1. 任意の正の数 ε に対して、条件「|x − r|

集合と位相1・読み書きワークシート 1
論理記号で書かれた命題の文章化1
学籍番号
2016 年
月
日
(1・2・3・4・5)
氏 名
以下の文章をよく読み、解答しなさい。各解答は枠内に直接書き込みなさい。
[実数における有理数の稠密性]
任意の実数 x に対して次が成立する:
(∗)
∀ ε > 0, ∃ r ∈ Q s.t. |x − r| < ε.
上記の命題は実数における有理数の稠密性と呼ばれ、どんな実数についても、そのいくらで
も近くに有理数が存在するということを主張する定理である。
(∗) の読み方、意味の取り方、文章化の仕方を説明しよう。「∀ ∼」は「任意の∼に対して」
と訳され、
「∃ ⃝⃝⃝」は「⃝⃝⃝が存在する」と訳される。ε については単に ε > 0 としか書
かれていないが、文脈から実数であると判断される。これらを踏まえて、(∗) を読むときには、
左から順に次のように読む。
[読み]
任意の正の数イプシロンに対して、ある有理数アールが存在して、エックス・マイナス・
アールの絶対値はイプシロンより小さい。
これでは意味が取りにくいので、文章化するときには次のように表現する。
[書き]
任意の正の数 ε に対して、条件「|x − r| < ε」を満たす有理数 r が存在する。
上の表現において、読点の位置が大切である。「対して」の後ろにある読点を省略したり、
「|x − r| < ε である」の後ろに読点を打ったりすると、二重の意味を持ったり、違った内容の命
題になってしまう。一括りとして読むべき箇所を鍵括弧で括ったり、読点をはっきりと打つな
ど注意深く書く必要がある。
なお、内容をきちんと押さえた上であれば、どんな正の数 ε に対しても、うまく有理数 r を
取ると、|x − r| < ε を満たすようにできる、のように少し崩して読み書きしても構わない。
[課題1] 以下の薄いグレーで書かれている文章を小さな声で読みながら、鉛筆またはシャープ
ペンでなぞりなさい (一字一句、丁寧になぞること)。
1. 任意の正の数 ε に対して、条件「|x − r| < ε」を満たす有理数 r が存
在する。
2. 任意の正の数 ε に対して、条件「|x − r| < ε」を満たす有理数 r が存
在する。
(裏面に続く)
3. 任意の正の数 ε に対して、条件「|x − r| < ε」を満たす有理数 r が存
在する。
4. 任意の正の数 ε に対して、条件「|x − r| < ε」を満たす有理数 r が存
在する。
[課題2] [書き] に書かれている文章を丁寧な文字で下記解答欄に4回繰り返して書き、さらに、
それを4回読みなさい。
1.
2.
3.
4.
[課題3] x を実数とします。次の論理式 (∗) で書かれた命題を、∀, ∃, ⇒ などを使わずに、文
章で書きなさい (解答は下の枠内に書くこと)。
(∗)
∀ ε > 0, ∃ r ∈ Q s.t. |x − r| < ε.
[課題4] 実数における有理数の稠密性とはどんな内容の定理ですか。∀, ∃, ⇒ などを使わずに、
下の解答欄に文章で書きなさい。