2.13 仕事とエネルギー(p71~) 2.13.1 仕事 力を加えて物体を動かす • 物体に対して仕事をする • 物体は仕事をされる 仕事 位置エネルギー 仕事 =(力)×(力を作用させた距離) W FL 運動エネルギー 力学的エネルギー保存則 • 単位 : N・m = いろいろな位置エネルギー J (ジュール) F〔N〕 L〔m〕 力の方向と移動方向が違うときの仕事 問 2-47 物体に F〔N〕の力を加え L〔m〕動かす 力の L方向成分= F cos (θは力と移動方向のなす角) 物体がされた仕事は,物体に加えられ た 力 ×物体の 移動距離 で表される. 物体がされた仕事=(力)×(移動距離) 仕事の単位は J(ジュール)である. W FL cos F θ F cos L 問 2-48 (1) 図 (a) において,親子で力を合わせて物 体を x〔m〕動かした.どちらのした仕事が大きいか. また,2人のした仕事はそれぞれいくらか. 父のした仕事=F1 x〔J〕 子のした仕事=F2 x〔J〕 F1<F2 より,子供の方 車のされた仕事=(F1+F2)x〔J〕 (2) 図 (b) では,人が倒れかけたタンスを支えている. 人は仕事をしているだろうか. 移動していないので仕事はしていない F1 F2 (a) F (3) A君,B君が図 (c) のように物体に力を加えている. 物体が x〔m〕動いたとき,誰がどれほどの仕事をし たか. (c) B君 A君 A君のした仕事=F1 x 〔J〕 B君のした仕事=F2×0=0〔J〕 F1 (4) A君とC君が図 (d) のように 物体に力を加え,物体は x〔m〕 (d) 動いた.A君は物体に対し仕事を したか.C君は物体に仕事をしたか. A君のした仕事=F1 x 〔J〕 C君のされた仕事=F2 x 〔J〕 x〔m〕 (b) F2 x〔m〕 A君 F1 車はA君から仕事をされ,C君に仕事をした C君 F2 x〔m〕 1 2.13.2 問 2-49 仕事率 (p.72~) 車が 500N の空気抵抗を受けながら 20m/s の一定 速度で走っている.エンジンや軸受けなどの摩擦力 が無視できるとすると車のエンジンの出力は何Wあ ればよいか. 仕事率=1秒間にする仕事 • J/s = W(ワット) • 馬力(PS,1PS=735W) 力F〔N〕をはたらかせて速度 v〔m/s〕 で運動するときの仕事率 P〔W〕は P Fv ヒント:車が一定の速さを保つためには抵抗力と 同じだけの推進力が必要. F〔N〕の力を受けて v〔m/s〕で走るときの仕事 率は P = Fv であるから, P 500 20 10000 • 出力の大きな車は速く走れる 必要な出力=10kW 2.13.3 重力の位置エネルギー (p73~) 質量 m〔kg〕の物体が h〔m〕落下したとき, 重力のした仕事 = mgh〔J〕 仕事の原理 てこや斜面を使って仕事をするとき, 力は小さくてすむ → 移動距離は大きい 要する仕事(=力×移動距離)は同じ 重力 mg〔N〕に逆らって,h〔m〕の 高さまで持ち上げるのに必要な仕事 = mgh 〔J〕 斜面で持ち上げる てこで持ち上げる 1 mg 3 h 1 物体の位置エネルギー として蓄えられている : 3 mg F mg sin 30 1000 9.8 0.5 4900 10 h 20 L sin sin 30 W FL 4900 20 98000 9.8×104J 斜面の長さ= F θ mg 物体がされた仕事 = 位置エネルギーの増加 h mg 1 / 2.13.5 運動エネルギー (p75) 速度 v〔m/s〕で運動する質量 m〔kg〕の 物体は運動エネルギーK〔J〕をもつ K L Lsinθ θ mg 問 2-50 摩擦が無視できる斜面(水平と 30°)に 沿って1000kg の車を,元の位置から10m 高い位置 まで引き上げた.引き上げるに要した仕事は何Jか. また,車の位置エネルギーの増加は何Jか. mg sinθ 3 1 エネルギー → 仕事をする能力 斜面の長さ=L 1 mv 2 2 運動している物体は仕事をする能力 (=エネルギー)を蓄えている 運動エネルギーは大きさのみの量である (スカラー量) 9.8×104J 2 仕事と運動エネルギー 初速度:v 0 加速後の速度:v v0 問 2-51 F v F v at v 0 L m F m F v t v 0 t v v 0 t v v 0 m F m a 移動距離と加速度の関係に代入して, 2 1 F m 1 v v 0 v 0 m v v 0 L at 2 v 0t 2 2 m F F 物体にF〔N〕の力を加えつづけ,L〔m〕の距離 移動させた,このとき,物体は FL 〔J〕の仕事を されたといい,力は仕事をしたという.物体に摩 擦力など他の力がはたらかないときには,物体が された仕事は物体の 運動 エネルギーとして蓄え られる. FL 1 1 mv 2 mv 02 2 2 v0 物体がされた仕事=運動エネルギーの増加 FL 1 1 mv 2 mv 02 2 2 問 2-52 F v L F 吹き矢の実験(問2-52説明) ストローの中にマッチ棒を入れた端を口で吹 矢に与えられる力が同じ: いて,マッチ棒飛ばす吹き矢の実験において, 筒が長い → 矢が力を受ける距離が長い マッチ棒に加わる力が同じと仮定すると,ス → 受ける仕事が大きい → 運動エネルギーが大きい トローの長さを2倍にすると,マッチ棒のされ る 仕事 は2倍になる.このほとんどはマッ FL 1 mv 2 2 運動エネルギー小 チの 運動 エネルギーになる.したがって, マッチの飛び出す速さは約 2 倍となり,飛 運動エネルギー2倍 ぶ距離は約 2 倍となる 筒の長さ2倍 3
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