稲の城第 80 号

聖書の言葉に立つキリスト教会
発行・2015 年 10 月 25 日
稲の城
第 80 号
稲城聖書教会会報
〒206-0804
東京都稲城市百村 66-8
℡.042(377)5546
E-mail. [email protected]
http://www015.upp.so-net.ne.jp/inagibch/
【今月の黙想】
9 月に入って中東の情勢に世界
を注目させた一枚の写真が報道
されました。赤いTシャツに紺色
のズボン。靴を履いたまま、波打
ち際にうつぶせで横たわる男の
子、トルコの砂浜に漂着したシリ
ア難民である幼児の遺体の写真
です。この幼児は、シリア北部出身のアイラ
ン・クルディ君(3 才)で、家族と一緒にギリシ
ャへ向かう途中に船の転覆に遭いました。
スイスに住んでいる方の文から引用します。
「…9 月 30 日に安倍首相が国連総会で演説、
難民支援に 1 億ドル(970 億円)の拠出を発表、
常任理事国入りへと向けたアピールをしたニ
ュースに、私はとても驚かされました。日本
の皆さん、それほどシリア難民を受け入れる
ことが耐え難いのですか?970 億円拠出のニ
ュースのこちらのメディアでの扱いは、案の
定小さく、ドイツ人の友人たちに話したとこ
ろ、見事に鼻で笑われました。私も彼らも言
いたいことは簡単です。ドイツにシリアやア
フガニスタン、ナイジェリアなどからの難民
が一日当たり 1 万人もの人数が押し寄せてい
る今、単に金を払って解決するような事態で
はない!難民認定申請者のための宿泊場所、
食事や登録手続きを巡って彼らを世話するス
タッフの確保、仮設住宅の建設も全然間に合
っていない!…ということです。ましてや、
日本が拠出する 970 億円は、欧州におけるシ
リア難民受け入れのためは使用されないとい
うことです。……人口約 800 万人の小国スイ
スでもこのたび、5 万人分のベッドを新たに準
備したということですが、彼らの長期滞在を
支えるだけのスタッフが揃っていないとか。
受入数が去年の 6000 人を大きく上回ることに
なるのか、議論は難航しています。日本もせ
めて 5000 人程度は受け入れなさい!と語気を
荒げてでも私は言いたいです。1000 人でも難
民を受け入れる代わりに、970 億円を払うとい
う選択…欧州に住む私たちの目にどのように
映ったのか、皆さんは、想像できますか?日
本という国がどれほど難民を受け入れるのが
嫌なのか、私たちにはよく伝わりました。…」
世界では今、6,000 万以上にのぼる人々が国
や故郷を追われています。国内で別の土地に
逃げる者、歩いて隣国を目指す者、そして、
時にはさまざまな偶然から、飛行機で遠い異
国にたどり着く人もいます。シリア紛争をは
じめ、世界的に難民が増える中、日本にも、
逃れてくる人は年々増えています。2014 年に
は、5,000 人が日本で難民申請をしました(認
定されたのは 11 人。難民と認定されなかった
ものの、人道的な配慮により在留が認められ
たのは 110 人)。認定されてない人は働くこと
ができず、それで衣食も、医療も、福祉も何
一つ得られない生活を過ごしています。
神様は、エジプトから救ったイスラエル民
に、あなたがたが奴隷であったことを覚え、
在留異国人を扱うようにと命じました(申命
記27:19)。この戒めの積極的な面が「あなた
の隣人をあなた自身のように愛せよ」という
戒めでしょう。目を広げて隣人に関心を持つ
人でありますように。
(牧師 金俊起)
主の譬え話の学び(9)
『真夜中の友人』
◎「祈りを教えてください(1節)」という弟子
の願いに応えて、イエス様は、主の祈り(2-4
節)によって「何を祈るべきか」をお教えにな
り、続けて譬え話(5-10節)の形で「どのよう
に祈るべきか」を教えて下さいました。譬え
話の「あなたがたのうち、だれか」という語
り出しは、何か淡々とした口調のように聞こ
えますが、原文は「真夜中に助けを求められ
た友人が、放っておくだろうか。…そんな人
はいる筈がない。」という、断定的な口調に
なっていて、その口調が、「子の願いを父が
放っておくだろうか。」「まして、天の父が
黙って放っておく筈がないではないか。」と
展開する(11-13節)のです。このことをはっき
り受け止めておかないと、祈りについて教え
る中でイエス様が「真夜中の友人の譬え」を
お話しになった意味が分からなくなってしま
います。つまり友人に頼み込むのも、父に願
うのも、天の父に求めるのも、聞き入れられ
るという確信の中で、熱心にそうするのです。
1.「必要な物を与えるでしょう。」
(1)「友人が旅の途中、私のうちへ来た」:
当時のパレスチナ地方では、昼の日差しを避
けて夕方から夜にかけて歩きました。旅人が
真夜中に突然、泊めてくれとやって来たので
す。彼は、汗と埃にまみれ、疲れていて、そ
のうえ空腹です。
(2)「君。パンを三つ貸してくれ。」:真夜
中に旅人を迎えた人は、旅人の空腹をすぐに
も癒して上げたかったのですが、自分の家に
食事の用意がないので、気心の知れた友人の
家の戸を叩いて、「パンを三つ(「日ごとの
糧」に相当)貸してくれ。」と頼み込みます。
(3)「あくまで頼み続けるなら、」:一間し
かない部屋で、戸を開けようとしたら、みん
なを起こしてしまいます。それで、初め友人
は断ります。でも借りに来た人は、旅人の空
腹を癒して上げたい一心から、「あくまで頼
み続け」ます。頼み込まれた友人は、友達と
いう人間関係だけでは「起きて何かを与える
ことはしない」けれども、頼み込む方が「あ
くまで頼み続けるなら、」結局は心を動かさ
れて、「起き上がって、必要な物を与えるで
しょう。」とイエス様は言われます。
2.「わたしは、あなたがたに言います。」
イエス様は、今度は「わたしは、」を付け
て、さらに強調して言われます。「求めなさ
い。そうすれば与えられます。捜しなさい。
そうすれば見つかります。たたきなさい。そ
うすれば開かれます。」「求めなさい。」確
信を持って祈るとき、祈りは「捜しなさい。」
「たたきなさい。」という具合に、より明確
な行動へと展開して行きます。
「捜しなさい。」
は、祈りが聞かれる時まで求め続ける積極的
な行動が必要であることを教えます。「たた
きなさい。」は、門をたたく忍耐と継続、そ
して聞かれることへの確信が必要であること
を、強調しておられるものと思われます。
3.「どうして聖霊を下さらないことが」
イエス様は弟子の願いに応え、主の祈りに
よって「何を祈るべきか」を、譬え話によっ
て「どのように祈るべきか」を、お教えにな
りましたが、さらに続けて一つの約束をして
下さいました(11-13節)。人間は、神様から見
れば「悪い者」に違いありませんが、子供を
怖がらせたり傷つけたりする、蛇やさそりを
与えたりはしません。「悪い者」人間の父親
でさえそうなのですから、「なおのこと、天
の父が、求める人たちに、どうして聖霊を下
さらないことがありましょう。」父なる神の
思いは、子供を思う父親の思いに勝るのです。
神様の愛を信じて熱心に祈り求めれば、天の
父は、「聖霊」をも与えて下さる。これが、
イエス様の与えて下さった約束です。聖霊は
私たちと共にいて下さり、御心を教えて下さ
り、御心を実行するための力を与えて下さる
お方です。神様からの最高の賜物、聖霊(ヨハ
ネ16:7参照)を与えて下さるというのです。
4.「真夜中の友人の譬え」と私たち
この譬えは、友人や親と天の父なる神との比
較から、私たちの祈りが必ず聞かれることを
教えてくれます。
✿こころに留まったみことば✿
~韓国の教会について~
マダガスカル里帰り寄稿
永守 めぐみ
吉川 南真
4年振りに第二の故郷・マダガスカルに里
稲の城を書く機に韓国での 8 か月の生活を
帰りしました。大家さんや、一緒に活動した
振り返ってみたのですが、何を書けばいいか
病院スタッフ達、よく通った食堂のおばちゃ
なかなか思い浮かばず、韓国の教会について
ん、元気にしているのかなと思いを馳せるこ
そして思ったことを簡単に書くことにします。 とはあっても、日本で働いていると1週間の
休みを取ること
今韓国には日本に比べると圧倒的に多くの
が難しく、あっ
教会があり、クリスチャンがいます。私の大
という間に時間
学があるインチョンやソウルでは歩いている
が経っていまし
と 5 分に一つは教会を見つけることができる
た。理解ある職
くらいです。また電車の窓から外を眺めてい
場のおかげで、
るといたるところに十字架を見つけることが
お休みがもらえ
できます。ビルに入っている教会が多いです
ただけでなく、「粗品でもらうタオル、鉛筆
が、ほんとうに立派な教会もかなり多いです。 とか、持っていってくれない?」とお声をい
また牧師の数も多く私の通っている教会には
ただいて、日に日に提供品が増えて、合計1
3 人の牧師がいます。韓国を一周した際にも偶
4kgの鉛筆、タオル、ジャポニカ学習帳が
然山を登っているときにお会いした二人の方
集まりました。
が牧師だったなんていうこともありました。
懐かしい人達に会いに行く、ジャポニカ学
芸能人にもクリスチャンが多いそうです。よ
習帳を孤児院に届けるというミッションを抱
く私の教会の若者たちがあの芸能人があの教
え、いざ!マダガスカルへ!…でしたが、マ
会に通っているから一回行ってみようなどと
ダガスカルは遠かった。ストライキで飛行機
話しています。大学にもたくさんの若者のク
が飛んで来ていないとバンコクで10時間待
リスチャンがいます。初めて出会った大学の
ちでした。翌日予定していた国内線もキャン
学生もクリスチャンでした。外を歩いている
セルになり、翌々日のフライトに変更、色々
とよくクリスチャンと思われる人々にイエス
と予定が崩れてしまったり、同行した友人ら
様を信じなさいと声をかけられることもあり
も風邪気味で、先行き不安のある旅でした。
ます。電車の中で突然声をかけられることも
そんな中でも、全員の体調が大きく悪化する
あります。
ことなく守られたこと、その日その日にでき
るベストな予定を遂行できたこと、不便な中
これらの一部は私が昔思い描いていた環境
でも文句を言う人がいなかったこと、神様か
のような気がします。本当に素晴らしいこと
らの知恵と守りがあったことを思わされ、感
だと思っていました。ですがいざ体感してみ
謝でした。
るとなかなかなじめないものです。
結果的には、4年振りの村を訪問し、何が
できるわけではないけれど、「元気?」と大
ほかにも韓国の教会
家さん一家と挨拶を交わすことができたこと、
では驚きの体験をいく
孤児院に無事に文具を届けることができたこ
らかしましたが、文章に
と、バオバブの並木道で神様が創られた自然
するのが苦手なので日
の力強さと美しさを目の当たりにできたこと
本に帰って感想を述べ
に感謝な旅でした。
る機会まで温めておこ
大家さんの家の駐車場に、4年前に桜の記
うと思います。
念植樹をしました。ひざ丈だった苗木が、大
(12 月 18 日帰国予定)
家さん一家が大切に育ててくれていて、立派
な桜の木に成長しました。4年の歳月を感じ
ました。もし神様から再訪するチャンスが与
えられたら、次回はぜひお花見をしたいです。
教会堂が引っ越します
11 月末をもって、現在の百村から教会堂が
引っ越しをすることになりました。
馴染んできたころで引っ越しとなり、大変
残念ではありますが、ぶどう畑やお花がいつ
も綺麗で、快適な環境で使わせていただいた
ことに感謝をしながら、これから新しい場所
への移転準備を進めていきます。
新しい場所につきましては、クリスマスバ
ザー等で今後周知していく予定です。
クリスマスバザーをします
9月会計報告
献金(収入)総額は 317,484 円
主日献金 66,484 円 月定献金 201,000 円
指定献金 50,000 円
前月の繰越金 459,210 円(会堂移転指定献金
30 万含)
支出総額は 293,955 円
牧師謝儀 160,000 円 会堂家賃 95,000 円
教育費・伝道集会他 35,955 円 慶弔費 3,000
円 来月への繰越金 607,263 円(会堂移転
指定献金 35 万含)
会堂移転指定献金として新たに 5 万円捧げら
れました。
11月の予定
11 月 1 日
15 日
23 日
29 日
聖餐式、世話人会、聖書の学び
信徒会
クリスマスバザー
アドベントが始まる!
11月の奉仕者
11 月 1 日
8日
15 日
22 日
29 日
(司会) (感謝祈祷) (掃除当番)
岩崎兄
雨宮姉
南潤兄
松永姉
岩崎姉
松永兄
岩崎兄
松永姉
岩崎兄
松永姉
永守(み)姉 吉川姉
金牧師
片岡姉
青年
編集後記
11 月 23 日(月・祝)にクリスマスバザーを
行います。毎年人気のアドベントカレンダー
や、カラフルなビーズがたくさん付いている
ブローチ、ペンケース等、手作りのものをた
くさんご用意して、皆様のお越しをお待ちし
ています!!
秋も終わりに近づいてきたと同時に私たち
の百村での生活も終わりに近づいてきました。
私にとっては、四つ目の教会になりますが今
回は建物そのものよりも皆さんと共に神を賛
美し礼拝を持つことが続けられる事にとても
感謝しています。次号「百村の思い出」と題
して一人でも多くの方に思い出の原稿を寄せ
て頂きたいと思います。
締め切りは11月18日
です。今しか書けない新鮮な
思いを寄せて下さい。お待ち
しています。(雨宮)