*グローバル投資環境 No.1486 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 前期比プラス成長に復帰、 メキシコの第3四半期GDP速報値~ 市場予想も上回る 2016年11月2日作成 *メキシコの経済は、第2四半期の成長率が前期比 ▲0.2%となり、2013年第2四半期以来、12四半期(3年) ぶりのマイナス成長にとどまっていたが、10月31日に発表 された第3四半期GDPの速報値は前期比1.0%のプラス成 長に転じるとともに、市場予想(0.8%増)を上回った。また、 前年同期比の成長率は2.0%となり、第2四半期の2.5%増 から減速したが、こちらも市場予想(1.9%増)を上回った。 なお、確報値は11月23日の発表が予定されている。 3Q +1.0% 前期比↑ ▲▼GDP成長率(%) ↓前年同期比 3Q +2.0% *ところで、メキシコの通貨ペソは、原油安に伴って米ドルに 対して下落した後、2月以降は原油の反発に連れて一時 的に上昇する場面はあったものの売り直され、6月には2月 の過去最安値を更新、さらに9月には一段安となり、その背 ▼政策金利及びインフレ率(%) 景としてはいわゆるトランプリスクが指摘されていたが、米国 大統領選の第1回TV討論の翌日にあたる9月27日を境に 政策金利 4.75%→ 反発に転じた。足下では、FBIが10月28日にクリントン氏の メール問題の調査の再開を発表したことを受けて、選挙の 行方に対する不透明感がいくぶん高まったことから反落し ているが、常識的に考えて、クリントン氏が米国の次期大統 9月 2.97% 領となることを前提にすれば、ペソには引き続き短期的なリ バウンド余地があるように思われる。 *ちなみに、メキシコの中央銀行は、米国の利上げを通貨 消費者 物価→ ペソに対する売り圧力を強める要因として一貫して警戒して おり、昨年12月17日の金融政策会合での25ベーシスの利 上げは、その直前のFOMCにおける25ベーシスの利上げに ▼メキシコペソ/米ドルとWTI先物 追随したものだったが、その後は、FRBが金利の据え置きを 続ける中で、メキシコ中銀は先に述べたような要因を背景 にした通貨安対策としての利上げを継続、これまでの利上 げの幅は累計で175ベーシスに達しているが、中銀による WTI先物 (ドル/バレル、左軸)↓ 高金利政策がメキシコの内需を抑制する要因になってきた 可能性があろう。 *髙木証券では、11月1~2日のFOMCではFF金利は据え 置かれそうだが、12月13~14日のFOMCでは利上げが再 開される公算が大きいと考えており、その場合メキシコ中銀 が追随する可能性もありそうだが、利上げ再開後の米国の 金融政策正常化のペースは緩やかなものが見込まれるこ とに加え、前述の通り、すでに米国に大きく先行する形で大 幅な利上げを実施しているため、追加利上げの余地とその インパクトは限られる可能性が高いと思われる。 ペソ/米ドル(右軸)↑ (文責:勇崎 聡) 1/1 (メキシコ中央銀行・統計局、Bloombergデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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