第 四

7 類 V クラス 線形代数学第一 演習第 4 回
演習問題略解

1
5

[1] 行列 
8
9
2
6
0
0
3
7
0
0

4
0

 の階数を求めよ.
0
0
解答 第 1 列と第 4 列を入れ替え, 第 2 列と第 3 列を入れ替える. さらに第 4 行
の 0 でない成分を第 3 行の 0 でない成分を用いて消去する. 得られたものは 3 つ
の t 0 でない行を持っており, それにおける一番左の 0 でない成分の列の番号 1, 2, 4
は狭義単調増加するので, 階数が 3 となる. 基本変形によって階数が変わらないか
ら元の行列の階数も 3 である.
[2] 次の拡大係数行列に対応する連立 1 次方程式を書き下せ. また, 方程式の解を求め
よ (拡大係数行列がすでに階段行列になっているので, これ以上行列を変形する必要
はない).




1 0 −1 0 1
0
1
2
0
0
0
 0 1 0 0 2 




(1) 
(2)  0 0 0 1 0 0 

 0 0 0 1 3 
0 0 0 0 0 1
0 0 0 0 0
解答
(1) 拡大係数行列に対応する連立 1 次方程式は


 x1 − x3 = 1
x2
= 2


x4
= 3

  
 
1
1
x1
0
x  2
 2  
 
であり, 方程式の解は t を自由変数として,   =   + t   となる.
1
 x3   0 
x4
3
0
(2) 拡大係数行列に対応する連立 1 次方程式は


 x2 + 2x3 = 0
x4
= 0


0
= 1
である. 第 3 式よりわかるように, この方程式は解を持たない.
[3] 次の連立一次方程式を解け.


 2x1 − x2 + 3x3 − x4 = 3
(a)
3x1 + 2x2 + x3 − 5x4 = −6

 x − 2x + 3x + x = 6.
1
2
3
4
  
  
 
 
x1
t−s
0
−1
1
x  s + t − 3 −3
1
1
 2 
  
 
 
解答   = 
 =   + s   + t   (s, t は自由変数).
x3  
 0
1
0
s
x4
t
0
0
1


 4x1 − 2x2 − x3 − x4 = 0
(b)
3x1 + x2 − 2x3 + 3x4 = 0

 5x − x − 2x + x = 0.
1
2
3
4
 
 

  
−1
1
s−t
x1
−3
1
x  s − 3t
 
 

 2 
解答   = 
 = s   + t   (s, t は自由変数).
0
2
x3   2s 
2
0
2t
x4


x + (1 + i)y + (1 − i)z = 2

[4] 連立一次方程式
ix + y + iz = 1 + i を解け.

 (1 − 2i)x − (1 − i)y + (1 − 3i)z = −2i


   
x
0
−2 + 2i


   
解答 掃き出し法を適用すればよく,  y  =  1  + t  1  が得られる.
z
1
2−i
[5] k を定数とする. 連立一次方程式


 x + 2y − z = 3
2x + 5y + z = 7

 x + y − k 2 z = −k
の解の個数を k の関数として表せ.

解答
1 2 −1

 2 5 1
1 1 −k 2
拡大係数行列に掃き出し法を施すと,





3
1 2
−1
3
1 2
−1
3
r2 −2r1
 r3 −r1 
 r3 +r2 

3
3
7  −−−−→  0 1
1
1
 −−−→  0 1

2
2
−k
0 −1 −k + 1 −k − 3
0 0 −k + 4 −k − 2
が得られる. k の値について場合分けをする.
• k ̸= ±2 のとき, 唯一つの解がある.
• k = 2 のとき, 第三行で表される方程式は 0 = −4 なので, 解なし.
• k = −2 のとき, z が自由変数と見なせるので, 無数の解がある.