No.53「上本郷七不思議(下)」

上小トピックス
校長室より
平成27年8月6日
No.53
上 本 郷 七 不 思 議 (下 )
上本郷は、子どもたちのふるさとです。ふるさとは、私たちにとって、一生の心のより
どころになるものではないかと思っています。子どもたちが、ふるさとに伝わるお話や歴
史に少しでも興味や関心を持ってほしいと願っています。
き
じ ぞ う
(5)「斬られ地蔵」
むかし、覚蔵院というお寺があった。この境内で盆踊りがあ
った時、踊りの輪の中にこのあたりでは見かけないひときわ踊
りの上手な男がいた。村の娘たちがその男にうっとりしている
のを見て、おもしろくないと思った村の若者が、その男を刀で
斬りつけたところ、悲鳴をあげて姿を消してしまった。翌朝境内
を見ると、お地蔵さんの胸に大きな刀傷のあとがあったので、
夕べの踊りの上手な男はお地蔵さんだったのかと驚いて、ひれ
伏してあやまったという。なお、覚蔵院というお寺は今はなく、
「斬られ地蔵」は本福寺にまつられています。
(6)「風早神社の大杉」
風早神社の境内に杉の大木が立っていた。この杉の影が、遠
く離れた二ツ木村*の田まで伸びていた。二ツ木村では影のあた
る田の実りが悪かったので、風早神社にお米を奉納したところ実
りがよくなった。そこで毎年米を供えることにしたが、ある年にこ
れを怠ったらたちまち不作となった。以後は、毎年お米を供える
ようになったという。
*二ツ木は、国道6号線の「トイザらス」「マクドナルド」や「スシロー」などがある辺り
風早神社
や
お
び
く
に
(7)「八百比丘尼」
むかし、風早神社の前の六軒新田(現在の上本郷駅周辺)
に住む村人6人が長者屋敷の庚申講(こうしんこう)に誘われ
た。しかし、長者屋敷で出される料理が人魚であることがわか
ったので、6人は料理を食べないで帰りに捨ててしまおうと相談
風早神社の鳥居
し合った。そころが、そのうち一人は耳が遠かったので打ち合
わせを聞きもらして、料理を持ち帰って娘に食べさせてしまった。その娘は、不思議な力を持つ人
魚を食べたために800年も長生きし、尼となって若狭国(今の福井県)に住んだという。後に松戸
の千駄堀の村人が若狭に旅に出た時、この年老いた比丘尼に会ったいう。これを八百比丘尼*と
いった。
*比丘尼とは、出家して僧となった女性のこと
※松戸市役所「水とみどりと歴史の回廊マップ」、千野原靖方著「松戸風土記」より