身体の文法・基本・四原則 1. 重力は、人の活動にとって、それを支える最も身近な親しい友人である。 2. 呼吸は吸うと吐くの繰返しであり、その過程に止息(吸いきった状態)と間息(吐ききって吸う 直前の間(マ))がある。 この呼吸の構造を実感しつつ、自らの動作や営みを支えてゆくことが大切になる。 3.〈気〉とは宇宙森羅の生成展開を支えるエネルギーとされる(東洋の医術や芸術では)。 これは生体エネルギー、心身統合の働き、あるいはインドでいうプラーナにも近い。人の心身活動 や健康においても、この〈気〉を巡らせることが大切とされる。 4. 人間の活動には必ず〈出会い〉が欠かせない。 〈出会い〉の本質は直接的であり直線的であり、 〈出会い〉の展開はゆらぎをもち曲線的である。 以上、ここに別々に述べた四つの法則は、実は互いに密に呼応し合っていて、一体のように作用し ている。(たとえば呼吸によって〈気〉を巡らせるのが気功やヨガである。) 四つの原則とも共通するのは流動や巡りであり、円転であり螺旋である。この四つを体感し、体現 するのが「うづたま」のエクササイズである。 「うづたま」のエクササイズ 両手各々に、あるいは両手で一つ、玉をもって(玉のサイズに大・中・小あり)螺旋状や8の字 状、メビウスの環状、また円転状に動かしつつ舞い、移動する。 それを様々に変化させていく。すると、半ば自ずと全身の筋肉や関節が柔軟に反応し、〈気〉が隅々 にまで巡り出すようになる。 この「うづたま」の動作は、先の四つの文法が心身の活動を支えていることを一挙に実感させるだ ろう。 ∞気流法・「うづたま」のエクササイズの目指すもの ①自らの身体を媒介として、自らの生命力の機微(たとえばリラックスと集中のリズムの取り方な ど)を活々と感じとり、体現してゆく。 ②日常生活の中の様々な行為 ― 歩く、立つ、声を出す、見る、聴くなどの営み ― を新たにとらえ なおす。 ③スポーツ、ダンス、発声法(音楽や演劇など)、武道、諸芸術、瞑想、人との交流、出会いなどの 様々なアートの程度を深め高めてゆく。 ④身体技法は、単に身体能力の増進を目的としない。身体・言語・想像力が互いに深く関わり合いつ つ、展開することに目覚める。 2014.12.22 坪井香譲記
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