本を授業に!どんどん使おう学校図書館!

長崎市教育委員会学校教育部
あじさい通信
No. 20
H27.12.18発行
本を授業に!
どんどん使おう学校図書館!
11月24日(火) 丸尾中学校にて
市教委研究指定「図書館教育」本発表が行われました
学校をあげて読書活動をすることの大切さと、授業に「学校図書館」を取り入れる
ことの素晴らしい教育的効果について発表いただきました。
本発表公開授業の概要を紹介します。
数学~本をきっかけとして始まる授業~
単元名「資料の散らばりと代表値」。本で調べた世界の様々な国の平均寿命につ
いて考察するという授業。班学習を取り入れ、表やグラフや平均値を求めるとい
う数学的側面に、そこから何かを読み取る社会科的側面を加えることで学びの意
欲が喚起されていました。
社会~調べ学習で多角的なものの見方を高める授業~
単元名「国民生活と福祉」。タブレットを使ってプレゼ
ンテーションを作るときに学校図書を活用し多面的多角
的に考察する力をねらいとし、様々な角度から社会的事
象を考える土台ができていました。生徒が収集する情報
は発達段階に応じたものであり、有益で安全な情報であ
る必要があり、学校図書はその条件を満たしていました。
学活~友人へのアドバイスに本を介在させる授業~
題材名「友だちへアドバイスを贈ろう」。友達の不安や悩
みにふさわしいアドバイスを本の中の言葉から探して紹介
し意見交換するという授業。よく読んで言葉を選んでいる
こと、幅広いジャンルの本が取り上げられていることから
普段の読書生活の豊かさがうかがえました。本を使うこと
で照れずにアドバイスができ終始温かい授業でした。
丸尾中では2年間の研究で、生徒たちの読書量の増加、読書の質の向上、そし
て学力の向上が著しいこと、先生方はそんな手応えを共有して、学校図書館を利
用した授業で腕を磨きました。
学校図書館は「学校の中にある図書館」ではない。
「学校教育のためにある図書館」である。
学習指導要領に言語活動の充実の一つの手段として学校図書館を利用することが
明記されています。長崎市では全国学力・学習状況調査の結果、読書量は概ね多い
という結果が出ています。これを学力の向上につなげるためには、本が好きという
だけでなく、本をどう活用するかということを学び体験させていく必要があります。
また、学校図書館を活用する授業を仕組む場合、司書との連携は大切です。平成
21年の静岡大学の研究に、「学校図書館を使った授業に司書が関わっているほうが
生徒の学力は向上する」というデータがあります。授業をする先生と司書が連携し、
きちんと役割分担をして、学校図書館をどんどん利活用してください。
小学校でも学校図書館を活用する授業実践が推進されています!
並行読書や、単元の導入や終末での読み聞かせやブックトークなど、どの小学校
でも日常的に学校図書館を使った授業が行われていますが、学校図書館を活かした
国語科の授業実践を紹介します!
桜町小学校 5年生国語
単元名「読書の世界を広げよう~ポップで紹介!お薦めの本~」
学校図書館で選んだ本をポップで紹介するために、教材文『千年の釘にいど
む』の要旨を捉えたり、感想をまとめたり、引用したりする学習を行い、そ
こで培った力を活用して、お薦めの本のポップをつくるという授業。なお、
本実践では単元の最初と最後の時間に司書との意見交換等の場面を位置付け、
活動への意欲付けや成就感を味わわせる手立てとされていました。
西北小学校 3年生国語
単元名「すがたをかえる食材の本を読み、『食べ物ひみつブック』をつくろう
~中心となる語や文を捉えて読む力、段落相互の関係に注意して文章を構成する力を付ける~」
食べ物ひみつブックをつくるために、教材文『すがたをかえる大豆』の中心と
なる語や文、説明順序や接続語の工夫などを捉える学習を行い、そこで培った
力を活用して、自分が紹介したい食品のひみつブックをつくるという授業。な
お、本実践では、司書の全面協力のもと、市立図書館からも本を収集し、全児
童が一人一冊の本を手に学習できる配慮がなされていました。
さあ!先生方、学校図書館をこれまで以上に活用しましょう!
うちの図書館どんな本があるんだろう? この授業で本を使ったらもっと子ども
たちに力が付くんじゃないかな? 教室のあの子を授業の中でもっと活躍させたい
な!司書さんといっしょにこんな授業をしてみよう! などなど。
いろんなアイデアが広がる、子どもたちに力を付けられる学校図書館の魅力を、
ぜひ、実践で体感してください!
(担当:教育指導係
百合野)