CHEMOTHERAPY Carbenicillinの 基礎 的臨床 的研究 大久保 混

》o』17N◎
CHEMOTHERAPY
・7
Carbenicillinの
大久保
1171
基礎 的臨床 的研究
混 ・藤 本 安 男 ・岡本 緩 子・ 束 田二 郎
関西医大第1内 科
1.緒
aeruginosa18株
言
であ る。 測 定方 法 は 平板 稀 釈 法 で,培
地 は普 通 寒 天 を使用 す る化学 療 法 学 会試 案 に よる。
Carbenicillinは
半 合 成 の 新 し いPenicillinで,
Aminobenzylpenicillinに
類 似 し てGram陽
性 お よび
実
陰 性 の菌 に 有 効 な広 域 ス ペ ク トラ ム を 持 つ て い る 。 そ し
てAmin。b膨y重penicilli可A3-PC)に
螂
て,緑
菌 に対 しさ ら に 低 濃 度 で 発 育 を 阻 止 し,緑
膿菌 感 染 症 に
=われ わ れ はCarben、icillinの
tamicinの
果
・PCに
較 的 低 く,16∼500mρg/mlの
Genta卑icinの
対する感 受性 は比
間 に あ る。 こ れ に 対 し
そ れ は は るか に 低 値 で あ る 。 も ち ろ ん 菌
量 に よ つ て も 影 響 を うけ,菌
病 的 材』
料 よ り得 た 緑 膿
菌 に対 す る 最 小 発 育 阻 止 濃 度 を 測 定 し,同
結
Psev・aomonasaer.のCB-・
膿
養効 果 の期 待 さ れ る も の で あ る 。
験
童 が1/IOO}cな
る と1∼2
段 階 阻 止 濃 度 が 低 下 す る。
時 にGen-
それ と比 較 した。 次 に ラ ッ トを 用 い て 各 臓
器 内 分 布 を時 間 的 に 測 定 し,そ
3・ 臓器 内濃度(ラ
れ を 他 のPeniciユlin剤
濃 度 の 測定 は,枯 草 菌PCI219を
の そ れ と比 較 した 。 ま た 家 兎 を 用 い,Carbenicillinの
胆汁 内排 泄 を 測 定 し,AB-PCと
た。 ま た1例
同 じく高濃 度 に証 明 し
で あ る が 臨 床 使 用 し,ま
用 い る帯 培 養法 に
よ る。
(1}回 収 実 験
た そ の血 中濃 度 を
1群3匹
測定 した 。
以 下,CarbenicillinはCB-PCと
ッ ト)
の ラ ッ トを用 い た 。潟 血 死 させ た ラ ッ トの各
臓 器 の5倍 稀釈 エ マ ル ジ オ ソを作 り,こ れ に 既 知 量 の
略 す。
Carbenicillinを
2・ 緑 膿菌 に 対す る抗 菌 力(試 験 管 内)
添 加 し,24時 間 冷蔵 庫保 存 後,上 清 の
濃度 を 測 定 した 。 そ の結 果 は 第1表
被 検 材 料 は 病 的 材 料 よ り分 離 し たPseudomonas
(0・8mcg/g)で
の ご と く,低 濃 度
は100%以 上 の 回 収 率 で あ り,高 濃 度
14
[=1Gentanticin
'6sfr,
◎
囮Caめeηlc漁
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菌
量10
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104
8
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2
250田`%!
〈o.5
第1図
緑 賑 菌1二対 す5試 験 管 内 抗菌 力
(病的材糊8株 の他 に他の16椥こ
つbても検討 図示)
1172
(8mcg/9)で
は,80∼90%の
PenicillinGやAB・
一
・PCと
回 収 率 で あ る。 こ れ は
同 じ く,組
訳
収 実 験結 果
1群3匹
平 均mcg/9
0.8
8.0
肝 脾腎 肺 筋脳 蝋
0.91
7.4
0.97
7.6
0.93
7.1
1.08
6.7
1.16
7.4
0.79
6.1
1.2
7.3
肝 脾腎 肺筋 脳 臓
り9mgの
間 目に 潟血 死 させ,
以下,回 収 実 験 と同 じ操 作 に よ り各 臓 器 内濃 度 を 測定 し
た 。 各 群3匹 の 平 均値 は 第2褒 の ご と くであ る。 す な わ
ち,濃 度 は 腎,肝 〉血 液,脾 〉 肺 の 順 で,筋 肉 お よび 脳
に は 証 明 で きな か つ た。 か か る各 臓 器 内濃 度 の順 お よび
時 間 的 推移 は第2図 に示 す と お りで,PC--Gに
2
∼
4
15.0
8.5
1.9
0
1.1
2.7
3.3
8,0
17.5
10.0
2.8
3.0
2.7
2.2
2.0
2.8
0
0
0
0
0
0
0
0
4.0
1.7
0.5
0
器 内濃 度
ラ ッ ト1群3匹
時間
筋 注 し,1/2,1,2,4時
1
第3表AB--PC臓
臓器
ラッ ト3匹 を もつ て1i群 とし,体 重kg当
平 均;9mg/kgi.m.
(mCg/め
臓器 内濃 度
CB-PCを
1/2
肺 筋 脳厳
理 論 値
器 内濃 度
ラ ッ ト1群3匹
肝醤
第1表Carbenicillin回
第2表CarbeniciUin臓
織 エ マル ジオ ソ
で 不 活 性 化 を うけ な い と 考 え ら れ る。
②
AUGb69
CHEMOTHERAPY
くらべ
平 均9mg/kgi.m.
1/2
1
7.9
5.4
1.7
0.08
0.98
1.1
0.26
0.24
13.8
5.O
0.88
0.55
2.5
L7
0.35
0.21
0.95
3。0
0.34
0
0
0
0
0
1.2
2.5
1.5
0.01
2
4
(mcg/9)
濃 度 の 低下 が 緩 徐 で あ り,ま た 各 臓 器 の濃 度 分布 の幅 が
狭 い 。 しか し第3表 に示 す ご と く,同 種 のPenicillin
であ るAB-PCと
4.胆
汁 内 排 池
よ く似 て い る。
体 重2kg余
の 家 兎 を開 腹 し,総 胆 管 に ビニール チュ
ー ブを入 れ て 胆 汁を 自 由に流 出せ しめ 毎10分 に採取 し,
m`%
5
'
同 時 にエ
血中 濃 度 も測 定 し た。CB-PCは
6mgを
体 重kg当
り
耳 静 脈 に静 注 した 。そ の 結 果 は 第3図,第4図
の ご と くで あ る。 こ の2例 は胆 汁 中 濃 度 に 大 差 が あ る
が,胆 汁量 が 第4図 の例 で は少 な い た め で,150∼170分
まで の 胆汁 内総 排 泄 蚤 は 各 々184mcgと216mCgで
0
'
fRC」kt
Io
5 4
5
3
4﹁
2
㌧
﹂
i/212
第2図Ca「benicilliri痛
4hrs.
鼓慰 勺漂i侵
第3図Carbenic川ln肥
†舗F泄 ①
康 兎 殉 ノks∫.v.
・VOL、
CHEMOTHERAPY
鷹7NO・7
1173
投与量 の1・3∼1・5%に相 当 し・ 差 は な い。 そ し てABPC(第5図)と
5.臨
床 使用成績
同 じ く胆 汁 中 に極 め て高 濃 度 に 証 明 さ
女
れる。
Klebsiellaに
肺 炎(第6図)
よ る大 葉 性 肺 炎 で,右
り,CB-PCの1日3,eoemgの
鱗1
下 肺 野 に 浸潤 が あ
投 与 で著 効 を得 た。 こ
のKlebsiellaの
抗 生 物 質 感 受 性 は,1濃
でKM,TCに
感 受 性 でCP,SMに
CB-PCに
239を
度 ディス ク法
は 耐 性 で あつ た。
つ い て は 実 施 し て い な い 。CB-PCは,合
使 用 し た。 特 に 副 作 用 は な い が,注
計
射局 所 の疹 痛
を 訴 えた。
臓6
CB・PC
38
37
汁 内排
泄
跳
4L
102030405◎6090'20'50分
第 ヰ 図Carbenicillin胆
②
幽鴻
家 兎6ms/kgi.v.
30mm
服
49rnm
撚`碗
㈲
第6図
本 例 の 血 中 濃 度 は,191回
mcg/m1,1時
時 間3.2mcg/ml,6時
草 菌PCI219を
の 筋 注 で,1/2時
間17mcg/ml,2時
間 後12
間10mcg!m1,4
間1.6mcg/m1で
あ つ た(枯
用 い る帯 培 養 法 に よ る)。
女
膀 胱炎
原 因 菌 は 同 定 不 能 で あ つ た 。CB-・PC1日29を3日
間 投 与 で 自覚 的 所 見 と 尿 所 見 の改 善 お よ び 消 失 を み た 。
有 効 。 副 作 用 な し。
6.結
1)CB-PCのinvitroに
語
お け る緑 膿菌 に対 す る抗
菌 力は,菌 量 に も よるが,最 低16mcg/mlで
膿菌 の尿 路 以外 の感 染症 にはCB-PCで
あ り,緑
も未だ 寛 分 で
な い と思 わ れ る。
2)CB-PCの
臓 器 内濃 度 は,腎,肝
で高 く,ま た胆
汁 内 濃 度は 血 中濃 度 に較 ぺ ては るかに 高 い。 これ らは共
にAB-PCの
第5図AB・-PC胆
》
†丙排 泄(家 兎)
6mg1Ksi・v・
3)CB-PCを
性 質 に酷 似 して い る。
肺 炎,膀 胱 炎 に 使用 し,共 に有 効 で あ
つ た。 血 中濃 度 は,191回
mcg/m1で
あつ た。
で1時 間 目が ピ ー ク で1T
1174
CHEMOTHERAPY
STUDIES
ON
AUG. 1969
CARBENICILLIN
HIROSHI OKUBO, YASUO FUJIMOTO, YURUKO OKAMOTO & JIRO TSUKADA
First Department
of Internal
Medicine,
Kansai Medical School, Moriguchi
City, Osaka
1) Sensitivity of Pseudomonas to carbenicillin (CB-PC) :
The M. I. C. of CB-PC against 34 strains of Pseudomonas aeruginosa isolated from human infections
were 16 to 500 mcg/ml.
2) Tissue concentrations
of CB-PC in rats :
Distribution of CB-PC in rats' bodies after intramuscular
injection was found to be similar to that
of AB-PC. Kidney and liver were the organs which showed the highest concentrations.
3) Biliary excretion of CB-PC in rabbits :
Intravenously
injected CB-PC was excreted into bile in markedly higher concentration
than the
serum level.
4) Clinical trials :
Two cases, i. e. a Klebsiella pneumonia case and a cystitis case (the pathogen of the latter was not
identified), were successfully treated with CB-PC.