2016年4月1日 - アリアンツ・グローバル・インベスターズ

アリアンツ・グローバル・インベスターズ
グローバル・キャピタル・マーケット&テーマ・リサーチ
フライデー・メール
2016年4月1日
アン-カトリン・ピーターソン
バイス・プレジデント
グローバル・キャピタル・マーケット&テーマ・リサーチ
本当のターニング・ポイントになるか?
3つの要因が最近まで資本市場の動きを決定付けていました
米ドルの上昇が終了するとの懸念です。概して、世界経済は
が、今やそれらは反対の方向に動いています。ドル安見通し
相対的に元気を欠いた状態が継続する可能性が高そうです
(今週のチャートをご参照)、原油価格の底値からの回復、世
が、それでも潜在的な成長率の範囲にはとどまりそうです。例
界が景気後退に陥るとの行き過ぎた懸念を打ち消すような経
えば、米国経済に対する懸念の中心であった米国の製造業
済指標、この3点によって、市場は落ち着きを取り戻しました。
がこの春以降に上向きそうな兆しが出ています。また同時に、
高いドルと、エネルギーセクターにおける設備投資の明らかな
ターニングポイント1:米ドル高の終了が見えてきた
減少は、工業生産の足を引っ張ってきました。1-3月期の企業
収益の発表シーズンはこれから始まっていきます。それは高
各通貨圏における金利見通しの違いは為替市場のトレンドを
揚感に包まれたものにはならなそうですが、すでに下方に修
決定する重要なファクターです。日銀と欧州中央銀行(ECB)
正された予想の範囲内にはどとまるでしょう。
は1-3月期にさらに緩和的な政策をとり、消費者物価を刺激し
ようと試みました。中央銀行が最終手段として「ヘリコプター・
ターニングポイント3:原油価格は狭いレンジの中での均衡を
マネー」を導入するかもしれないとの憶測がすでに広まってい
探しているようです
ます。反対に、米連邦準備制度理事会(FRB)はすでに2015年
終盤に金利を引き上げました。しかし、最も最近の会議(公開
原油は米ドル建てで取引されるため、ドルの下落は原油価格
市場委員会:FOMC)では、よりハト派的なトーンが維持されま
上昇をサポートするものになります。原油生産量にはある程
した。従って、金利引き上げのペースは非常に緩やかなもの
度上限が設けられるはずだとの期待も、最近の市場の回復に
にとどまりそうです。つまり、中央銀行間の金融政策の乖離は
一定の役割を果たしました。主要な産油国間の次のミーティン
しばらくの間は目立つものにはならなそうです。このことと米ド
グは、4月14日にドーハで行われますが、それによってさらに
ルのバリュエーションが根本的に高いことは、米ドルの上昇の
原油価格が上昇する可能性もあります。もちろん、世界の原
ほとんどの部分がすでに終わったことを示している可能性が
油供給が一夜にして消えるわけではないことも事実なので、
あります。これは、中国の経済政策当局にとってなんら気休め
原油価格の上昇には上限もあるでしょう。
になるようなものではありません。2015年8月からより柔軟な
為替政策へと移行しようとしている人民元にとって、米ドルが
これは投資家にとって何を意味するのか?
安くなると、売り圧力が増すことを意味するからです。しかしそ
れにもかかわらず、短期的に米ドルがもう一段高くなる可能性
FRBがハト派的姿勢を維持することは、実質リターンの低下と
もあります。それは、金融市場が、FOMC参加メンバーの予測
米国のインフレ期待の上昇をサポートします。米国金利の上
から考えられるよりもさらに少なく、米国の金利引き上げ回数
昇がさらにゆるやかなものになると織り込まれたことで、米国
を見積もっているからです。
債の価格下落リスクは残っています。反対に、ユーロ建て債
券市場はECBの債券購入プログラムの拡大によって支えられ
“米ドルの上昇のほとんどの部分がすでに終わった
ことを示している可能性があります。”
ます。経済の見通しに関する懸念が減少したことで、たとえボ
ラティリティの高さが続いたとしても、株式のようなリスク資産
は支えられ続ける見込みです。投資先は株式を含む複数の
資産に幅広く分散させておくことが、まだ賢明であると考えて
ターニングポイント2:市場は経済の先行きに対する過剰な恐
います。
れを、退けようとしている
プラスのターニング・ポイントが皆様に訪れますように。
2つの問題に対する大きな懸念が2016年初めの市場の不安
定さの原因でした。1番目は中国がソフトランディングのかわり
に「ハードランディング」するとの懸念で、2番目はこれまでの
Understand. Act.
今週のチャート:
米ドルの上昇の終わりが見えてきている
米ドルの下落
米ドルの上昇
貿易加重ベースの米ドル
出所:Datastream、Allianz Global Investors Global Capital Markets & Thematic Research。2016年3月時点。
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