番号 授業科目名 曲線と曲面の幾何学 113 英語表記 Geometry of Curves and Surfaces 開講期 単位数 担当教員名 後期 年次 2単位 加藤 信 2年次 【授業の到達目標及びテーマ】 1年次から2年次前期にかけて、線型代数I,II,代数学I,解析I,II,解析学I において、高次元の空間の取り扱 いや、その間の線型写像、多変数関数の偏微分、全微分や重積分等について学んで来た学生諸君は、この 科目において、平面曲線及び3次元空間内の曲線、曲面の様々な性質について学びながら、これまで学ん で来たことの具体的かつ身近な応用例を体験することができる。これら曲線及び曲面は、由緒正しい古典 的研究対象であり、後に微分幾何学I で学ぶ多様体の1、2次元の場合に相当するのであるが、低次元に 固有の必ずしも高次元より易しいとは限らない特殊性をも併せ持っていることから、今日なお盛んな研究 がなされている対象でもある。この教科では、2年次前期までの知識のみを仮定して理解することのでき る比較的基本的な内容に絞り話を進めるが、その内にも現代数学の礎となったものの見方に、触れること ができるであろう。 【授業の概要】 具体的な内容としては、線型代数の応用として座標変換、二次曲線の分類、3次元ベクトルの外積、微積 分の応用として曲線の長さについてまず解説する。ここまでを基本として、さらに古典的な曲線論、曲面 論並びに非ユークリッド幾何学からいくつかのトピックを選んで解説する。 【授業計画】 第 1回 座標変換 第 2回 二次曲線の分類 第 3回 平面曲線の曲率 第 4回 弧長媒介変数表示、曲率の意味 第 5回 3次元ベクトルの外積、直交行列 第 6回 空間曲線の曲率と捩率 第 7回 Frenet-Serret の定理 第 8回 曲線の問題演習 第 9回 曲面の曲率 第10回 極小曲面、定曲率曲面の例 第11回 曲面上の曲線、測地曲率 第12回 平行移動 第13回 Gauss-Bonnet の定理 第14回 双曲幾何の上半平面モデル 第15回 曲面の問題演習 【テキスト又は参考書】 小林昭七「曲線と曲面の微分幾何」、小沢哲也「曲線・曲面と接続の幾何」他。ただし、担当教員によっ て変更される場合がある。 【評価方法】 レポート課題や定期試験などで総合的に評価する。 【コメント】 2年次前期までに学んだ微積分及び線型代数の内容を前提とした講義である。さらに常微分方程式や、同 時進行の解析学Ⅱの内容も若干用いるが、それ以外の新しい道具は、極力使わないで解説したい。これま での学習内容の具体的な応用例を扱っているので、上記の科目の中にあまり(或いは全然)わからなかっ た科目があると言う人も、この科目を通して、これまで理解が不十分であった内容を復習し、しっかり身 につけてほしい。
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