マンスリー・アウトルック(2016/5)

2016 年 4 月 28 日(金)発行 No.023
市場調査部レポート
0
マンスリー・アウトルック(2016/5)
5 月の為替相場展望
「6 月の嵐」の前の静けさ?
《概観》
6 月は英国の EU 離脱に関する国民投票、日米の金融政策会合、米大統領予備選終了など、相場材料
となりうるイベントが目白押し。5 月はそれと比べてライトなカレンダー。ただし、伊勢志摩サミットや景気対策
の検討など、日本関連の重要材料は散見される。6 月の会合に向けた日米中銀からのメッセージにも要注
意か。
<主要通貨の動向>
・【米ドル】 6 月の FOMC に向けて利上げの地ならしが進められるか
・【円】 日銀はゼロ回答。それでも根強い追加緩和の観測
・【ユーロ】 ギリシャ財政問題がユーロの重石に
・【ポンド】 オバマ発言で EU 残留派が増加
<資源国・新興国通貨の動向>
・【豪ドル】 RBA の 5 月追加利下げ観測高まる、結果に反応しそう
・【NZ ドル】 GDT とインフレ期待調査に注目
・【カナダドル】 原油堅調が続けば、カナダドルもジリ高に
・【トルコリラ】 TCMB は単純化措置を一段と進める可能性も!?
・【南アランド】 19 日の SARB 会合では、政策金利据え置きか
◆主要経済指標・イベント
◆OIS(翌日物金利スワップ)に基づく金融政策見通し
1
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≪概観≫
4 月の為替相場(27 日まで)は、ドル円が「下へ行ってこい」の展開でした。上旬はドル円が急落、1 ドル
=112 円台半ばから 11 日には一時 107 円台半ばまで下落。円が全面安となり、ドルは円以外の通貨に対
して小動きでした。11 日以降は、ドル円が反発。22 日には日銀が金融機関への貸出に対してマイナス金利
を検討しているとの報道を受けて、円が急落して全面安となりました。
そうした中で、原油などの資源価格が上昇、NY ダウが昨年 5 月の最高値に接近するなど、リスクオンの
展開となりました。月間でみれば、南アランドやカナダドルなどの資源国通貨の対ドルでの上昇が目立ちまし
た。一方、追加利下げ観測の根強いオセアニア通貨は軟調でした。
(28 日の日銀会合の決定を受けて円が急伸したので、4 月 28 日までに対円で上昇したのは、カナダド
ルのみとなりました)
主要18通貨の対円騰落率(4/1-27)
1 カナダドル
2 南アランド
3 ブラジルレアル
4 ノルウェークローネ
5 英ポンド
6 日本円
7 スウェーデンクローナ
8 米ドル
9 トルコリラ
10 シンガポールドル
11 メキシコペソ
12 台湾ドル
13 デンマーククローネ
14 韓国ウォン
15 ユーロ
16 豪ドル
17 NZドル
18 スイスフラン
-2
0
2
(%)
出所:Bloombergより作成
6 月は、英国の EU 離脱に関する国民投票(23 日)、日米の金融政策会合(米 14-15 日、日 15-16
日、ECB は 2 日)、米大統領予備選の終了(7 日カリフォルニア州など)など、金融市場を大きく動かす可能
性のあるイベントが相次ぎます。
それに比べると、5 月は比較的ライトなカレンダーのように思われます。ただし、26-27 日の G7 伊勢志摩
サミット、その前の G7 財務相・中央銀行総裁会議(仙台)、さらには 6 月 1 日の通常国会会期末前に消費
増税の延期を含めた景気対策が発表されるかなど、日本関連の材料には注意が必要かもしれません。
また、6 月の FOMC に向けた利上げ地ならしの有無、日銀の決定会合に向けた追加緩和の思惑、なども
相場材料となるかもしれません。そして、やや変化球としては、パナマ文書の全容が判明する予定です。
<チーフエコノミスト 西田明弘>
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<主要通貨の動向>
【米ドル】 6 月の FOMC に向けて利上げの地ならしが進められるか
4 月 27 日、FOMC は金融政策の「据え置き」を決定しました。票決は 9 対 1 で、カンザスシティ連銀のジ
ョージ総裁が 0.25%の利上げを主張して反対票を投じました。
声明文をみると、前回 3 月時点に比べて、世界経済や金融市場への懸念がやや後退する一方で、足元
の米景気の減速を認識した形となっています。
声明文は今後の方針について、3 月時点と同様に、「利上げのタイミングと幅の決定については、実現し
た、あるいは予想される経済情勢を精査する」とし、「経済情勢は、ゆっくりとした利上げのみを正当化するだ
ろう」と結論付けました。
昨年 12 月に利上げを実施した際、その一つ前の 10 月の FOMC 声明文は、今後について「次回の利上
げが適切かどうかを判断するため、目標に向けての進展を精査する」と、利上げが秒読み段階に入ったこと
を示唆しました。しかし、今回はそうした切迫感はないようです。
27 日時点で、政策金利(FF レート)が織り込む 6 月利上げの確率は 21%です。利上げの確率が 5 割を
超えるのは 11 月の FOMC 以降です。
もっとも、6 月利上げの可能性が排除されたわけではありません。今後の状況に応じてその確率がどう変
化するか、そして FRB 関係者が早いタイミングでの追加利上げに向けて「地ならし」を進めるか、などに要注
目でしょう。
(%)
市場が織り込む2016年中の利上げ回数
90
80
据え置き
1回
2回以上
利下げ
70
60
50
40
30
20
10
0
2015/12/31
2016/1/31
2016/2/29
2016/3/31
政策金利(FFレート)先物より算出した確率
出所:Bloombergより作成
大統領予備選:共和党は、いよいよ「競争の党大会」実現へ?
共和党の予備選は、代議員の約 8 割の行方が既に決定し、5 月中に 5 州、6 月 7 日に 5 州を残すのみ
となりました。ただ、トランプ氏が引き続きクルーズ氏を大きくリードしているものの、党指名獲得に必要な代
議員の過半数に届くかどうかは不透明です。
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予備選で決着が付かず、7 月の党大会で実質的に指名が争われる「競争の党大会」となるかもしれませ
ん。その場合、代議員による 2 回目以降の投票で、誰が指名されるのかは予断を許しません。また、党大
会の結果を不服として、トランプ氏が独立候補として本選に臨む、あるいは党指名を獲得したトランプ氏に対
して、党主流派が本選に独立候補を擁立するなどのシナリオも「あり得なくはない」ようです。
一方、民主党予備選では、クリントン氏の指名獲得がほぼ確実とみられます。共和党が大統領候補選び
で混乱するほど、本選では民主党候補(恐らくクリントン氏)に有利に働きそうです。<西田>
共和党指名候補が決まるまで
シナリオ
内容
共和党指名
1
予備選で決着
トランプ氏が過半数の代議員を獲得。ただ、その可能
性は高くない。
(⇒シナリオ2へ)
トランプ
2
2回目以降の投票で一部、または全部の代議員が自
由に投票。過半数を獲得する候補が現れるまで繰り
「競争の党大会」
返す。
(⇒シナリオ3の可能性も)
トランプ
クルーズ
その他
3
党大会の結果を不服として、トランプ氏が独立候補と
して本選に出馬。
あるいは、トランプ氏が党指名を獲得した場合、党主
流派が独自候補を擁立?
独立して出馬
―
出所:M2J市場調査部作成
【円】 日銀はゼロ回答。それでも根強い追加緩和の観測
4 月 28 日、日銀は FRB に約 9 時間遅れて金融政策の「据え置き」を決定しました。熊本地震を受けて被
災地金融機関支援オペの導入はあったものの、追加緩和期待に対してほぼ「ゼロ回答」でした。
22 日に「日銀が金融機関向け貸出にマイナス金利を検討」との一部報道が伝わったことで、円が急落し
ましたが、その下落分を戻した格好となりました。
もっとも、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、物価目標の達成時期を「2017 年度前半ごろ」から
「2017 年度中」へ半年程度先送りしたこと、決定を受けて円高が進んだことなどから、追加緩和期待は根
強く残るものとみられます。
伊勢志摩サミットに向けて安倍政権が包括的な経済対策を検討するとみられるなかで、日銀がそれを援
護射撃するための弾を残しておいたとみることは可能かもしれません。<西田>
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【ユーロ】 ギリシャ財政問題がユーロの重石に
ECB は 4 月 21 日の理事会で、金融政策の据え置きを決定しました。据え置きは市場予想どおりでした。
同時に 3 月会合で決定した月額 800 億ユーロの資産買い入れ策の一環として、ECB が 6 月から社債の
購入を開始。起債、流通の両市場で実施することが明らかにされました。
理事会後の会見でドラギ ECB 総裁は、「ECB の金融緩和政策は『機能しており効果的』で、完全な効果を
発揮するのを待つべき」と述べました。次の ECB 理事会は 6 月 2 日と間が空くこともあり、EU またはユーロ
圏の金融政策絡みでユーロが動く可能性は比較的低いかもしれません。
一方、ギリシャ財政を巡る問題は、足もと不透明感が高まっています。
ギリシャは債権団による財政改革審査が遅れていることを受けて、学校や病院などの公的機関に対して、
余剰資金を中銀に預けるよう義務付け、借り入れた資金を債権団への支払いに充てています。ギリシャは
6-7 月に ECB、IMF など債権団への返済のために 50 億ユーロ超を必要としています。しかし債権団による
融資実施は凍結されたままで、厳しい状況に置かれています。
ギリシャのある政府関係者は「年金基金の準備金を活用するなどすれば、5 月末か 6 月初旬までは財政
破綻しないだろう」と述べましたが、ギリシャの財政問題はユーロの重石となるかもしれません。
<シニアアナリスト 山岸永幸>
【ユーロ/米ドル(週足) 2015/8/2 – 2016/4/28】
出所: FX Chart Square
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【ポンド】 オバマ発言で EU 残留派が増加
BOE(英中銀)は 4 月 14 日の MPC(金融政策委員会)で政策金利の据え置きを決定しました。市場の予想
通りでした。
同日公開された議事録では、「Brexit(ブレクジット、英の EU 離脱問題)」への懸念が改めて示されました。
調査機関 ICM がインターネットを介して 4 月 22-24 日に実施した世論調査では、EU 離脱支持が 46%と、
残留支持の 44%を上回りました。ただ、前回 4 月 12 日に発表された同社の調査では EU 離脱支持が 45%、
残留支持が 42%だったことから、回答未定としていた「浮動票」が残留支持に流れた可能性があります。
22 日に訪英したオバマ米大統領は、米英関係は英国が欧州連合(EU)の加盟国であることによって強化
されているとし、英国が EU を離脱すれば英国との貿易交渉を後回しにする可能性があるとの考えを示しま
した。EU 残留を支持するオバマ発言をうけて、英ポンドの対米ドル 3 カ月物予想変動率は昨年 5 月以来と
なる下げ幅を記録。EU 離脱予想の後退が反映された形です。
賭け屋ベットフェアのデータによれば、英国の EU 残留確率が昨年 9 月以来の高水準に急上昇。EU 離脱
確率は前週の 37%から 27%前後に低下したということです(4 月 25 日時点)。
6 月 23 日の国民投票まで、まだかなりの日数があり、同問題を巡る不透明感は依然強いものの、EU 残留
派の勢力が拡大すれば、ポンドは徐々に戻りを試す展開となるかもしれません。<山岸>
【ポンド/円(週足) 2015/8/2 – 2016/4/28】
出所: FX Chart Square
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<資源国・新興国通貨の動向>
【豪ドル】 RBA の 5 月追加利下げ観測高まる、結果に反応しそう
4 月 27 日に発表された豪州の 1-3 月期 CPI(消費者物価指数)は前年比+1.3%と、市場予想(+1.7%)
を下回り、10-12 月期の+1.7%から上昇率が鈍化。また、RBA(豪中銀)が CPI とともに重視するとされる基
調インフレ率(トリム平均と加重中央値の平均値)は前年比+1.55%と、10-12 月期の+2.00%から大幅に
鈍化、1983 年の統計開始以来最低となりました。CPI、基調インフレ率ともに、RBA のインフレ目標の下限で
ある+2%を下回りました。
インフレ圧力の鈍化は、利下げへとつながる可能性があります。CPI を受けて、RBA が次回 5 月 3 日の会
合で利下げを決定するとの観測が高まりました。市場の金融政策見通しを反映する OIS(翌日物金利スワッ
プ)では、RBA が 0.25%の利下げを決定する確率が 60.8%、政策金利を据え置く確率が 39.2%織り込ま
れています(27 日時点)。
ただ一方で、豪州の労働市場は順調に回復、失業率は 2 年半ぶりの水準まで改善しました。最大の輸
出品である鉄鉱石の価格は、昨年末以降、上昇傾向にあります。
こうした状況を踏まえると、RBA は次回 5 月 3 日の会合で、追加利下げを見送る(=政策金利を据え置く)
可能性の方が高いと考えられます。
利下げ観測が高まっているため、据え置きの場合には豪ドルが上昇する展開が予想されます。
5 月は、RBA の政策金利とともに、19 日に発表される豪州の 4 月雇用統計にも注目です。RBA が政策金
利の据え置きを続けた理由のひとつに労働市場の回復がありました。そのため、雇用統計の結果を受けて、
市場の金融政策見通しが変化し、それが豪ドルの動向に影響を与える可能性があります。
<アナリスト 八代和也>
出所:Bloomberg より作成
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【NZ ドル】 GDT とインフレ期待調査に注目
RBNZ(NZ 中銀)は 4 月 28 日の会合で、政策金利を過去最低の 2.25%に据え置きました。声明では、
「将来の平均インフレ率が目標レンジの中央近辺で推移することを確実にするため、一段の政策緩和が必
要になる可能性がある」と表明、追加利下げを示唆しました。
NZ ドルについては、「NZ の商品輸出価格の低さを踏まえると、適切な水準よりも依然として高い」と指摘、
「インフレの押し上げや貿易セクターを支援するために、NZ ドルの下落が望ましい」としました。
今回の会合について、市場では「据え置き」と「0.25%利下げ」で見方が割れていたため、据え置き決定を
受けて、NZ ドルが上昇しました。
ただし、市場では RBNZ は次回 6 月 9 日の会合で、追加利下げに踏み切るとの見方が有力。OIS(翌日
物金利スワップ)では、RBNZ が 6 月に利下げを行う確率が 71.2%織り込まれています(27 日時点)。RBNZ
の追加利下げ観測が NZ ドルの上値を抑える可能性があります。
5 月は、3 日と 17 日に乳製品電子オークション(GDT)が開催され、同じく 17 日には四半期に 1 度の
RBNZ によるインフレ期待調査が発表されます。
RBNZ が昨年 4 回実施した利下げは乳製品価格の下落、今年 3 月の利下げはインフレ期待の低下が一
因でした。GDT やインフレ期待調査が弱い結果になれば、追加利下げ観測が一段と強まる可能性がありま
す。その場合、NZ ドルには下押し圧力が加わりやすくなりそうです。<八代>
【カナダドル】 原油堅調が続けば、カナダドルもジリ高に
4 月 13 日の会合で、BOC(カナダ中銀)は政策金利据え置きを決定しました。据え置きは 6 会合連続です。
BOC は前回に続き、「インフレ動向をめぐるリスクは概ね均衡」「金融政策は適切」と述べました。
BOC は「世界的な経済成長は1月時点の予想より軟調になる」との見方を示し、足もとのカナダドル上昇が
輸出の阻害要因になると指摘。カナダ中銀がカナダドル安を目指していると市場では捉えられ、一時カナダ
ドルが軟調となる場面がありました。ただ、ポロズ BOC 総裁は、そうした見方を否定しています。
カナダ経済に影響を与える原油価格の動向は、WTI 原油先物(直近限月)が 4 月 27 日には 45 ドル台に
上昇、昨年 11 月以来の高水準にあります(4 月 27 日現在)。
原油価格と連動性の高い米ドル/カナダドルは一時 1.26 ドルを割り込むなど、ジリジリと上昇しています。
原油価格の強含み推移が続けば、カナダドルのジリ高推移も続きそうです。<山岸>
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【トルコリラ】 TCMB は単純化措置を一段と進める可能性も!?
TCMB(トルコ中銀)は、チェティンカヤ新総裁(前副総裁)の就任初日である 20 日に会合を開催。主要
政策金利である 1 週間物レポ金利と翌日物借入金利を据え置く一方、翌日物貸出金利を 0.50%引き下
げることを決定しました。
出所:Bloomberg より作成
声明では、今回の決定について、「世界の(金融)市場のボラティリティの低下が継続し、世界の金融環
境が改善した。こうした出来事に伴い、広い金利コリドーの必要性が低下した」と説明しました。
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TCMB は 3 つある政策金利を最終的に一本化する「単純化」措置を 3 月に開始、4 月と同様に翌日物
貸出金利を引き下げました(3 月は 0.25%)。
総裁が交代し(バシュチュ氏からチェティンカヤ氏へ)、TCMB の金融政策に変化があるのか注目されまし
たが、チェティンカヤ総裁はバシュチュ前総裁の金融政策を継続した格好です。
次回会合は 5 月 24 日に開催されます。金融市場が落ち着いた状態が続けば、5 月の会合でも単純化
措置をさらに進め、3 月、4 月と同様に、翌日物貸出金利を引き下げる可能性があります。5 月に翌日物貸
出金利を引き下げるとの観測が市場で強まれば、トルコリラの上値を抑える要因になりそうです。<八代>
【南アランド】 19 日の SARB 会合では、政策金利据え置きか
5 月 19 日の SARB(南アフリカ中銀)の政策金利発表が、ランドにとって最大の相場材料になりそうです。
SARB は前回 3 月 17 日の会合で、3 回連続の利上げを決定。政策金利を 6.75%から 7.00%へ、0.25%
引き上げました。
商品価格の下落や慢性化する電力不足を背景に、南アフリカ経済が減速するなかで、ランド安や食料品
価格上昇を背景としたインフレへの対応を優勢した格好となり、3 月の会合では 6 人の政策メンバーのうち、
3 人が据え置き、3 人が 0.25%の利上げを主張して意見が割れ、最終的にクガニャゴ総裁が利上げを決定
しました。
政策メンバーであるカシム氏は 3 月の会合後、「SARB は利上げ局面にある」と明言し、追加利上げを示
唆する一方、「毎回、利上げを行うことを意味するわけではない」と述べました。
南アフリカの 3 月 CPI(消費者物価指数)は前年比+6.3%と、SARB のインフレ目標(+3 から 6%)の上限
を 3 か月連続で上回ったものの、2 月の+7.0%から上昇率が鈍化しました。
クガニャゴ総裁は 4 月 22 日、「3 月の CPI は SARB の見通しに沿ったものだった」とした一方、「4 月は、
3 月よりも上昇率が鈍化する可能性がある」と述べました。
前回会合以降、ランドが対米ドルで反発したこともあり、5 月の会合では政策金利の据え置きが決定され
そうです。ただし、クガニャゴ総裁の会見などで、SARB は依然として利上げ局面にあることが改めて示される
とみられます。その場合、追加利上げ観測が残ると考えられることから、ランドは底堅い展開になりそうです。
<八代>
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来週の主要経済指標・イベント
5月1日 10:00 【中】PMI製造業(4月)
5月2日 23:00 【米】ISM製造業景況指数(4月)
当社予想
50.0
52.0
市場予想
50.3
51.5
前回値
50.2
51.8
同指数は3月に6か月ぶりに「50超」を記録し、製造業の回復を示した。最新のベージュ
ブックでも緩やかな回復が示唆された。その流れが4月も続いているか。
5月3日 10:45 【中】財新製造業PMI(4月)
49.5
49.8
49.7
同指数は3月に13か月連続で「50割れ」だった。昨年2月以来の「50超」となれば、製造
業の回復が示唆されるが、実現は難しそう?
13:30 【豪】RBA政策金利発表
2.00%
2.00%
2.00%
1-3月期のCPIを受けて、追加利下げ観測が高まっているが、豪労働市場の順調な回復
を背景に、政策金利は据え置かれそう。
16:00 【トルコ】消費者物価指数 前年比(4月)
7.20%
ー
7.46%
対米ドルでのトルコリラ反発が物価上昇抑制要因として働きそう。上昇率は3月から一段と
鈍化か。
5月4日 23:00 【米】ISM非製造業景況指数(4月)
55.0
54.8
54.5
同指数は2015年平均の57.2から、2016年1-3月平均の53.8へと大きく減速。大寒波の
悪影響があったとすれば、その反動が続く可能性も。
5月6日 21:30 【米】非農業部門雇用者数変化(4月)
【米】失業率(4月)
22.0万人
4.9%
20.0万人
5.0%
21.5万人
5.0%
雇用者数は2015年平均22.9万人増から2016年1-3月平均は20.9万人増にペースダウ
ン。人手不足が一因の可能性もあり、労働市場は堅調。賃金上昇率が高まるか。
市場予想はBloomberg、4月28日10:00現在。発表日時は日本時間。
2016年10月までの金融政策の市場予想
政策金利% 利下げ 現状維持 利上げ
米国
0.25-0.50
0%
52%
48%
英国
0.50
26%
73%
2%
NZ
2.25
83%
17%
0%
カナダ
0.50
4%
82%
13%
ユーロ圏
0 100%
0%
0%
豪州
2.00
82%
18%
0%
OIS(翌日物金利スワップ)を用いた確率。4月27日時点
出所:Bloombergより作成
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<執筆者>
西田 明弘(にしだ あきひろ)
市場調査部 チーフエコノミスト マーケット全般、米ドル、円担当
1984 年、日興リサーチセンターに入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを
経て、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテ
ジストとして高い評価を得る。2012 年 9 月、マネースクウェア・ジャパン(M2J)入社。市
場調査部チーフアナリストに就任。現在、M2J の WEB サイトで「市場調査部レポート」、
「市場調査部エクスプレス」、「今月の特集」など多数のレポートを配信する他、TV・雑
誌など様々なメディアに出演し、活躍中。
山岸 永幸(やまぎし ながゆき)
市場調査部 シニアアナリスト ユーロ、ポンド、カナダドル担当
1986 年、ユニバーサル証券(現、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券)入社後、株式ス
トラテジスト、アナリスト、チャーチスト、先物トレーダーなど株式業務全般に携わる。
1987 年に出向先の大和証券で「一目均衡表」に出会って以降、28 年間にわたり、均
衡表と実践的な活用法を探究。2012 年春マネースクウェア・ジャパンに入社。セミナ
ー講師として多数の顧客にノウハウを伝えるとともに、多数のレポートを配信。また、
様々なメディアに出演し、活躍中。
八代 和也(やしろ かずや)
市場調査部 アナリスト 豪ドル、NZドル、トルコリラ、南アランド担当
2001 年、ひまわり証券入社後、コールセンター、為替関連の市況ニュースの配信、レ
ポートの執筆など FX 業務に携わる。2011 年 12 月、マネースクウェア・ジャパンに入
社。市場調査部に所属し、豪ドルや NZ ドルといったオセアニア通貨にフォーカスした
「オセアニア・レポート」を執筆している。FX に携わり 13 年。
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・店頭外国為替証拠金取引に必要な証拠金額は、個人のお客様の場合取引総代金の 4%、法人のお客
様の場合取引総代金の 2%です。取引所株価指数証拠金取引に必要な証拠金額は、当社が定める 1 枚
当たりの必要証拠金の額に建玉数量を乗じる一律方式により計算されますが、1 枚当たりの必要証拠金額
は変動いたします。
・発注管理機能である『トラップトレード®』『リピートイフダン®』『トラップリピートイフダン®』『ダブルリピートイ
フダン®』は取引の利益を保証するものではありません。投資判断はお客様ご自身にて行っていただきます
ようお願いいたします。また、同一金融商品で複数の『ダブルリピートイフダン®』を入れる、またはすでにポ
ジションを保有する金融商品で新たに『ダブルリピートイフダン®』を注文すると両建て取引となることがありま
す。
株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)
金融商品取引業
関東財務局長(金商)第 2797 号
【加入協会】 日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会
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