPMの位相像では、白色干渉計やSPM形状像からは読み取れない、フィルム表面
の吸着力や粘弾性力を反映した、物性マッピングが得られています。図2.(b)は、カンチレバーの接触圧を高くして、同一
個所での表面処理剤下のポリ塩化ビニリデン(PVDC)基材を測定した事例です。編み目状の結晶構造が観察され、位相
像では、形状像では判別しにくい、より明瞭な結晶構造が確認できています。
図1 白色干渉による食品ラップの広範囲観察と粗さ評価結果
形状像
形状像
位相像
位相像
500nm
500nm
(a)食品用ラップ最表面の表面処理剤の観察
(b)食品用ラップ表面処理剤下の
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)基材の観察
図2 SPMによる食品用ラップ観察
http://www.hitachi-hitec-science.com
本社営業部門 〒105-0003 東京都港区西新橋一丁目24番14号
大 阪 営 業 所 TEL:(050) 3131-6973
名古屋営業所
TEL:(03) 6280-0062
TEL:(052) 219-1678
C 2014 Hitachi High-Tech Science Corporation.