2015大阪大専門1番

2015 阪大専門
問題 1
すべての実数 x に対して定義された関数 f (x) で、必ずしも連続とは限らない
ものを考える。いま、f (x) がさらに次の性質を持つとする。
f (x + y) = f (x) + f (y) , f (xy) = f (x) f (y) ,
f (1) = 1
このとき、以下を示せ。
(1) すべての有理数 x に対して、f (x) = x である。
(2) 実数 x, y について、x 5 y ならば、f (x) 5 f (y) である。
(3) 実数 x について、f (x) = x である。
解答
(1) n ∈ N に対して、
f (n + 1) = f (n) + f (1) = f (n) + 1
∴ f (n) = 1 + (n − 1) = n
f (0 + 0) = f (0) + f (0) より
∴ f (0) = 0
f (−n + n) = f (−n) + f (n)
∴ f (−n) = −f (n)
以上よりすべての m ∈ Z に対して
f (m) = m
さらに、
)
( )
(
1
1
= f (m) f
f (1) = f m ·
m
m
( )
1
1
1
∴ f
=
=
m
f (m)
m
n
に対して、
m
( )
(n)
1
n
f
= f (n) f
=
m
m
m
有理数
が成り立つ。
c
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(2) 示すべきは、
∀x (∈ R) , ∀y (∈ R) [x 5 y ⇒ f (x) 5 f (y)]
であるから、これを背理法で示す。すなわち、
∃x (∈ R) , ∃y (∈ R) [x 5 y ∧ f (x) > f (y)]
と仮定して矛盾を導く。
x 5 y, f (x) > f (y)
のとき、
f (x) > f (y) ⇔ f (x) − f (y) > 0
⇔ f (y − x) < 0
⇔ f (y − x) < 0
(√
)
√
⇔f
y−x y−x <0
(√
) (√
)
⇔f
y−x f
y−x <0
)2
(√
⇔f y−x <0
√
このような実数 f ( y − x) は存在しない。よって、示せた。
(3) n を任意の自然数とする。実数全体を幅
1
の区間に分割する。このとき、
n
i
i+1
5x<
n
n
となる i ∈ Z が存在する。これより、
( )
(
)
i
i+1
f
6 f (x) < f
n
n
i
i+1
6 f (x) <
n
n
x も f (x) も同じ区間に入るので、
0 5 |f (x) − x| <
1
n
これが、任意の n で成り立つから
f (x) = x
である。
c
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