§3. コンパクトの概念

応用解析学2・第 3 回 (2016 年 10 月 8 日)
§3. コンパクトの概念
最大なものを取ったり、和を取るなどの操作は有限個の数に対してはいつでも可能であるが、
無限個の場合には難しい。しかし、無限個の対象を扱わなければならない状況でも、有限個に
対する議論に帰着させることができる集合に対しては、有限個の対象に対する上述のような操
作が可能になる。このような性質を持つ集合がコンパクトである。ここでは、コンパクトの概
念を導入し、ユークリッド空間の部分集合がコンパクトであるための必要十分条件を導く。
● 3 - 1 : ボルツァノ-ワイエルストラス (Bolzano-Weierstrass) の定理
Rm 内の有界な閉集合は点列によって特徴づけられる。ここでは応用解析学1において示さ
れたこの事実を復習しよう。
A ⊂ Rm が有界 (bounded) であるとは、A ⊂ U (0; K) を満たす K > 0 が存在するときをい
う。これは
∃ K > 0 s.t. ∀ x ∈ A, ∥x∥ < K
と書き換えることができる。
A が有界であっても、その中の点列 {xn }∞
n=1 がいつも収束するとは限らない。しかし、そ
の点列の中から適当に、順番を変えずに項を取り出して点列 {xk(n) }∞
n=1 を作ると–このような
m のある点に収束することがわかる。
点列は {xn }∞
n=1 の部分列 (subsequence) と呼ばれる– R
さらに、A が Rm の閉集合であれば、その極限は A 内にあることがわかる。この事実により、
有界な Rm の閉集合、すなわち、Rm の有界閉集合の点列による特徴づけが得られる。
定理 3 - 1 (ボルツァノ-ワイエルストラスの定理)
A ⊂ Rm に対して、次の2つは同値である。
(i) A は Rm の有界閉集合である。
(ii) A 内の任意の点列は A 内のある点に収束する部分列を持つ。
注意:一般に、距離空間の部分集合 A が (ii) の性質を持つとき、点列コンパクトであると呼ば
れる。上の定理は距離空間がユークリッド空間のときには、その中の部分集合が点列コンパク
トであることと有界閉集合であることとは同値であることを主張している。
● 3 - 2 : コンパクトとは
ここでは、Rm の有界閉集合のもう 1 つの有用な特徴づけである、コンパクトの概念を説明
する。正確な定義を与えるために、まず最初に開被覆の概念を導入しよう。
A を Rm の部分集合とする。Rm の開集合族 {Uλ }λ∈Λ が A の Rm における開被覆 (open
∪
Uλ が成り立つときをいう。この状況を「{Uλ }λ∈Λ
covering of A in Rm ) であるとは、A ⊂
λ∈Λ
は A を覆う (あるいは、被覆する)」のように表現したり、「A は {Uλ }λ∈Λ によって覆われる
(あるいは、被覆される)」のように表現する。Λ が有限集合であるとき、A の開被覆 {Uλ }λ∈Λ
は有限被覆 (finite cover) であるという。
U = {Uλ }λ∈Λ を A の Rm における開被覆とする。Λ0 ⊂ Λ に対して {Uλ }λ∈Λ0 が A の開被
覆になっているとき、Rm の開集合族 {Uλ }λ∈Λ0 を U の部分被覆と呼ぶ。
– 17 –
応用解析学2・第 3 回 (2016 年 10 月 8 日)
例 3 - 2 A を Rm の部分集合とする。
(1) Oε = {U (a; ε)}a∈A は A の Rm における開被覆である。この開被覆を A の ε-網と呼ぶ。
(2) {Rm } は A の有限開被覆である。
定義 3 - 3
A ⊂ Rm とする。A がコンパクト (compact) であるとは、A の任意の開被覆 {Uλ }λ∈Λ に対
し、有限な部分被覆が存在するときをいう。すなわち、次が成り立つときをいう:
(3 - 2 a)
∀ {Uλ }λ∈Λ :A の Rm における開被覆, ∃ λ1 , . . . , λk ∈ Λ s.t. A ⊂
k
∪
U λi .
i=1
有限個の点からなる Rm の部分集合はコンパクトである。特に、空集合 ∅ はコンパクトで
ある。このことから、コンパクトは有限集合の拡張概念であると言える。
● 3 - 3 : コンパクトによる有界閉集合の特徴づけ
Rm の部分集合がコンパクトか否かを定義から調べることは容易でないが、次の定理により、
有界閉集合か否かを調べればよいことがわかる。
定理 3 - 4 (ハイネ-ボレル (Heine-Borel) の被覆定理)
A ⊂ Rm に対して、
A はコンパクトである ⇐⇒ A は Rm の有界閉集合である。
注意. 上の定理から、結局はコンパクトであることと有界閉集合であることとは同値になって
しまうので、わざわざコンパクトという概念を導入することに疑問を持たれるかもしれない。
重要なことは、コンパクトという概念が距離を使わずに開集合のみに基づいて定義されている
ことである。このことにより有界閉集合をより高く広い観点から捉えられるようになる。実際、
コンパクトという概念を位相空間上で考えることで、その真の意味と有用性が理解できるよう
になる。なお、一般の距離空間に対してはハイネ-ボレルの被覆定理と同等の結果は成り立たな
いことに留意されたい。
定理の証明は後に廻し、定理から直ちに導かれる例を列挙する。
例 3 - 5 Rm − {0} は有界でないからコンパクトでない。一方、
(1) n 次元直方体 [a1 , b1 ] × · · · × [an , bn ]
(2) n 次元球面 Sn = { (x1 , · · · , xn , xn+1 ) ∈ Rn+1 | x21 + · · · + x2n + x2n+1 = 1 }
n個
z
}|
{
1
n
(3) n 次元トーラス T := S × · · · × S1
は順に、ユークリッド空間 Rn , Rn+1 , R2n のコンパクトな部分集合である。
(証明)
(2) のみ示し、あとは演習問題として残す。Sn ⊂ U (0; 2) であるから Sn は有界である。ま
た、例 2 - 10 により、Sn は Rn+1 の閉集合である。よって、ハイネ-ボレルの被覆定理より、Sn
□
はコンパクトである。
– 18 –
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演習 3 - 1 Dm = { (x1 , . . . , xm ) ∈ Rm | x21 + · · · + x2m ≤ 1 } はコンパクトであることを示せ。
● 3 - 4 : 定理 3 - 4 の証明
ボルツァノ-ワイエルストラスの定理により、コンパクトであることと点列コンパクトである
こと (定理 3 - 1(ii) の条件が満たされること) とが同値であることを示せばよい。いくつかの段
階に分けて証明する。
補題 3 - 6
A ⊂ Rm がコンパクトならば、A は Rm の有界閉集合である。
(証明)
A が有界であることはすぐにわかるので、A が Rm の閉集合であることを示す。p ∈ Rm
を A の触点とする。p ̸∈ A であると仮定すると、任意の a ∈ A に対して a ̸= p であるから
δa :=
∥a−p∥
2
> 0 となる。よって、A の Rm における開被覆 {U (a; δa )}a∈A が得られる。A は
コンパクトであるから、
∃ a1 , . . . , ak ∈ A s.t. A ⊂
k
∪
U (ai ; δai )
i=1
となる。このとき、δ := min{δa1 , . . . , δak } とおき、p の δ-近傍 U (p; δ) を考えると、任意の i
に対して δai の取り方より、
U (p; δ) ∩ U (ai ; δai ) ⊂ U (p; δai ) ∩ U (ai ; δai ) = ∅
であるから、U (p; δ) ∩ A = ∅ となる。これは p ∈ A であることに反する。こうして、p ∈ A
であることがわかり、A は Rm の閉集合であることが示された。
□
命題 3 - 7
A ⊂ Rm は点列コンパクトである (すなわち、定理 3-1 における (ii) を満たす) とし、{Uλ }λ∈Λ
を A の任意の開被覆とする。このとき、次の条件を満たす ε > 0 が存在する:
∀ a ∈ A, ∃ λ ∈ Λ s.t. U (a; ε) ⊂ Uλ .
ε を開被覆 {Uλ }λ∈Λ のルベーグ数と呼ぶ。
(証明)
背理法で示す。定理のような ε が存在しないと仮定すると、
∀ ε > 0, ∃ a ∈ A s.t. ∀ λ ∈ Λ, U (a; ε) ̸⊂ Uλ
が成り立つ。各自然数 n に対して ε =
それを an とおく。A 内の点列
1
n
{an }∞
n=1
として上記の条件を満たす a ∈ A が存在するので、
が得られる。A の点列コンパクト性により、{an }∞
n=1
の部分列 {ak(n) }∞
n=1 であって、ある点 a ∈ A に収束するものが存在する。{Uλ }λ∈Λ は A の
開被覆であるから、a ∈ Uλ となる λ ∈ Λ が存在する。Uλ は Rm の開集合であるから、
∃ ε > 0 s.t. U (a; ε) ⊂ Uλ
となる。{ak(n) }∞
n=1 は a に収束するから、
∃ N ∈ N s.t. n > N ⇒ ∥ak(n) − a∥ <
– 19 –
ε
2
応用解析学2・第 3 回 (2016 年 10 月 8 日)
が成り立つ。n ∈ N を n > N かつ
1
U (ak(n) ; k(n)
)
1
k(n)
<
ε
2
となるようにとる。このとき、任意の x ∈
に対して
∥x − a∥ ≤ ∥x − ak(n) ∥ + ∥ak(n) − a∥ <
1
ε
+ <ε
k(n) 2
1
1
) ⊂ U (a; ε) ⊂ Uλ となる。これは U (ak(n) ; k(n)
) ̸⊂ Uλ
となることがわかる。よって、U (ak(n) ; k(n)
であることに矛盾する。よって、背理法により、定理のような ε が存在する。
□
命題 3 - 8
A ⊂ Rm は点列コンパクトであるとする。このとき、A は全有界である、すなわち、
∀ ε > 0, ∃ a1 , . . . , ak ∈ A s.t. A ⊂
k
∪
U (ai ; ε).
i=1
(証明)
ε > 0 を任意にとる。各点 a ∈ A において a の ε-近傍 U (a; ε) をとり、これらを集めた部
分集合族 O = { U (a; ε) | a ∈ A } を考える。この中のどのような有限個を選んでも、それら
の和集合は A を覆わないと仮定する。
まず、1 点 a1 を勝ってに選ぶ。A − U (a1 ; ε) ̸= ∅ であるから、a2 ∈ A − U (a1 ; ε) を 1 つと
る。A − U (a1 ; ε) ∪ U (a2 ; ε) ̸= ∅ であるから、a3 ∈ A − U (a1 ; ε) ∪ U (a2 ; ε) を 1 つとる。以
n−1
∪
下同様にして、an ∈ A を an ̸∈
U (ai ; ε) となるようにとる。このようにして A 内の点列
i=1
{an }∞
n=1 が得られる。点列の作り方から、
m < n ならば ∥am − an ∥ ≥ ε
(3 - 4 a)
∞
となる。一方、A は点列コンパクトであるから、{an }∞
n=1 の部分列 {ak(n) }n=1 であって、あ
る a ∈ A に収束するものが存在する。すると、
∃ N ∈ N s.t. n > N ⇒ ∥ak(n) − a∥ <
ε
2
が成り立つ。特に、
ε ε
+ =ε
2 2
となる。これは (3 - 4 a) に矛盾する。こうして、O の中から適当に有限個選ぶと、それらの和
∥ak(N +1) − ak(N +2) ∥ ≤ ∥ak(N +1) − a∥ + ∥a − ak(N +2) ∥ <
□
集合は A を覆うことが示された。
(定理 3 - 4 の証明)
「=⇒」は補題 3- 6 で示されているので「⇐=」を示す。
{Uλ }λ∈Λ を A の Rm における開被覆とする。命題 3- 7 より、開被覆 {Uλ }λ∈Λ のルベーグ
数 ε > 0 をとることができる。このとき、命題 3- 8 より、
∃ a1 , . . . , ak ∈ A s.t. A ⊂
k
∪
U (ai ; ε)
i=1
が成り立つ。各 i = 1, . . . , k に対して U (ai ; ε) ⊂ Uλi となる λi ∈ Λ を取れば、
A⊂
k
∪
U (ai ; ε) ⊂
i=1
k
∪
U λi
i=1
が成り立つ。故に、A はコンパクトである。
– 20 –
□
No.3
コンパクトの概念
応用解析学2演習問題
2016 年 10 月 8 日
有界、部分列、有界閉集合、ボルツァノ-ワイエルストラスの定理
点列コンパクト、開被覆、有限被覆、部分被覆、コンパクト
ハイネ-ボレルの被覆定理、開被覆のルベーグ数、全有界
演習問題 3.
A = { (x, y, z) ∈ R3 | |x| + |y| + |z| ≤ 1 } はコンパクトであることを示せ。
応用解析学2 [第 3 回]・関連図作成シート
の関連図
2016 年 10 月 8 日
学籍番号
氏 名
応用解析学2通信
[No.3]
2016 年 10 月 8 日発行
■ 演習問題 1 について
図は正解の答案が多かったですが、理由が正しく書かれているものはありませんでした。
IntA は U ((2, 0); 1) = { (x, y) ∈ R2 | (x − 2)2 + y 2 < 1 } になります。これを示すには、
Int A ⊂ A なので、A の点 a の中で、ε > 0 を十分小さくとると U (a; ε) ⊂ A となるものをす
べて探します。問題は a ∈ U ((2, 0); 1) のときの ε の取り方です。この場合 ε = 1 − ∥a − (2, 0)∥
(またはこれよりも小さく) にとる必要があります。一方、A は A に B := { (x, y) ∈ R2 | (x −
2)2 + y 2 = 1 } を付け加えたものになります。これを示すには、A ⊂ A なので、A 以外の
点で閉包に属する点をすべて求めます。p ∈ R2 が B に属していれば任意の ε > 0 に対して
∅ ̸= U (p; ε) ∩ U ((2, 0); 1) ⊂ U (p; ε) ∩ A なので、A に属します。問題は、p が A ∪ B に属さ
ないとき A に属さないことを示すことです。このことに触れていない答案が殆どでした。
■ 第1回関連図作成シートにおける項目の関連づけで特に押さえておくべきこと
次の関連づけは押さえておいて欲しかったのですが、関連づけていないシートが多かったです。
⃝の ε-近傍の定義への関連づけ (点列の収
•⃝
2 のノルムの定義から⃝
7 の点列の収束の定義と13
束の定義と ε-近傍の定義のいずれもユークリッド空間のノルムを用いて定義されている)。
⃝と、内部と閉包とが補集合の関係に
• 開集合と閉集合とが補集合の関係にあることを示す12
⃝との関連づけ (後者の結果を用いて前者の結果が示される)。
あることを示す19
■ 第1回学習内容チェックシートについて
Q2 の閉集合の定義が書けていないシートが多かったです。閉集合の定義は開集合の定義と
同じ要領で書くことはできません。閉集合を定義するには「触点」の概念が必要になるからで
す。但し、「触点」という言葉を持ち出さずに、
「任意の ε > 0 に対して U (p; ε) ∩ C ̸= ∅」を満たすすべての p ∈ Rn に対して p ∈ C
となる Rn の部分集合 C を閉集合と呼ぶ、というように書くことはできます。
■ 第1回学習内容のまとめを書くためのヒント
第1回のまとめを書くためのヒントを提供しますので、これを参考に修正してください。
• 最初に、開集合と閉集合を第1回で扱った動機として、それらの概念が多変数の微積分学
を理解するために必要不可欠な概念であることを述べる。
• 次に、
「ここで、ユークリッド空間 Rn における開集合とは」とつないで、開集合について
のイメージ、定義、例などを説明する。閉集合についても同様に説明する。開集合と閉集
合のイメージを説明してからそれぞれの厳密な定義と例を述べてもよい。
• 次に改行して、内部と閉包について説明する。その際、問答形式に陥らないように表現を
工夫する。例えば、
「Rn の部分集合は一般に開集合でも閉集合でもないが、どんな部分集
合 A ⊂ Rn に対しても · · · · · · 」などと書き出すと、前段とのつながりがスムーズになる。
• 最後に、内部と閉包との間に成り立つ関係を述べて、その事実から「開集合と閉集合とが
互いに補集合の関係にある」という結果が導かれることを述べる。
応用解析学2・第 3 回学習内容チェックとまとめシート
学籍番号
2016 年 10 月 8 日
氏 名
[テーマ]
[学習内容のチェック]
Q1.
個の対象を扱わなければならない状況でも、
個に対する議論に帰着させ
ることができる集合に対しては、有限個の対象に対する (最大なものを取ったり、和を取るなど
の) 操作が可能になる。この性質を持つ集合はコンパクトという概念で捉えることができる。
(1) Rn の開集合族 {Uλ }λ∈Λ が A ⊂ Rn の開被覆であるとは、A ⊂
つときをいう。この状況を「A は
が成り立
」などと表現する。Λ が
有限集合であるとき、A の開被覆 {Uλ }λ∈Λ を
と呼ぶ。
(2) A ⊂ Rn がコンパクトであるとは、次が成り立つときをいう:
∀ {Uλ }λ∈Λ :
,
s.t.
これをしばしば「どのような
.
に対しても、その中から
個を取り出して、依然として A を
しているようにできる」のように読む。
Q2. Rn 内の部分集合 D がコンパクトであることは D が
であることと
同値であり、この事実はハイネ-ボレルの被覆定理と呼ばれている。この定理を使うと、n 次元
球面 Sn がコンパクトであることを簡単に示すことができる。実際、Sn ⊂
立つから、Sn は
が成り
である。また、連続写像 f : Rn+1 −→ R を
を用いて、Sn = f −1 (C) のように表わすことがで
によって定めると、R の閉集合 C =
は閉集合であるから、Sn は
きる。連続写像による閉集合の
であることがわかる。これで、Sn
は
の
の
であることが示された
から、ハイネ-ボレルの被覆定理により、コンパクトである。
[学習内容のまとめ] 次の事項を守り、第 3 回の学習内容を下の破線より下に文章で書きなさい。
コンパクトの概念、定義、意味を説明する。
ハイネ-ボレルの被覆定理を述べて、その適用例を挙げる。
論理記号 ∀, ∃, ⇒, ⇔, ∨, ∧ を使用しない (集合の記号 { , }, ∈, ⊂ や写像の記法は使用可)。
「(記号):(その説明)」のような略式的表現法を避ける。
「したがって」
「一方」
「例えば」など、適宜適切なつなぎの言葉を入れる (但し、
「また」を濫用しない)。
定義や定理などの列挙に終始したり、事実の箇条書きにならないようにする。
応用解析学2 [第 3 回]・関連図作成シートに含めるべき項目
⃝
1
2
⃝
A⊂R
m
A⊂R
{Uλ }λ∈Λ :Rm の開集合族とする。
{Uλ }λ∈Λ が A の Rm における開被覆
∪
def
⇐⇒ A ⊂
Uλ
m
が有界
def
⇐⇒ ∃ K > 0 s.t. A ⊂ U (0; K)
λ∈Λ
⃝
3
A ⊂ Rm に対して、
A は Rm の有界閉集合
⇐⇒ A 内の任意の点列は A 内のある点に収束する部分列を持つ
⃝
4
A ⊂ R が点列コンパクト
n
def
⇐⇒ A 内の任意の点列は A 内のある点に収束する部分列を持つ
⃝
5
6
⃝
A の開被覆 {Uλ }λ∈Λ が A の有限被覆
def
⇐⇒ Λ が有限集合
U = {Uλ }λ∈Λ :A の Rm における開被覆
Λ0 ⊂ Λ とする。
{Uλ }λ∈Λ0 が U の部分被覆
def
⇐⇒ {Uλ }λ∈Λ0 が A の開被覆
⃝
7
A ⊂ R とする。
A がコンパクト
m
def
⇐⇒ ∀ {Uλ }λ∈Λ :A の Rm における開被覆, ∃ λ1 , . . . , λk ∈ Λ s.t. A ⊂
k
∪
Uλi
i=1
⃝
8
A ⊂ Rm に対して、
A はコンパクト ⇐⇒ A は Rm の有界閉集合
n 次元直方体、n 次元球面 Sn はコンパク
トだが、Rm − {0} はコンパクトでない
⃝
10
⃝
11
A⊂R
m
A ⊂ R :点列コンパクト
=⇒ A:全有界
m
が全有界
def
⇐⇒ ∀ ε > 0, ∃ a1 , . . . , ak ∈ A s.t. A ⊂
k
∪
U (ai ; ε)
i=1
⃝
12
A ⊂ Rm :(点列) コンパクト
=⇒ ∀ {Uλ }λ∈Λ :A の開被覆に対して、次の条件を満たす ε > 0 が存在:
∀ a ∈ A, ∃ λ ∈ Λ s.t. U (a; ε) ⊂ Uλ .
ε を開被覆 {Uλ }λ∈Λ のルベーグ数と呼ぶ。
9
⃝