食品衛生学実験

Minami Kyushu University Syllabus
シラバス年度
科目名称[英語名称]
科目コード
2015
開講キャンパス
宮崎キャンパス
開設学科
管理栄養学科
配当学年
1年次
食品衛生学実験 [Food Hygiene, Laboratory Course]
302500
単位数
1
山口 由紀子
教員氏名
授業概要
授業計画
授業の到達目標
食品を衛生的に取り扱うことは、食による健康被害を防ぎ、高品質の食を提供をすることにつなが
る。食品が原因の健康被害は、食中毒(微生物、化学物質)や異物等、多岐にわたる。しかしその原因
を知ることにより未然に防ぐことができる。この講義では、実験を通して微生物の形態や性質を知り、
汚染の実態を発見し、それらの危害防止策を知ることにつなげる。また、将来従事する現場で、事故を
未然に防ぐために必要な調理従事者教育や、調理環境衛生の知識と技術を身につける。
第 1回 実験を始めるに当たって オリエンテーション
機械の使い方、注意事項、実習の目的
第 2回 手洗い1:手指の洗浄
フードモデルや手指についているジェルがどのようなところに広がるか確認する。日常の
手洗いを行い、的確な手洗いができるか練習する。
第 3回 手洗い2:手洗いの手技
手洗いを手技別に行い洗浄効果がより高いのは、どういった方法か各班ごとに、手技の違
い、なぜ効果に差が出るのか発表をする。
第 4回 グラム染色
目に見えない細菌をグラム染色し、顕鏡・デッサンすることで、菌の形態の違いを理解する。
第 5回 腐敗
あらかじめ用意した腐敗検体(肉、魚、野菜)を五感を使い観察する。菌培養のため検体を
作成し、培地に植え込む。
第 6回 腐敗と細菌
菌を培養した培地の観察をし生菌数をカウントする。釣菌し、グラム染色をする。
食材の違いと細菌の関係を考察する。
第 7回 でんぷん、油脂の酸化、過酸化物価
ヨウ素でんぷん反応を理解し、適切に洗浄できる。
油脂の変敗のしくみを知り、適切な保管、利用と処理をする。
第 8回 スポンジの細菌
自宅等から持参したスポンジをカットし、洗浄消毒の違いにより細菌汚染が異なるかを確認
するために細菌培養をする。また、スポンジの構造にも着目する。
第 9回 スポンジの細菌判定、落下細菌採取
スポンジの細菌検査、殺菌剤入り台所用洗剤、煮沸、塩素消毒の効果を知る。落下細菌の
検体採取を行う。
第10回 落下細菌確認
室内の条件により落下細菌数が変化すること、細菌、カビは室内の洗浄度により変化する
ことを知る。
第11回 ATP測定
細菌の栄養素となる汚れが設備内にどの程度あるかを知り、細菌増殖の条件を考える。
第12回 残留農薬検査
残留農薬検査は、どのように行われているかビデオをみて理解する。
実際に発表されているデーターから、どのようなことがわかるかグループで発表する。
第13回 DPD測定 野菜の洗浄と適切な殺菌
水道の日常管理、DPDの原理を知る。
消毒層に作った塩素の濃度から野菜の洗浄と殺菌の関係を知る。
第14回 照度測定 食品異物
調理室、喫食室の照度基準を知り、食品モデルから食品異物除去を行い、混入防止の知識を
得る。
第15回 まとめ
衛生管理を適切な手法により行うことで、食の安全安心が確保できることを理解したかを確認
する。
食品衛生を科学的に検証し考察する事で、実務に応用できる衛生管理手法を身に付ける。
評価方法
説明や注意を真剣に聴き、実験に真摯な態度で取り組んでいるか。
出欠、遅刻を相対的に評価する。
第2回から毎時間、実験開始前に、前回実験の内容に基づいたミニチェックを行う。
毎回の実験のレポートが、実験の目的、方法、経過、結果、考察とつながりのある内容で期限までに提
出されていること。
以上の事柄を基準に評価を行う。
テキスト
第1回 オリエンテーションで指示する。
参考書
備考
食品衛生学教科書
実験時は、汚れても良い難燃性の衣服を身につけ、白衣を着用すること。
2B鉛筆と色鉛筆(12色で可)を準備すること。