平河佑佳子

Hallo Deutschland 2013 に参加して
慶應義塾大学法学部政治学科 2 年
平河佑佳子
単刀直入に言って、本プログラムに参加したこと
は私の人生を大きく変えました。言いすぎだろうと
感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、今
回は特に「出会い」と「訪問」の二点に絞って振り
返ってみたいと思います。
まずは人生を変えた「出会い」です。今回の参加
者は中国・韓国・モンゴル・香港・日本という多様
なバックグラウンドを持つ学生で、価値観も違えば
思考のプロセスも違う、という環境の中での 1 週
間。はじめは戸惑いもあってなかなか自分の気持ち
が相手に伝わらずやきもきしましたが、「違い」を
正しく理解し「個性」と捉え直すという国際交流の原点に立ち返ったことで、その違いがむし
ろ楽しさに変わりました。これは今後海外の人々と交流する際の教訓となったのはもちろんの
こと、国籍にかかわらず「人とのコミュニケーション」においていつも活用できることだと考
えています。
そして3都市の文学にまつわる場所を訪ねることができたのも忘れてはならない点として挙
げることができます。聞けば前年はゲッティンゲンでの滞在にとどまっていたとのこと。しか
し今回ゲッティンゲンに加え、ワイマール、ベルリンにおいてもスタディートリップを決行し
たことは、コンテストで扱った授業テーマである「ドイツ―文学の国」と「ドイツ―スポーツ
の国」という二つのテーマにおける学びを完結させるために非常に重要であり、欠かせない要
素であったと考えています。百聞は一見にしかずという言葉の通り、ひとつでも多くのものを
実際に目にすることで理解は深まり、授業プランをよりよいものに変えるアイディアも次々と
浮かんできたことは参加しなければ得られなかったことでしょう。
では出会いや訪問を通してどう人生が変わったのでしょうか。それは「将来の自分について
考える」という機会を与えていただいたことと大きく関わりがあります。このプログラムを通
して出会ったアジアの仲間たちは自分の夢をはっきりと抱いていました。そしてその夢の実現
のために確かな道を歩いています。私にとってはこの気付きが最も衝撃的でした。夢がないの
は現代の日本の若者に対する共通認識であり、なんとなく大学に通う学生も決して少なくない
中、他のアジアの国の学生たちも同じような道をたどっているのだと考えていましたが、決し
てそうではありませんでした。このことは間違いなく自分の将来を決める上で役に立つことと
思います。
このコンテストにそもそも参加するかどうか、ドイツ語力が不安要素として残って何度も考
えなおしましたが、勇気を出して参加を決意したことは間違いではありませんでした。語学力
がなければもちろんこうして会話することもできませんが、それ以前に重要なことは一歩踏み
出す勇気です。それがあれば自分の周囲には最強とも言える先生方や先輩方が手を差し伸べて
待っていてくれます。迷っている後輩がいたら飛び込んでみろ!!と伝えたいと思っていま
す。
最後になりますが、この機会を下さったゲーテ・インスティトゥートの皆さん、特にここまで
ずっとお世話になった丸山さん、そしてサポートし続けてくださった三瓶愼一先生、ミヒャエ
ル・シャールト先生、また先輩方には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうござい
ました。