第2学年 組 国語科学習指導案 指導者 1 単元名 2 単元の目標 古典に親しむ 「漢詩の風景」 (1) 漢詩を読む楽しさを知り,様々な作品を読もうとする。 (国語への関心・意欲・態度) (2) 漢詩に触れ,詩に歌われている情景を想像し,作者の心情をとらえることができる。 (読むこと) (3) 漢詩特有の調子を生かし,表現や文章の特徴に注意して読み味わうことができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項) 3 単元と生徒 (1) 「漢詩」は,その表現技法や起承転結の構成,考え方が日本文学に大きな影響を与えている。2 年生は入門編の時期なので,春の朝の眠りの心地よさを描いた「春暁」,転句によって情景と心情 が対照的に描かれる「絶句」,情景そのものから心情を読み取る「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之く を送る」の3編を扱う。詩は,書き下し文の状態で載っており,現代語訳は筆者の鑑賞文の言葉 から抜き出してまとめる事ができるようになっている。それを踏まえて,漢詩独特のリズムに親 しみ,情景や心情を豊かに想像する学習をさせたいと考えて単元を組んでいる。 (2) (省略) (3) 国語科では,「多様な考えの中で比較し合い思考を深め,伝え合う授業の展開の在り方」を工 夫し,「相手や目的,意図,多様な条件に応じた表現方法で話したり書いたりする場の設定」に よって力をのばしたいと考えている。そして, 「自分の思考の変容が把握できるワークシート」で, 学習の成果を実感させるようにしている。 古典の言葉遣いやリズムに親しませるため,音読を重視して行う。範読とその繰り返し,男女 の交互読み,隣同士のペア読みなど,形態を工夫することで繰り返し読ませたい。また,暗唱す るほど読み込ませることで,体に古典のリズムをしみこませたい。 本時の授業で取り上げる漢詩3編を,次のように段階を踏んで学習させる。「春暁」では解説を もとに詩の内容を味わうとともに漢詩の知識を学習する。「絶句」では対句に着目して作者の気 持ちを考えさせる。そして「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」では,詩から見えているも のに着目し,それにかけた時間を考えることで,見送る李白の気持ちを考えさせたい。「唯だ見 る長江の天際に流るるを」で余韻が残ることから,孟浩然の姿が見えなくなってもずっと見続け たと考えられ,そこから作者の気持ちをより深く考えさせるようにしたい。 4 単元の指導と評価計画 単元名 古典に親しむ「漢詩の風景」 総時数4時間 観点別評価の規準と評価方法 時間 学習内容 関心・意欲・態度 読むこと 伝統的な言語文化と国 語の特質に関する事項 1 2 3 漢詩3編を漢詩特有 ○ 漢詩特有の調 ○ 漢文の知識や独特 の調子を生かして読み 子を生かして読 の表現のしかたにつ 味わい,現代語訳を抜 み味わおうとし いてまとめている。 き出す。 ている。(観察) (観察・発表・ノート) 「春暁」とその解説文 ○ 起承転結の構成を理 ○ 起承転結の話の流 を読み,そこに描かれ 解して,現代詩に書き た情景や心情について 換えている。(観察・発 理解する。 表・ノート) 「絶句」とその解説文 ○ 情景が心情と対照的 ○ 対句とその対応す を読み,そこに描かれ に描かれることによっ るものを見付けてい た情景や心情について て,より心情が際立つ る。 理解する。 ことに気付いている。 (観察・発表・ノート) 4 れがわかる。 「黄鶴楼にて孟浩然の ○ この詩から見えてく 本時 広陵に之くを送る」に るものについて話し合 描かれた情景から心情 うことで,李白の別れ について考える。 を惜しむ心情をより深 く理解することができ る。(観察・発表・ノート) 5 本時の計画 (4/4) (1) ねらい 「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」の詩から見えてくるものについて話し合うことで,別 れを惜しむ作者の心情がよりはっきりすることに気づかせ,それを根拠に説明することができる。 (2) 学習過程 段階 導 入 5 分 学 習 活 動 学習形態 発問・指示 ○教師の指導の手立て 評価規準 1 学習課題を確認する。 この詩から見えてくるものは何だろう。 2 「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に 之くを送る」を音読する。 ○ この後の学習で詩の言葉を常に想起できるよ うに,音読は,範読を含めて一斉・ペアなど形 を変えて繰り返し行う。 展 3 この詩から見えてくるものに 個 この詩から見えてくるものは何だろう。 ついて話し合う。 (言語活動) 開 ペア ○ 詩に使われている言葉を具体的に把握できる ように,地図や写真を提示する。 42 ○「何を表すのか」の説明に妥当性があるかどう 一斉 か判断できるように,地名・人名の言い換えや 分 助詞「の」の使い方を確認したり,大事な言葉 での辞書の活用を促す。 ○ 見ていた時間が思いの深さとリンクすること に気付かせるために,李白が見ていたものとそ れにかけた時間を考えさせる。 ○ 作者が見ているものから,作者の思いが読み 取れることに気づかせたい。 4 李白がどんな気持ちでいたの 個 かを,根拠を添えて説明する。 李白の思いを根拠を添えて詳しく説明しよ う。 別れを惜しむ作者の気持ちを,詩本文から 見えてくるものを根拠に詳しく説明している。 (観察・ノート) ○ 自分の考えの変容がわかり,さらに学習の成 果を一つにまとめられるように, 「漢詩ノート」 を別に用意する。授業の初めで考えていたこと や意見交流の結果は授業ノートにメモし,まと めの文章を書かせるようにする。 終 末 3 分 5 詩を音読する。 一斉 作者の思いが伝わるように読んでみよう。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ (※ フォントなど形式は絶対に変えないこと。文字数・行数は相談してください。 教師の指導の手立ては心して書くこと。 評価計画をもとに,本時の「ねらい」「学習課題」を関連づけ,評価基準は整合させること。 学習形態は「一斉・グループ・ペア」で明記すること。 「発問・指示」は,各学習段階において明記すること。 言語活動については必ず設定すること。 研究会,参観では言語活動を伴う授業を必ず設定する。)
© Copyright 2024 ExpyDoc