ご参考資料 Vol. 101 (対象期間:2015年3月9日~2015年3月20日) インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は、国際通貨基金(IMF)によるインドの経済見通し引上げなどを受けて上昇する 局面もありましたが、利益確定売りの流れが続いて対象期間中に4.0%下落しました。SENSEX指数は、昨年1年間で29.9%の 大幅高となり、今年も3月5日までに7.1%上昇していました。インド10年国債利回りは、小幅に上昇(価格は下落)しました。為 替市場では、円安インドルピー高となりました。IMFの経済見通しについては、ニュース欄をご参照ください。 [株式市場] [株式市場]SENSEX指数の推移 個別銘柄では、総合アルミメーカーのヒンダルコ・インダストリーズ が、政府による石炭鉱区の割当に関する不正疑惑問題で対象期 間中に10.7%下落して、SENSEX指数構成銘柄の中で最大の値下 がり率となりました。この銘柄を含めて、SENSEX指数を構成する 30銘柄中26銘柄が下落し、上昇したのは通信サービス会社のブハ ルティ・エアテルなど4銘柄に留まりました。 (2002年12月31日~2015年3月20日) (ポイント) 40,000 30,000 日付 終値 3月5日* 3月13日 3月20日 29,448.95 28,503.30 28,261.08 週間騰落率 (前週末比) -3.2% -0.8% * 3月6日は、祝日のため休場。 [債券市場] 20,000 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場] [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2015年3月20日) 10% 日付 利回り 3月6日 3月13日 3月20日 7.71% 7.80% 7.75% インド10年国債利回りは、国内銀行などからの利益確定売りにより 一時7.81%まで上昇(価格は下落)しましたが、その後は低下して 7.75%で対象期間中の取引を終えました。一部の国内銀行は3月 の年度末を控えて、貸倒損失をカバーするために国債の利益確定 売りを行ったもようです。 為替市場では、米国の早期利上げ観測の後退で一時1米ドル= 119円台まで円高が進行したことから、インドルピーの対円レートも 一時円高に振れましたが、この円高の流れは続かず、対象期間を 通して見ると0.5%の円安インドルピー高となりました。対米ドルで は、対象期間中に0.1%の米ドル高インドルピー安となりました。 変化幅 (前週末比) 0.09% -0.05% 9% [ニュース] 8% 国会、保険分野への外資上限引上げを可決 国会、保険分野 の外資上限引上げを可決 7% インドの国会で3月12日、保険分野への外国資本の出資 上限を26%から49%に引上げる法案が可決されました。 保険分野への外資上限引上げについては、インド政府 が昨年12月に大統領令を発布していましたが、恒久化 するためには国会の議決が必要でした。政府は今回の 引上げにより、今後数年間で海外から保険分野に60億 米ドルから80億米ドルの投資が見込めるとしています。 同様に大統領令で決めていた、インフラ整備を円滑に進 めるための土地収用における規制緩和についても、 10日に下院で法案が通過しました。今後は、与党が過 半数に満たない上院での審議が焦点となります。 6% 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 政治 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2015年3月20日) ( 年 月 日 年 月 日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 3月6日 3月13日 3月20日 1.929 1.929 1.938 週間騰落率 (前週末比) 0.0% 0.5% IMF専務理事「インド経済は明るい材料」 2.5 2.0 1.5 経済 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 インドを訪問した国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理 事は、ニューデリーで3月16日に講演し、低成長に苦し む世界経済の中でインド経済は明るい材料だと述べまし た。IMFは11日にインドの経済見通しを発表して、政府に よる財政赤字の削減とインフラ投資の拡大を評価すると ともに 今年度(2014年4月~2015年3月)の成長率見通 ともに、今年度(2014年4月~2015年3月)の成長率見通 しを5.6%から7.2%に、2015年度については6.3%から 7.5%に引上げています。中長期的な見通しについても ラガルド専務理事は、労働力人口が毎年1,200万人以上 増加するインドの経済規模は、2019年までには2009年 の2倍以上に拡大すると語っています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.101(対象期間:2015年3月9日~2015年3月20日) [インド基礎講座] インド国債: 相対的に高い利回り水準 インド国債の利回りは、物価上昇率の鈍化や政策金利の引下げなどを背景に低下基調で推移していますが、先進国等と比較して相対的 に高い水準にあり、10年国債利回りは2月末時点で7.73%となっています(図表1)。米国の量的緩和縮小観測により、インド10年国債利回 りは 2013年5月末の7 25%から同年9月末の8 76%に上昇(価格は下落)しましたが 消費者物価指数(CPI)上昇率の鈍化に伴い りは、2013年5月末の7.25%から同年9月末の8.76%に上昇(価格は下落)しましたが、消費者物価指数(CPI)上昇率の鈍化に伴い、 2015年1月末の7.69%まで低下しました(図表2)。世界的な金融緩和の流れを受け日本や欧州の国債利回りが低下する中で、依然、インド 国債の利回りは高い水準にあると考えられます。インド国債の利回りが低下基調となった背景には、為替レートの安定も挙げられます。イ ンドルピーは米国の量的緩和縮小観測で2013年5月から8月にかけて対米ドルで大幅安となりましたが、その後は比較的安定して推移して います。図表2に示すCPI上昇率の鈍化に加えて、経常赤字の縮小などがインドルピーの安定につながっています。 (図表2)10年国債利回り*とCPI**上昇率(前年同月比)の推移 (2013年2月~2015年2月) (図表1)各国の10年国債の利回り (2015年2月末現在) 9.0% 10% 8% 7.73% 7.06% 2015年1月 10% 7.69% 8.5% 6% 3.37% 4% 2.46% 8.0% 1.99% 2% 0.34% すべて自国通貨建て国債の利回り。 8% 7.5% 日本 米国 オーストラリア 中国 インドネシア インド 0% 12% 2013年9月 8.76% 6% 7.0% 2013年2月 2013年5月 7.25% 4% 2015年2月 2014年2月 10年国債利回り(左軸) CPI上昇率(右軸) * インドの自国通貨建て10年国債利回りの月末値。 ** 2014年12月までは旧CPI(2010年=100)、2015年1月以降は新CPI(2012年=100)による。 出所: 上記の図表はいずれも、インド統計・事業実施省、インド準備銀行(RBI)、Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています。最終親会社グル プの運用資産総額は、2014年 2014年 6月末現在、約4,570億ポンド(約78兆円、1ポンド=172.63円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、50年以上の歴史を持ち、2014年3月末現在、総資産は約5兆9,464億 ルピー(約10兆1,921億円、1ルピー=1.714円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2014年12月末現在、運用資産総額は約1兆3,676億 ルピー(インドにおけるシェア約12.4%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 150324(07)
© Copyright 2025 ExpyDoc