CHEMOTHERAPY 後藤幸夫 伊藤勝介 ・小沼 賢 ・伊藤 誠 堤 - J-Stage

CHEMOTHERAPY
VOL.16NO.2
165
Aminosidlineに
後藤幸夫
関 す る研 究
伊 藤 勝 介 ・小 沼
賢 ・伊 藤
誠
堤 泰 昭 ・岡本 靖
名古屋市立大学岸川内科
mcgtmlのMICを
広 範 囲抗 菌 スベ ク トラ ムを 有 す る 新 抗 生 剤Aminosidne(AMD)に
関 す る基 礎 的 な らび に 臨 床 的 研 究 を 行
株 で は,MICがL56血cg/m1を
な い本 剤 の 治 療 的 意 義 を 検討 した の で報 告 す る。
mcg/m1の
1・ 血 中 濃 度 お よ び 尿 中排 泄
健 康 人2名 に 空 腹 時AMD350mgを
30分,1,2,4時
間 に 採 血 し,ブ
は30分
mcglm1,50mcglmlに
お よ び1時
後,他
2,4,6時
間 と もか な りの 排 泄 を 示 し,6時
グ ラ ム 陰 性 桿 菌 で は,標
IOI,PseudemonasaeraginesaKHな
mcg/m1のMICを
抗菌 力は トリプ トソイ ブイ ヨ ン培 地 を使 用 し,稀 釈 培
示 した 。 昭 和41年
し50mcg加1のMICを
が3.12
10Gmcg/mlな
抗菌力
示 し,そ
で は,約
m1のMICを
・5613・1216・251>12・5
3112132125
他 の28株
半 数 がE2.5な
い し25mcgl
示 す が,100mcg/ml以
上 の 耐性 を示す
下3株,25な
は い ず れ も100mcgtmlな
い しそ れ 以上の
標 準 株 に対 してい
力 価 は硫 酸 塩 重 量
ず れ に も 中 等 度 の 抗 菌 力 を 示 す の に 反 し,分
瓦`罐
種
急 性 腎孟 炎1例,漫
ρ0
-
た 。 起 炎菌 と してはE.coli,Klebstellaな
4る
り白
4
胆 嚢 炎1例,敗
し グ ラム陰 性 桿 菌 が 検 出 され,AMD350mg
1日3回
E・coliNIHJ
血 症1例,計4例
性
に 使用 し
筋 注 投 与 に よつ て 有効1例,軽
い
快2
i2.5mcg/m1
ProteusvulgarisOX19
;25mcglr【
KlebsiUapneumonineST101
:25mcg加1
Pseudomonasa例lginesa
i25mcglml
力 価 は 硫 酸 塩 重 量
性 腎孟 腎炎1例,急
9台
り諭
5
り白
9幽
2
4ム
民﹂
Qげ
1
4ム
1
6
9向
雇嘉
ハ
U
1
麹ノ
9為
5
3
ハU
4
Pseudomonas
1
強
lll・ 臨 床成 績(表3>
5・ll・・1>1・ ・
<3・1213・1216・25112・512S
よ びPseudomontzse=は
い 耐 性 が観 察 され た 。
7
9魚
ProttUs
Klebsiella
力 を 示 し,ProteUSお
2
離株では
な らび に 翫 あ∫観 碗 こあ る 程 度 の 抗 菌
抗菌力
最 低 発 育阻 止 濃 度mcg/ml
7
ΩU
E.coli
検査株数
菌
で あ り,
示 し た 。 以 上 か ら,AMDは
MICを
ラ ム陰 性 桿 菌 に対 す るAMDの
で は,6.25
い し50mcgimi4株
寺 島 株:3.12mcglml
209P:3.12mcglml
表2グ
示
はほ と ん ど が
株 も か な り み ら れ た 。Pseecdomenas35株
mcg/m1以
い
れ 以 下 のMICを
い しそ れ 以上 の耐 性 を 示 す 。
Klebsiella40株
最 低 発 育 阻 止 濃 度mcglm1
0
度患者分離菌に
で は そ の 大 部 分 が25な
す も の は 一 部 に す ぎ な い 。ProtettS27株
検査株 数
72
ど は い ず れ も25
つ い て み る と,E.celi87株
養 法 を用 い て測 定 した 。
<e・78い
準 株E.celiNI耳1は12.5
mcglm1,ProteUSVttlgan'sOXI9,KlebsdellaPneumeniaeST
あつた。
ドウ球 菌 に対 す るAMDの
ク ロ ライ
よ び ブ菌 用 合 成 ペ ニ シ リ ン
な どに比 すれ ば 劣 る。
11・ 試 験 管 内 抗 菌 力(表1,2)
表1ブ
そ れ を比 較 す
上 の 株 も か な りみ られ,マ
ド系 抗 生 物 質,CP,KMお
間 の尿 中排
ブ菌 で は標 準株 の寺 島 株 な ら び に209P株
の成績が得 ら
ど に 比 し て す く・れ た 抗 菌 力 を 示 す
が,12.5mcg/ml以
間 後 の 平 均 は31.4
あ つた 。 同 様 に 尿 中 排 泄 量 を 測定 した 結 果,
泄 率 は 平均26.6%で
る とPC,SM,TCな
れ ぞれ25
mcg/m1で
も の32株,
い しそ れ 以 上 の も の25株
れ た 。 他 の 抗 生 物 質 の 抗 菌 力 とAMDの
菌 寺 島株 を用 いた 重
の1人 は1時 間 後 に血 中濃 度 最 高 に 達 し,そ
示 す も の3株,3.12
も の12株,6.25mcg/mlの
12・5mcg/mlな
筋 肉 内注 射 後,
層 法 に よつ て 測定 した。 そ の結 果,1人
示 した 。 患 者 分 離 の 病 原 性 ブ 菌72
旦
例,無 効1例 の成 績 を 得た 。 な お 副 作用 は な
ん ら認 め られ なか つ た 。
以上 の成 績 か ら 新 抗 生物 質AMDは
広範
囲 抗 生物 質 と して の 有 効性 が 期 待 され るが,
166
CHEMOTHERAPY
・lpcJ4}▲
名
氏
】
6
21y。
42y.
45kg
45kg
43kg
52kg
体
重
病
名
与
腎 孟 腎 炎,膀
菌
E.celi
量
l,050mg
1日
投
総
投
与
回 数
量
投
与
日
数
テ ス
ト
胱炎
床
効
効 果 発 現
併
副
用
薬
作
不
3回
3回
4,200mg
3日
明
明
1,050mg
3,150mg
5H
不
き
罪 駈躍∼
一) 灘
急性胆嚢炎
1,050mg
3回
5日
血 症
G.N.B
5,950mg
消失せず
果
腎 孟 腎 炎,敗
1,050mg
3回
日 数
毒 症,
Klebsiella
KM(什)CER(一)
臨
腎 孟 腎 炎,尿
右腎腫瘍
5,250mg
投 与前 後 の 菌 の 消 長
感 受 性
陣
64y.
令
与
聾
32y.
年
因
μ塾L'ワ
孚
♀
投
晦
6
別
1日
蟹ノ
擁
性
原
▼凸 凸ノ
FEB. 1968
4日
不
明
不
無
効
有
明
駈Tε ∼
一>
KM(・1・fl-〉
やや有効
やや有効
3日
2日
効
2日
剤
な
、し
な
し
な
し
な
し
用
な
し
な
し
な
し
な
し
ブ菌 および グラム陰性桿菌感染症については耐性菌 に対
FUNDAMENTAL
AND
ON
す る注意 を必要 とす る もの と考 える.
CLINICAL
STUDIES
AMINOSIDINE
YUKIO GOTO, KATSUSUKEITO, MASARU ONUMA, MAKOTO ITO,
YASUAKITSUTSUMI& YASUSHIOKAMOTO
The First Department of Internal Medicine, Nagoya City University Medical School
(Director: MOTOAKI
KISHIKAWA)
From the studies on a new antibiotic, aminosidine (AMD), the following results were obtained.
1. Blood concentration and urinary excretion rate: With 0.5 g intramuscular injection of AMD,
the blood concentration reached to the maximum level of 31. 4 mcg/ml in 1 hour , and the urinary
excretion rate was 26.6 % for 6 fours.
2. Antibacterial activity: Using the dilution method, sensitivity of staphylococci and gram-negative
bacilli was observed. Standard strains of Staphylococcusaureus were inhibited by the concentration of
less than 3.12 mcg/ml. Almost all the strains of pathogenic staphylococci were moderately sensitive.
The minimum inhibitory concentrations of AMD against E. coil NIHJ , Klebsiella pneumoniaeST101, P
roteus vulgaris0X19 and PseudomonasaeruginosaKU were 12.5, 25, 25, 25 mcg/ml respectively. Some
strains of E. call and Klebsiella isolated from the patients were moderately sensitive, but most of Proteus
and Pseudomonaswere highly resistant.
3. Clinical effects: AMD was used in the treatment of 4 cases, consisting of acute pyelonephritis,
chronic pyelonephritis, acute cholecystitis and sepsis caused by gram negative bacilli. It was effective
for 3 diseases except sepsis.
4. Side effects: No noticeable side effects were observed.