線形代数演習 I 小テスト 担当:古宇田 悠哉 平成 28 年 7 月 24 日実施 学籍番号 問題 氏名 正則な 2 次正方行列からなる集合を GL2 (R) とおく.GL2 (R) の部分集合 H を次で定める. {( ) a b H= 0 d ¯ } ¯ ¯ a, b, d ∈ R, ad 6= 0 . ¯ 次の問いに答えよ. (1) A, B を H の元とするとき,A−1 , AB もそれぞれ H の元であることを示せ. (2) GL2 (R) 上の関係 ∼ を A ∼ B ⇔ AB −1 ∈ H で定める.∼ は GL2 (R) 上の同値関係であることを示せ. 線形代数学演習 I 古宇田 悠哉 平成 28 年 7 月 24 日配布 12 掃き出し法 • 行列の列に関する次の 3 つの操作を 行基本変形とよぶ. 1. 第 i 行と第 j 行を入れ替える.(ただし,i 6= j) 2. 第 i 行を c 倍する.(ただし,c 6= 0) 3. 第 i 行に第 j 行の c 倍を加える.(ただし,i 6= j, c 6= 0) • 未知数 x1 , x2 , . . . , xn を含む連立 1 次方程式 a11 x1 + a12 x2 + · · · + a1n xn = b1 a21 x1 + a22 x2 + · · · + a2n xn = b2 a11 a21 は,行列 A = . .. am1 .. . am1 x1 + an2 x2 + · · · + amn xn = bm a12 ··· a22 .. . ··· .. . am2 ··· a1n x1 b1 x2 b2 a2n , ベクトル x = , b = . を用いて Ax = b .. .. .. . . amn xn bm と表すことができる.このとき,行列 (A | b) := a11 a21 .. . a12 a22 .. . ··· ··· .. . a1n a2n .. . b1 b2 .. . am1 am2 ··· amn bm を上の連立方程式の拡大係数行列とよぶ.拡大係数行列に行基本変形を上手く施すことにより, 上の連立方程式に解があるかないかを判定することができ,さらに解があるときはならば解を決 定することが出来る.例えば, 1 0 0 1 – 拡大係数行列が行基本変形により 0 1 0 2 という形にできたとすると,その連立 0 0 1 3 x1 1 1 次方程式の解は x2 = 2 である. x3 3 1 0 1 1 – 拡大係数行列が行基本変形により 0 1 −2 2 という形にできたとすると,その連 0 0 0 0 1 −1 立 1 次方程式の解は x2 = 2 + t 2 , (t ∈ R) である. x3 0 1 1 0 0 1 – 拡大係数行列が行基本変形により 0 0 1 2 という形にできたとすると,その連立 0 0 0 3 1 次方程式の解は存在しない. x1 こうした連立 1 次方程式の解き方を掃き出し法,あるいはガウスの消去法とよぶ. a11 a12 · · · a1n a21 a22 · · · a2n に 対 し ,こ れ と n 次 単 位 行 列 E = • n 次正方行列 A = . .. .. .. .. . . . an1 an2 · · · ann 1 0 ··· 0 . .. 0 1 . .. を並べて得られる行列 . . . . . . . 0 .. 0 ··· 0 1 a11 a21 (A | E) := . .. an1 a12 ··· a1n 1 a22 .. . ··· .. . ··· a2n .. . 0 .. . an2 ann 0 1 .. . 0 ··· ··· .. . .. . 0 0 .. . 0 1 に行基本変形を上手く施すことにより (E | B) := 1 0 0 .. . 1 .. . 0 ··· ··· .. . .. . 0 b11 b21 という形に変形できるとき,行列 B = . .. bn1 b11 b12 ··· b1n 0 1 b21 .. . b22 .. . b2n .. . bn1 bn2 b12 ··· b1n ··· .. . ··· b22 .. . ··· .. . bn2 ··· 0 .. . bnn b2n は A の逆行列になる.このよ .. . bnn うな形に変形することが不可能なとき,行列 A には逆行列が存在しない. 黒板発表用問題 1. (1) どの様な m × n 行列 A に対しても Pij A が A の第 i 行と第 j 行を入れ替たものになるよ うな,m 次正方行列 Pij を求めよ. ただし,i 6= j とする.また,この Pij の逆行列を求めよ. (2) どの様な m × n 行列 A に対しても Pi (c)A が A の第 i 行を c 倍したものになるような,m 次正方行列 Pi (c) を求めよ.ただし,c 6= 0 とする.また,この Pi (c) の逆行列を求めよ. (3) どの様な m × n 行列 A に対しても Pij (c)A が A の第 i 行に第 j 行の c 倍を加えたものに なるような,m 次正方行列 Pij (c) を求めよ.ただし,i 6= j, c 6= 0 とする.また,この Pij (c) の逆行列を求めよ. 2. 掃き出し法を用いて次の連立 1 次方程式を解け.ただし,解がないときは解なしとし,解がある ときは解をすべて求めよ. 3x1 + 4x2 = 2 x1 + 2x2 = 3 (1) x1 − 3x2 = 5 x1 + x2 + x3 = 6 (3) 2x1 − x2 + 3x3 = 9 3x1 + 2x2 − x3 = 4 x + 2x2 + 3x3 = 3 1 (5) x1 + x2 + x3 = 2 x1 + 5x2 + 9x3 = 6 3x + 6x2 + 21x3 + 9x4 = 24 1 (7) 2x1 + 3x2 + 5x3 + 2x4 = 13 7x1 + 9x2 + 4x3 + x4 = 41 −x1 + 2x2 + x3 − 4x4 = −4 2x − 3x + x − 2x = −7 1 2 3 4 (9) x + 5x + 4x − x 1 2 3 4 = 13 x1 + x2 − x3 − x4 = 0 (2) 2x1 + 4x2 = 6 x1 + x2 + 2x3 = 1 (4) 3x1 + 4x2 + 6x3 = 0 −x1 + 2x2 − x3 = 2 x − x2 + 2x3 = −3 1 (6) 3x1 + x3 = 4 2x2 − 3x3 = 8 x1 − 2x2 + x3 − 4x4 = 3 (8) −2x1 + 5x2 − 3x3 + 10x4 = −3 3x1 − 7x2 + 4x3 − 14x4 = 0 x1 − x3 + 5x4 − 5x5 = 3 −x + x + 3x − 8x + 7x = −8 1 2 3 4 5 (10) 2x − x + x + 3x − 7x 1 2 3 4 5 = −4 3x1 − 2x2 + 2x3 + 3x4 − 10x5 = −8 3. 次の行列が定める線形写像の核を求めよ. (1) ( 1 1 ) 0 0 1 1 1 3 (2) 2 6 −2 5 2 3 −2 4. 次の行列の逆行列を求めよ.ただし,a ∈ R とする. 1 −1 −1 1 −3 1 (1) (2) 0 3 −1 1 −1 2 −1 −1 1 −1 1 −2 1 0 −1 0 0 0 0 1 3 −1 2 0 0 1 1 a (4) (5) −2 0 −1 0 0 1 2a a2 0 2 0 −1 1 3a 3a2 a3 1 3 (3) 1 4 2 −1 −6 5 4 8 8 −5 6 −1 2 13 0 (3) 0 1 0 1 0 1 0 0
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