演習第9回

解析学 I
第9回
(担当:日野)
[9-1] 測度空間 (X, M, µ) は µ(X) < ∞ を満たしているとする.X 上の実数値可積分関数 f に対して,
次式を示せ.
1
n→∞ n
∫
∫
(
)
log 1 + enf (x) µ(dx) =
f+ (x) µ(dx).
lim
X
X
ただし f+ (x) = max{f (x), 0}.
[9-2] F = {A ⊂ N | A または Ac が有限集合 } とする.
(1) F は N 上の有限加法族であることを確認せよ.
(2) A ∈ F に対して
{
0 (A が有限集合のとき)
m(A) =
1 (その他)
と定める.m は (N, F) 上の有限加法的測度であることを示せ.
(3) (N, F, m) から定まる外測度を m∗ とする.N の部分集合 A に対して m∗ (A) を具体的に求
めよ.
(4) m∗ に関して Carathéodory の意味で可測な集合をすべて求めよ.
(5) m は (N, F) 上で完全加法的(講義ノート (5.7) 参照)でないことを確認せよ.
[9-3] X を空でない集合,Γ を X 上の外測度とする.X の部分集合列 {An }∞
と {B }∞ が,
(∞
) n=1( ∞ n )n=1
∪
∪
Γ(An △Bn ) = 0 (n = 1, 2, . . .) を満たすとする*1 .このとき Γ
An = Γ
Bn である
n=1
n=1
ことを示せ.
定義 測度空間 (X, M, µ) が σ 有限であるとは,可測集合列 {Xn }∞
n=1 で以下の条件を満たすものが存在
することをいう.
条件:すべての n に対して µ(Xn ) < ∞ であり,さらに X =
∞
∪
Xn .
n=1
[9-4] σ 有限測度空間 (X, M, µ) 上の実数値可測関数 f に対して,µ({f = a}) > 0 を満たす実数 a は
高々可算個であることを示せ.
以上
*1
An △Bn は対称差 (An \ Bn ) ∪ (Bn \ An ) を表す.
1