2015年度冬季ボーナス支給調査

調 査
2015年度冬季ボーナス支給調査
【 調 査 要 領 】
1.調 査 対 象:長崎県内主要企業474社
2.調 査 方 法:郵送によるアンケートおよびヒアリング
3.調 査 期 間:2015年10月28日∼11月30日
4.調 査 事 項:支給月数、支給額
5.回答企業数:製造業85社、非製造業271社、合計356社、回答率75.1%
回答企業のうち、調査時点でボーナス支給について、「(ほぼ)決定している」企
業は全体の49.7%、177社(「未定」は50.3%、179社)で、前年度(42.1%)を7.6ポ
イント上回った。なお、支給額について回答を得られた企業は158社で、その支給
対象人員は19,378人(前年度比49人増)、総支給額は111億円(同5億円増)となっ
ている。
1.平均支給月数
∼1.71カ月、前年度比0.08カ月増(うち製造業0.06カ月増、非製造業0.08カ月増)∼
ボーナス支給月数について
図表1 業種別・企業規模別の冬季ボーナス支給状況
回答が得られた企業(170社)
の平均支給月数(計画)は1.71
区 分
全
カ月で、2014年度実績比0.08
業種別にみると、製造業は、
一般機械(2014年度実績1.88
カ 月 → 2015 年 度 計 画 2.03 カ
業
種
別
カ月の増加(図表1)。
産
製
輸
一
電
食
そ
非
建
卸
小
運
サ
そ
月)をはじめ食料品(同1.32
カ月→1.43カ月)や輸送機械
総じて増加したことから、全
体では1.81カ月と前年度実績
24
ながさき経済 2016.1
企業規模別
(同2.10カ月→2.16カ月)など
大
製
非
中
製
非
業
造
業
送 機 械
般 機 械
気 機 械
料
品
の
他
製 造 業
設
売
売
輸
ー ビ ス
の
他
企
業
造
業
製 造 業
小 企 業
造
業
製 造 業
支給月数
(回答企業数170社)
2014年度 2015年度
増減
1.63
1.71
0.08
1.75
1.81
0.06
2.10
2.16
0.06
1.88
2.03
0.15
1.45
1.46
0.01
1.32
1.43
0.11
1.87
1.88
0.01
1.59
1.67
0.08
1.60
1.55 △0.05
1.61
1.89
0.28
1.61
1.64
0.03
1.36
1.41
0.05
1.67
1.72
0.05
1.71
1.71
0.00
2.02
2.11
0.09
2.49
2.65
0.16
1.83
1.90
0.07
1.57
1.64
0.07
1.62
1.67
0.05
1.55
1.63
0.08
(月、千円、%)
1人当たり平均支給額
(回答企業数158社)
2014年度 2015年度 増減率
551
573
4.1
662
694
4.9
740
784
5.9
766
810
5.7
332
338
2.0
338
355
5.0
348
338
△2.9
446
460
3.1
482
468
△2.9
335
366
9.3
454
462
1.8
354
367
3.6
599
620
3.5
408
407
△0.2
703
742
5.4
790
837
6.0
487
498
2.4
408
420
3.1
345
352
2.0
431
446
3.5
調 査
Research
2015年度冬季ボーナス支給調査
(1.75カ月)を0.06カ月上回った。非製造業は、建設業(同1.60カ月→1.55カ月)などが減少したが、
卸売業(同1.61カ月→1.89カ月)をはじめ運輸業(同1.36カ月→1.41カ月)やサービス業(同1.67
カ月→1.72カ月)等が増加したことから、全体としては1.67カ月と前年度実績(1.59カ月)を0.08
カ月上回った。
企業規模別にみると、大企業(同2.02カ月→2.11カ月)が0.09カ月増となり、中小企業(同1.57
カ月→1.64カ月)は0.07カ月増となった。
なお、支給月数が前年度比「増加」するとした企業の割合から「減少」するとした企業の割合
を差し引いたD.I.は、プラス21.8と昨年(8.9)から大幅に上昇した(図表2)
。
図表2 支給月数・1人当たり平均支給額の増減企業割合の推移
「増加」(A)
「不変」
「減少」(B)
D.I.(A−B)
2009年度
18.2
48.4
33.3
△15.1
(%)
支 給 月 数
1 人 当 た り 平 均 支 給 額
10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 2009年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
25.8
19.7
18.0
28.2
25.2
31.2
38.6
52.4
42.1
41.9
55.6
57.6
62.0
56.0
58.6
56.0
54.5
58.5
59.4
12.4
12.9
15.8
12.5
14.8
6.8
8.9
18.2
21.7
26.0
17.3
16.3
9.4
49.0
34.7
42.1
45.6
29.6
35.6
29.1
7.6 △2.0 △8.0
10.9
8.9
21.8
△10.4
17.7
0.0 △3.7
26.0
22.0
32.9
2.1人当たりの平均支給額
∼573千円、前年度比4.1%増(うち製造業4.9%増、非製造業3.1%増)∼
支給額について回答が得られた企業(158社)の1人当たりの平均支給額(支給総額を支給対
象総人員で除したもの)は573千円で前年度実績(551千円)比4.1%増加した(図表1)。
業種別にみると、製造業では一部で前年度実績を下回った先もあったが、輸送機械(5.9%増)
をはじめ一般機械(5.7%増)や食料品(5.0%増)等では上回り、全体では4.9%増の694千円と
なった。また、非製造業では建設業(2.9%減)などで前年度実績を下回ったが、卸売業(9.3%
増)をはじめ運輸業(3.6%増)やサービス業(3.5%増)等で上回り、全体では3.1%増の460千
円となった。
これを企業規模別にみると、大企業が前年度実績比5.4%増の742千円となり、中小企業は3.1%
増の420千円となった。
また、平均支給額が前年度比「増加」するとした企業の割合から「減少」するとした企業の割
合を差し引いたD.I.は、プラス32.9(「増加」62.0%から「減少」29.1%を差し引き)と昨年(22.0)
から大幅に上昇した(図表2)。
冬季ボーナス支給額は前年を上回る企業が多くなっており、今後の個人消費の回復に期待し
たい。
(上村 秀明)
ながさき経済 2016.1
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