熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System Title パルス電源の出力特性の制御と応用 Author(s) 坂本, 達朗 Citation Issue date 2015-03-25 Type Thesis or Dissertation URL http://hdl.handle.net/2298/32323 Right 氏名 坂本 達朗 主論文審査の要旨 全国体素子を用いた新しい 3種類のパルスパワー発生装置の開発、及びプラズマスラ スターの研究をされた。まず、ブーストコンパータを用いた誘導性エネルギー蓄積方式 のパルスパワー電源を開発された。コンパクトで高効率を特徴としている。次に、マル クス発生器に半導体スイッチによるブリッジ構造を組み込んだ両極性のパルスパワー電 源を開発された。多段にでき、制御性がよいのが特徴である。さらに、短パルス化のた めのデュアルマルクス構造を取り入れたマルクス発生器を開発された。半導体スイッチ の最大動作周波数に依存せず、短パルス化が可能となるのが特徴である。プラズマスラ スターでは、電流波形を調節可能なパルスパワー電源を用いて、プラズマパラメータ及 び推進性能の電流波形依存性を調べ、プラズマのエネルギー転送効率を向上させる条件 を見出した。 第 1章では、研究の背景、及び研究の目的と意義を述べられている。第 2章では、ブ ーストコンバータを用いた高繰り返しパルスパワー発生器について述べ、放電現象の安 定化、出力制御性の向上、装置の小型化を強調している。第 3章では、全国体素子構成 の高機能マルクス発生器について述べ、 3段構成の両極性マルクス発生器を試作した結 果を述べている。パルスパワーの全パラメータを変化できることを強調している。第 4 章では、高機能マルクス発生器にデュアルマルクス構造を取り入れて、短パルス化に成 功している。第 5章では、パルスパワー応用として、電熱加速型パルスプラズマスラス タにおける駆動電流波形の影響を述べている。 以上のように、本研究の内容は、全国体素子を用いた新しいパルスパワー発生装置の 開発、及びプラズマスラスターの研究に関してであり、本論文で得られた成果は学術的 及び工学的に価値のあるものである。これらの成果は、査読付き外国学会誌に 2編、査 読付き国際会議プロシーディングに 2編、掲載されており、複合新領域科学専攻の博士 授与基準を満たしている。口頭試問から総合理解力も高いと評価した。 結論として、本研究は博士(工学)の学位授与に値すると判断した。 最終試験の結果の要旨 審査委員会は、学位論文提出者に対し、当該論文の内容を中心に試聞を行った。その 結果、当該分野及び関連分野に対して十分な知識と理解度を示し、研究遂行能力を有し ていると認めた。また、外国語に関しては、英語による論文発表や国際会議での研究発 表を行っており、十分な能力があると認めた。以上の結果に基づいて、審査委員会は最 終試験を合格と判定した。現在投稿中の論文があり、要約のみインターネット公表をす ることとした。
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