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通過率が60%を下回った問題
読むこと
三
次 の 文 章 を 読 んで 、 あ と の問 い に 答 え な さ い 。
本 文 省 略 ( 妹尾 河 童 「 少年 H 」 に よ る 。 )
3 次の
の 中 に は 、こ の文 章 を 読 ん だ 二 人 の生 徒 の
会 話 が 書 か れ て い ま す 。あ と の ⑴ ~ ⑶ の 問 い に 答 え な さ
い。
上田
木下
上田
「 こ の文 章 の 登 場 人物 はH た ち 五 人 の 子 ど もと 、
鈴 木 Ⅰ の 父 親 だ よ ね 。H た ち は 船 を 借 り る
こ と が で き て 、初 め は 喜 び 勇 ん で 沖 に 漕 ぎ 出 し
たんだね。」
「 う ん 。で も 、潮の 流 れが 変 わ っ て い て 、船 が沖
に 流 さ れ 始 め て し ま っ た ん だ 。結 局 、 浜 に も ど
る こ と が で き た け ど 、そ の 間 の H た ち の 気 持 ち
の 変 化 が 文 章 中 に よく 表 れ て いる ね 。 H た ち
は 、出 発 し てし ば ら く 漕 いで いる と 、船 が 反対
の 方 に 流 さ れ て い るこ と に 気 づき 、 ち ょ っ と
【 A 】 に な る よ ね 。 そ の 後 、漕 い で も 漕 い で
も 、 な か な か 浜 辺 に 近 づ け ず 【 B 】を 感 じ て
い た よ ね 。やっ と 船 が 浜 に近 づい て 、オ ヤ ジが
船 を 目 指 し て 海 に 飛 び 込 ん だ 時 、【 C 】 し た
んだよね。」
「 H は 、オ ヤ ジ に 怒 ら れ る と 思 っ て 逃 げ だ し た か
っ た の に 、どう し て 逃 げ なか った の か な 。文章
中 に『 H は 、た し かに そ の 通 りだ と 思 っ た 』と
あ る け ど 、 H は 、 どの よ う に 思っ た の か な 。」
「 そ れは ね 、 『 観 念し て』 と あ る よ う に 、 Hは
Ⅱ
と 思 っ た か ら 逃 げな
か っ た ん だ ろ う ね。で も、意 外に も オ ヤ ジ は み
ん な を 抱 き し め て くれ た ん だ よね 。 」
Ⅱ
には 、 H の 気 持 ち が 入り ま
す 。 あ と の 文 に 続 くよ う に 二 十五 字 以 内 で 書 き な さい 。
木下
⑶
誤答とその要因
誤答
要因
・ 「オヤジに怒られても仕方ない」 ・ 場面の展開や登場人物などの描写に注
について書いているが、Hが「自分
意して読むことができていない。
が悪い」と思ったことには触れてい
ない。
・ 言葉を手掛かりにして行動につながっ
た心情をとらえたり、思考力や想像力を
・ 「その通りだと思った」「みんな
働かせて文章を的確に解釈したりするこ
の言う通りだと思った」などと書い
とができていない。
ており、Hが「自分が悪い」と思っ
たことについては触れていない。
●
《登場人物の心情の把握》
調査問題の解説 1
通過率
誤答率
無答率
50.1%
36.5%
13.4%
問題のねらいと調査結果
設問のねらい
文章の展開に即して登場人物の心情を的確にと
らえることができる。
●
(例)自分が悪いのだから、オヤジに怒られても仕方ない
・ 「自分が悪い」と「オヤジに怒られても仕方ない」の二つの内容を踏ま
えて適切に書いている。
・ 文頭が「Hは」に続き、文末が「と思った」に続く形で書いている。
・ 25字以内
正答
●
問題
●
中学校国語
(3)
指導改善事例
Point
1
《登場人物の心情の把握》
場面の展開や描写、登場人物の言動等に注意して
読むことができるよう指導を充実させる。
単元名: 心の歩み
「大人になれなかった弟たちに」 光村図書 「国語1」
○
言葉を手掛かりにしながら文脈をたどり、視点を定めて読む。
主人公の心情を、文中の表現を根拠に読み取らせる。すべての描写を通し
て、僕の思いが表現されていることに気付かせる。
文章に根拠を求
める指導の充実
【僕がしたこと】
時代背景
かくれて、ヒロユキの大切なミルク
を盗みのみしてしまいました
【僕には分かっていたこと】
・
・
・
それも、何回も……
など
弟のヒロユキには、母のお
乳が食べ物です
・
【僕の思い】
ヒロユキは食べるものがあ
りません
・
・
ミルクが一缶、それがヒロ
しょうが
ユキの大切な食べ物でした
・
どんなに悪いことか
みんなには、とうていわからないで
など
母の言動
・
甘いものはぜんぜんなかったのです
・
弟がかわいくてかわいくてしかたが
なかったのです
など
【もし自分が「僕」だったら、弟のミルクを飲むだろうか。】
自分の考
①
本文を根拠にして、自分の考えをまとめる。
えを深め、見
②
個人の考えを少人数グループで交流し、読みを深めさせ
る。
方や考え方
を広げる。
③
全体で考えを交流させることで、見方や考え方を広げさ
せる。
三
2
次の文章を読んで、あとの問いに答え
なさい。
本文省略(日高敏隆「セミたちと温
暖 化『 春 の 数 え か た の 食 い
段落ごとに内容をとらえるとともに、
より大きな意味のまとまりごとに、文章
中における役割をとらえることができて
いない。
・
ち が い ?』 」 によ る 。)
一 つ の 部屋 は 暖房 を入 れ て 暖か く し
②
エ
て や っ た。 け れど 昼 夜の長 さ は 自然 の
・
ま ま に して お いた 。 とい う 実 験が 行 わ
イ
・
・
れ ま し たが 、 その 結 果が書 か れ てい る
正答
要因
段落ごとに内容をとらえたり、段落相
互の関係を正しく押さえたりすることが
できていない。
誤答とその要因
誤答
●
段 落 は どれ で すか 。 段落 ア ~ エ の中 か
●
通過率が60%を下回った問題
読むこと
通過率
誤答率
無答率
48.5%
49.6%
1.9%
問題のねらいと調査結果
設問のねらい
文章の展開に即して段落相互の関係をとらえるこ
とができる。
●
ら 最 も 適切 な もの を 選び、 そ の 記号 を
書 き な さい 。
問題
ウ
●
《段落相互の関係の把握》
2
調査問題の解説
指導改善事例
Point
2
《段落相互の関係の把握》
文章の展開に即して文章構成図を作らせるなど、文
章全体における段落相互の関係を、的確にとらえさせ
る指導を充実させる。
単元名: 真実を探る
「文化を伝えるチンパンジー」 光村図書 「国語2」
○
文章の展開を意識した読みを充実させ、文章構成図を書く。
【文章の構成を意識させるためのポイントを示す。】
1
文章の全体
像をつかむ
2
要旨をとら
える。
3
文章構成図
を書く。
○
序論・本論・結論
○
事実と考察
○
問題提起と答え
範読、指名音読、黙
読、リレー読みなどの
多様な読み方により、
読みの充実を図る。
【語句の使い方や表現などを手掛かりにする。】
○
キーセンテンス
○
キーワード
○
文末表現
○
主張の軽重
【記号を効果的に使い、簡潔に書かせる。】
○
接続語に注目
○
矢印
○
本論を前半と後
半に分けるなど、段
階的に指導する。
傍線
自分の考えを表
現し、考えを交流
する場を設ける。
【交流の視点を明確に示す。】
4
文 章 中 か
ら、根拠を必
ず求める。
文章構成図
○
共通点・類似点
を交流する。
○
相違点についての意見交換
○
それぞれの工夫点
文章の構成図を書く学習を通して、文章の全
体像をとらえた上で細部を読み取っていく読
み方が身につき、文章全体における段落相互の
関係を、的確にとらえる力が養われる。
説明的文章だけでは
なく、文学的文章にお
いても、作品の構成を
考えさせたり、文章中
に根拠を求めさせたり
する指導を繰り返し行
うことが大切です。
調査問題の解説
6
●
エ
問題のねらいと調査結果
設問のねらい
漢字の行書の基礎的な書き方を理解することがで
きる。
誤答とその要因
誤答
・ ア
・
イ
次 のア ~ エは 、 それぞ れ の 漢字 を
●
行 書 で 表し て いま す 。誤っ て 書 かれ
正答
て い る もの を 一つ 選 び、そ の 記 号を
●
書 き な さい 。
問題
《行書の基礎》
通過率が60%を下回った問題
言語事項
●
3
通過率
誤答率
無答率
46.0%
52.7%
1.3%
要因
・ 行書を使う意義を理解した上で、行書
の特徴を確実にとらえることができて
いない。
・ 楷書から行書への変化について、実際
に書く活動を通して行書の特徴を理解
することができていない。
指導改善事例
Point
3
《行書の基礎》
行書の特徴を確実にとらえることができるよう指導
を充実させる。
単元名: 行書を書こう
「行書学習のはじめに」 東京書籍 「新しい書写 1年」
○
○
楷書と行書の違いについて、生徒が主体的に考えられる学習活動を設定する。
毛筆と硬筆の関連を図り、書く活動全体を通した指導を行う。
主体的な学習活動を設定する。
1
生徒自身が、行書の特徴に気付く学習活
動を設定する。
⑴
楷書と行書とを比べ、違っている部分を具
体的に考えさせる。
①「日」2画の折れが丸くなっている。
②「日」3画目が4画目に連続している。
③「光」4画目が5画目に連続している。
④「光」5画目が払いではなくはねになっている。
⑵
生徒自身が、楷書からどのように行書に変化するのかを明確にして、行書の特徴をとらえ
られるようにする。
書写以外の授業で
毛筆と硬筆との関連を図る。
も、機会をとらえて
繰り返し指導する
ことが大切です。
2
⑴
学習の日常化を図るため、毛筆と硬筆の関連を図る。
毛筆指導と硬筆指導とを関連付けて計画的な指導を行うことにより、毛筆による行書学習
が、日常生活においても必要性が高い硬筆の行書につながっていることを理解させる。
⑵
日常的に行う漢字指導の際にも、字体、点画、筆順等に注意させ、整った文字を書くよう
に指導する。