線型代数 ノート 9 M. Kurihara 2015 年 6 月 22 日 長さが 1 で互いに直交する基底を正規直交基底と呼ぶ。 部分空間の基底が与えられたとき、シュミットの直交化法で正規直交基底 を作ることができる。 直交行列 実数を成分とする n 次行列 A が 直交行列 であるとは、A−1 = tA が成り 立つことである。 定理 1. A を n 次の行列とする。このとき、次は同値である。 (1) A は直交行列 (2) 任意の n 次ベクトル x, y に対して、Ax · Ay = x · y が成立する。 (3) 任意の n 次ベクトル x に対して、 Ax = x が成立する。 (4) A = (u1 ...un ) と書くとき、u1 ,...,un は Rn の正規直交基底である。 対称行列 n 次行列 A が 対称行列 であるとは、tA = A が成り立つことである。 定理 2. A を実数を成分とする対称行列とするとき、A の固有値はすべて実 数である。 定理 3. A を実対称行列とする。このとき、直交行列 P で P −1 AP が対角 行列となるものが存在する。このことを、A は直交行列で対角化可能である と言う。 9-1.(1) A, B を共に直交行列とするとき、AB も直交行列であることを証 明せよ。 (2) A を直交行列とするとき、A−1 も直交行列であることを証明せよ。 ⎛ ⎞ 2 0 a 3 ⎜ 2 ⎟ ⎟ が直交行列となるように、a, b, c の値を定めよ。 √1 b 9-2. ⎜ ⎝ 3 ⎠ 5 1 2 √ c − 3 3 5 1 9-3. 次の行列 A の固有値を求め、直交行列で対角化せよ。 ⎛ ⎞ ⎛ ⎞ 1 1 1 3 0 6 ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ (1) A = ⎝ 1 1 −1 ⎠ (2) A = ⎝ 0 −3 6 ⎠ 1 −1 −1 6 6 0 提出 上記の練習問題を解いて、6 月 29 日のこの授業のときに提出すること A4 レポート用紙に書くこと。名前、学籍番号、所属学科を忘れずに書くこと。 2
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