日本語を遣う

日本語を遣う
校 長 峯 岸 洋 行
「ありがとう」という言葉は、日本人だったら、美しい言葉として好んで遣う人が多
いのではないでしょうか。私も大好きな日本語の1つです。
さて、日本語には、美しい言葉がたくさんあります。また、感情や情景を言葉でうま
く表したりします。
英語で「I(あい)」を日本語に直すとなんというでしょうか。実は、「わたし」を始
め、たくさんの言い方をします。男の人なら「ぼく、おれ、」、女の人なら、「あたし、
あたくし」などを使うこともあるでしょう。また、地方の言葉や昔の身分の高い人を入
れると、「わし、それがし、しょうせい、おい、おいどん、おら、あちき、わらわ、わ
がはい、よ、ちん、せっしゃ・・・」の言い方もあります。身分や立場、状況によって
いろんな言い方があり、その人となりがわかります。
また、季節の移り変わりなど情緒あふれるものに感じ取ることに優れた日本人は、同
じものでも様々な言い方をします。例えば、「雨」です。
・雨あがり:雨がやんだあとのこと。雨あがりはしっとりと静まり返った感じです。
・雨だれ :ポタリ、ポタリ間隔よく落ちる雨の様。
・通り雨 :ひとしきり降って、すぐ晴れる雨。
・夕立
:夏の午後から夕方にかけ、にわかに降り出すどしゃぶり雨。
というように、時間の流れを感じさせてくれたり、情景が思い浮かぶことができます。
そして、礼を大事にする日本人は、尊敬語(相手を敬う場合に用いる言葉)や謙譲語
(自分をへるくだることにより、相手に敬意を表す言葉)丁寧語もつかい分けています。
・言う:おっしゃる(尊敬語)、お目にかかる(謙譲語)、言います(丁寧語)
・行く:おいでになる(尊敬語)、うかがう(謙譲語)、行きます(丁寧語)
・来る:いらっしゃる(尊敬語)、まいります(謙譲語)、来ます(丁寧語)
豊かな自然を感じ取り、相手とのふれあいを大事にしてきた日本人は、豊かな感情表現
として、今も日常会話の中で、これらの表現を遣っています。
このように、言葉は大事に遣ってもらいたいと思います。本を読むのに丁度よい季節
です。言葉遣いに気を配って話すことはもとより、たくさん本に親しみ、言葉の面白さ
や、美しさを数多く知ってほしいと思います。
司書の話に聞き入る子どもたち
本の返却をする子どもたち