PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1163*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
ECB理事会~12月会合での金融政策の再精査を明言
2015年10月23日作成
ECBは10月22日に理事会を開催、政策金利である主
要借換金利を0.05%、中銀貸出金利を0.30%、中銀預
金金利を▲0.20%でそれぞれ据え置いた。
理事会後に公表された声明文は今後の金融政策につ
いて、「金融の適切な緩和度を維持するために必要で
あれば、我々の責務の範囲内で有効な全ての手段を活
用する意思と能力があり、とりわけ、資産買入プログ
ラムはその規模、組み合わせやデュレーションの調整
の調節において十分な柔軟性を持っていることを強調
する。月間600億ユーロの資産買入を2016年9月まで完
遂し、2%のインフレ目標の達成に向けた持続的な調整
を確かなものにするために必要であれば延長する」と
述べており、9月3日に開かれた前回理事会の声明文の
表現を概ね踏襲した。一方、「ユーロ圏の内需は引き
続き弾力があるが、新興市場の成長見通しと、金融及
び商品市場の変化が経済に与える影響が、成長とイン
フレ見通しに対するダウンサイドリスクを示唆してい
る」との認識を示した上で、「新しい経済見通しが示
される12月の会合において、金融政策の緩和度合いを
再検証する(re-examined)必要がある」と述べて、追
加の金融緩和に含みを持たせている。
《ECBの経済見通し》
成長率
インフレ率
6/3発表 9/3発表 3/5発表 9/3発表
2015年
1.5%
1.4%
0.3%
0.1%
2016年
1.9%
1.7%
1.5%
1.1%
2017年
2.0%
1.8%
1.8%
1.7%
なお、声明文は景気について、第3四半期も第2四半期(前期比0.4%増)とほぼ同様の
ペースでの拡大が見込めるとしているほか、9月には▲0.1%と再びマイナスに転じたヘッ
ドラインインフレについても、「短期的に極めて低い水準で推移した後、年末から年始に
かけて上昇し、2016年、2017年を通してさらに上向くだろう」と述べており、このあた
りの見方は前回の声明文から大きく変わっていない。
今回の声明文を受けて、前回理事会以降徐々に高まりつつあった追加緩和に対する思惑
はさらに強まらざるを得ないと思われ(但し、どの程度の有効な手段がECBに残されてい
るのかという疑問は残る)、このことはユーロ圏の株式市場にとって追い風になるととも
に、ユーロ圏の債券利回りを押し下げよう。また、為替市場では米ドルに対するユーロ売
りの圧力を高める要因となるが、米国の年内利上げに対する期待も低下している現状では
(但し、髙木証券では、今月27~28日に開かれるFOMCでは利上げが見送られるとみられ
るが、12月15~16日のFOMCでの利上げの確率は多くの投資家が思っているほど低くはな
いと考えている)、ユーロの下落余地はある程度限定されると思われる。
(文責:勇崎 聡)
(出所:ECB及びBloombergデータより髙木証券作成)
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