保育所での乳幼児の食物アレルギーに関する看護職の保健活動上の

目白大学大学院
所属
氏名
論文題目
看護学研究科 看護学専攻 修士課程
コミュニティ看護学分野
渡邉 久美
修了論文概要
修了年度
平成 26 年度
指導教員
(主査)
糸井 志津乃
保育所での乳幼児の食物アレルギーに関する看護職の保健活動上の困難感
本 文 概 要
目的:保育所での乳幼児の食物アレルギーに関する看護職の保健活動上の困難感を明らかにする。
方法:対象は 0 歳児保育を行っている東京都内認可保育所に常勤で勤務する経験年数5年以上の看
護職5名に、半構造的面接を行いデーターを収集した。分析は面接の内容を逐語録に起こし、質的
記述的研究方法により分析を行った。
結果:食物アレルギーに関する保健活動上の困難感は【ガイドラインも知識もなく試行錯誤だった】
【保育園で突然アレルギーを発症するので不安だ】
【アレルギー食材以外の食材で発症し気を付け
ようがない】
【食物アレルギーかどうかの判断が難しい】
【緊急性が高いアナフィラキシー症状の判
断に不安と葛藤がある】
【園内の食物アレルギー対策の体制にあたって悩みや不安がある】
【保育士
がアレルギーを理解せず子どもの異常に気が付かない】
【保護者に食物アレルギーについて理解し
てもらうことが難しい】
【医師の対応に不安や心配がある】
【子どもの情緒の発達面と管理面での環
境設定の葛藤に悩む】の 10 のカテゴリーが生成された。
考察:保育所での乳幼児の食物アレルギーに関する看護職の保健活動上の困難感は、食物アレルギ
ーに起因する困難感や、保育園での体制づくりに対する困難感、職員、保護者、医師との連携にお
いて困難感があり具体的な内容が明らかになった。また、食物アレルギーは、アナフィラキシーシ
ョックなど、緊急性の高い対応が必要であることから、専門的知識の習得が不可欠である。保育所
全体として食物アレルギーに対応できるためには、看護職は食物アレルギーの体制づくりに役割を
もち、リーダーシップが必要とされていた。さらに、危機管理だけでなく、子どもたちの情緒的な
発達に考慮した関わりに葛藤をもち、子どもの育ちを配慮して保健活動をしていることが明らかに
なった。