プレート運動と地震

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地球内部の物質あるいは物性の分布を「構造」と呼んでいます.これは地球の内
部構造を示した図です.中心から順に,内核,外核,マントル,一番外側が地殻で
す.ここで注目すべきことは外核が流体だと言うことです.この流体の運動が地磁
気を発生に関与していると考えられています.
地震の発生はプレート運動と密接に関係しています.プレートとは地表の100km
程度の厚さを持った岩盤のことです.マントルの上層部にアセノスファエアとよばれ
る流体的な性質をもった層があり,プレートの運動はアセノスフェアの運動と関係し
ていると考えられています.ただ,流体の運動がプレートの運動を生んでいるのか,
プレートが流体の運動を生んでいるのかは明確ではないようです.
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ここで色分けされてているのが現在考えられている主な大きなプレートです.こ
こには15個のプレートが描かれています.
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ここに書かれているプレートをまとめたものですが,日本に関係しているのは色
付けしてあるプレートです.東北地方は北米プレートに属している,あるいは,北
米プレートに接続しているオホーツクプレートに属しているという人もいます.
乗っているのは北米プレートの上ですが,ユーラシアプレートと太平洋プレート
に挟まれいます.関東地方や中部地方ではフィリピン海プレートもそれに絡んで
きます.
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これはプレートが移動(運動)している証拠です.海洋の中心部には急峻な盛
り上がりが,そのまた中心部には急峻な谷が有ったりします.この急峻な盛り上
がりを海嶺と呼んでいます.また,プレートとプレートが接する海底には溝が有る
ところもあります.この溝を海溝と呼びます.
海嶺から垂直に地磁気異常を測って行くと地磁気異常の正負が交互に現れる
ことが見つけられています.岩石には溶融状態から固化する時に自分が有った
場所の磁場を固定してしまう性質が有ります.それを残留磁気と言いますが,正
負が現れるのは固化した時代と場所の情報だと考えらています.
地球磁場の向きは,これまで何回も反転したことが知られています.ですから
正負の模様(縞模様と呼んでいる)の成因は岩石が固化した後,海嶺の両側に
広がって行くさまを表していると解釈されています.
このようなことから,海嶺は深部から溶融した岩石がわき出すところ,わき出し
て固化した岩石は地表を水平方向に移動すると解釈されています.
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プレートは移動しているといいましたが,移動している部分とはことなる部分と
の間に相対運度が見えるところがあります.ハワイの火山の起源はプレートより
深いところにあることが知られています.それをホットスポットと呼んでいます.
ホットスポットの位置を固定してみるとプレートの上にある火山の位置はプレート
の移動と一緒に移動します.この写真にあるハワイからのびる火山の列はそのよ
うにして出来たものと考えられています.ですから,ホットスポットがつねに同じと
ころにあると考えると,この火山列はプレートの移動を表していることになります.
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GPSやVLBI(Very Long Baseline Interferometry:遠方の宇宙電波源からの伝
播を地球上の離れた複数観測点で観測し,観測転換の距離やその変化を求め
る手法),地震による相対変位などのデータをもとにして得られたプレートの移動
方向と速さです.世界基準の座標系で表現されています.
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地震が何処に起こっているかを示した図です.前に出てきた図と見比べると,
海嶺や海溝などプレートが接しているところ(ぶつかりあっているところ)に多数
起こっていることが解ります.
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地震が何処に起こっているかをまとめた図です.海嶺では溶岩がわき出し,固
化して水平に移動して行きます.この岩石が陸の岩石に出合うと,その下に沈
み込んだり,陸同士の岩瀬の場合は山を作ったりします.地震はこのような衝突
の過程で起こっていると考えられています.プレート境界に起こる地震をプレー
ト境界地震,何らかの理由でプレート内に生じる歪みを解消するように起こる地
震をプレート内地震と呼びます.3/11の地震はプレート境界地震4/7の地震はプ
レート内地震と考えられています.また,よく話題になるアウターライズの地震は
プレート内地震に分類されます.(図は Wikipedia より)
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プレート運動のまとめ.
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