50.なぜ目が行き届かないか

エッセー 新・ごみに優しく(50)
なぜ目が行き届かないか
小林 康彦
一般財団法人 日本環境衛生センター 前 会長
◇廃棄物でも使える技術―ドローン
ドローンと称される小型無人機は、廃棄物の分野でも使える技術である。
災害時に、道路や河川が被害を受け、あるいは積雪が多く、現地がどういう状況になっ
ているかわからない時の状況把握には、すでに使われ始めている。人が近づけない状況
下では、ヘリコプターでの調査に比較して、詳細な情報を短い準備期間で簡単に入手で
きるのは、対応を講じるにあたりきわめて有用な手段である。火災を伴う事故でも、地
上からの観察には限りがありドローンが役立ちそうである。
最終処分場のように、普通の車では、自由に走り回れない施設の監視には、上方から
のカメラによる情報は、有用な情報である。
また、物資の運搬手段としての活用も試みられている。
◇官邸屋上でドローン発見
今回の首相官邸屋上でのドローンの発見は
だれが、いつ、何のために
で捜査が懸命に行われていると報じられている。
◇1 月間誰も見ていなかった
事件の解明にあわせて、気になるのは、新人職員を案内していて 4 月 22 日たまたま
見つけたが、それ以前、3 月 22 日から、1 か月間、屋上に上がった人はいなかったとい
う人の目の空白期間があることである。
官邸周辺の建物は、窓から狙撃することを想定して、チェックされていたと聞かされ
ていたが、目は上空には向いていなかったようである。
ドローンについては、航空法での規制があるだけで、通常の場所では250m未満な
ら自由に飛ばせる状態にあるという。内外で事故やトラブルの発生もあり、事故防止や
安全面での規制について、検討に着手されたばかりという。
新しい技術が登場し、今までの態勢では対応しきれないとき、あらかじめ、想像力を
働かせてリスクの回避に備えることの難しさを露呈した事件である。
一般社団法人廃棄物処理施設技術管理協会メールマガジン
平成 27(’15)年 5 月 第 78 号
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